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【CD入手】ボブ・ディラン / 時代は変わる (リマスター・紙ジャケット仕様) #BobDylan #TheTimesTheyAreAChangin

時代は変る(紙ジャケット仕様)時代は変る(紙ジャケット仕様)
(2014/3/26)
ボブ・ディラン

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参考音源(著作権者の監視が厳しく、オリジナルの音源を参照することが出来ませんでしたので、類似の音源を示します。)


All songs written by Bob Dylan.

1. 時代は変る The Times They Are a-Changin' 3:15
2. ホリス・ブラウンのバラッド Ballad of Hollis Brown 5:06
3. 神が味方 With God on Our Side 7:08
4. いつもの朝に One Too Many Mornings 2:41
5. ノース・カントリー・ブルース North Country Blues 4:35
6. しがない歩兵 Only a Pawn in Their Game 3:33
7. スペイン革のブーツ Boots of Spanish Leather 4:40
8. 船が入ってくるとき When the Ship Comes In 3:18
9. ハッティ・キャロルの寂しい死 The Lonesome Death of Hattie Carroll 5:48
10. 哀しい別れ Restless Farewell 5:32

Personnel
Bob Dylan - vocals, acoustic guitar, harmonica



 この時期のディランはストイックです。

 正確に言うと、フォーク・ロックを始めるまでのディランは、音がストイックなのです。そりゃそうだ、基本ギター一本の弾き語りなんだから。そのうえあのぶっきらぼうな歌い方。よほどはっきりした旋律でなければ捕まえにくくてもしょうがないでしょう。

 そんななかでも、タイトル曲と、“ハッティ・キャロルの寂しい死”は、親しみやすい曲と言えます。これは、個人的な理由で、僕が初めて買ったディランのレコード「バイオグラフ」(5枚組の編集盤、CDでは3枚組)に収録されて馴染んでいたからということもあるし、後者はよしだたくろうが日本語詞を付けて歌っているのを聴いていたからというのもあります。

 よしだたくろうヴァージョンは「オン・ステージ第二集」という二枚組のライヴ・アルバムの冒頭に収録されているのですが、このアルバム、現在では入手困難です。もともと、たくろうの許諾を得ずにエレック・レコードが勝手に出したということもあり、すぐに市場から消えてしまいました。それで、この時期の音源の権利を取得したCBSソニー(当時)が細々とミュージックカセットとして辛うじて売っていたくらいなのです。僕はそのミュージックカセットを持っているのだけれども、長いこと聴いていないので、今ではどこへ行ったかわからなくなってしまいました。たくろう版の歌詞は、原詞とは全く関係なく、自分の青春時代の思い出を綴ったものでした。“準ちゃんがよしだたくろうに与えた多大なる影響”というタイトルにしていたと思います。原曲の倍くらいの長さの曲になっていました。まぁ、ディランに入れ込んでいた(今もそうなのかな)たくろうらしい話ではあります。Youtubeで検索すれば、あちこちの会場で披露したヴァージョンが見つかるんだけれども、まぁ、ディランのファンには関係ない話かな。

 “ハッティ・キャロル~”の歌詞は、無慈悲に杖で打ちつけられて死んだ黒人使用人の歌なのだけど、ディランの詞は「ハッティ・キャロルが殺されたことはたしかに悲しいことだけれども、それ以上に殺した白人のウイリアム・ザンジンガーがわずか6ヶ月の禁錮刑にしかならなかったことのほうがはるかに悲しい」と言う、一捻りした詩作に成っています。

 タイトル曲は鳴り響く鈴の音を模したかのようなギター伴奏に乗ってリズミカルに歌われる。歌詞は「(僕達若者を)手伝ってくれとは言わないが、邪魔だけはしないでくれ。とにかく時代は変わっていっているんだから」と言った、結構辛辣な内容になっています。この曲などの印象で、「プロテスト・フォーク」の騎手として祭り上げられたようなところもあるんだけど(「プロテスト」は「抗議する」と言う意味)、そこだけにとどまっているような人ではないし、また、歌詞をきちんと聴いている人によると、この時期にして既にプロテスト一辺倒の作風ではなくなっているらしい。

 冒頭でストイックだと書いたのだけれども、それでも、曲に寄り添って耳を傾けてみれば、必ずしもぶっきらぼうなだけではないようです。

 “ホリス・ブラウンのバラッド”はシリアスな曲調ながら、よく聴けば親しみやすい旋律で組み立てられているし、“神が味方”もとっつきやすいメロディ。しみじみとした“いつもの朝に”もいい味を出しています。(どことなく“時代は変る”に似ているように感じるのは気のせいか?。)“ノース・カントリー・ブルース”も朴訥とした中に親しみやすさが隠れています。“しがない歩兵”は朗々とした楽曲。“スペイン革のブーツ”もしみじみとした味わいです。“船が入ってくるとき”は快活なリズムと明快な旋律の佳曲でこれはかなり良いと思います。“哀しい別れ”はメジャーキーですがタイトル通りのうら悲しさが漂っています。

 と言うように、一曲づつ丁寧に見ていくと、けっこう馴染みやすい旋律が隠されていることに気づく。(全体的にゆったりした曲が多いのが僕的には物足らないところですが。)一節によると、これらは、ヨーロッパのトラディショナル(伝統的)なフォーク・ソングに取材した成果だという。なので、ヨーロッパのトラディショナルなフォーク・シンガーたちには「パクリだ!」と糾弾されているのだとか(笑)。事の真相は僕には判断しきらないが、ともあれ、この時期のディランの楽曲がストイックなだけではないことは心に留めておきたいと思う。いやまぁ、それでもフォーク期のディランはなかなか僕には手強いのではありますが。(^_^;

 このアルバムは1964年の1月に発表されたが、同年8月にはもう次のアルバム「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」が出ています。当時としては普通のリリース・ペースだったのかもしれませんが。1964年といえば、全米でビートルズ旋風が吹き荒れていた時期だということを思い浮かべると、なかなか興味深いですね。



 さて、ここからは、音楽とは直接関係ないよもやま話になる。興味のない人は跳ばしてもらって差し支えない。

 このアルバムの“スペイン革のブーツ”の歌詞は太田裕美の“木綿のハンカチーフ”(作詞:松本隆)の元ネタとして有名な歌詞なのだそうだ。(もちろん日本に於いてのみ、だろう。)男女の会話形式になっているところが、範とされた部分らしいのだが。さて、この歌詞、引用してみよう。(“木綿のハンカチーフ”の方の歌詞は引かない。僕が言いたいこととは直接関係ないので。)

"Boots Of Spanish Leather"

Oh I'm sailin' away my own true love
I'm sailin' away in the morning
Is there something I can send you from across the sea
From the place that I'll be landing ?

No, there's nothin' you can send me, my own true love
There's nothin' I wish to be ownin'
Just carry yourself back to me unspoiled
From across that lonesome ocean.

Oh, but I just thought you might want something fine
Made of silver or of golden
Either from the mountains of Madrid
Or from the coast of Barcelona ?

Oh, but if I had the stars from the darkest night
And the diamonds from the deepest ocean
I'd forsake them all for your sweet kiss
For that's all I'm wishin' to be ownin'.

That I might be gone a long time
And it's only that I'm askin'
Is there something I can send you to remember me by
To make your time more easy passin' ?

Oh, how can, how can you ask me again
It only brings me sorrow
The same thing I want from you today
I would want again tomorrow.

I got a letter on a lonesome day
It was from her ship a-sailin'
Saying I don't know when I'll be comin' back again
It depends on how I'm a-feelin'.

Well, if you, my love, must think that-a-way
I'm sure your mind is roamin'
I'm sure your thoughts are not with me
But with the country to where you're goin'.

So take heed, take heed of the western wind
Take heed of the stormy weather
And yes, there's something you can send back to me
Spanish boots of Spanish leather.


スペイン革のブーツ

ああ、私の愛しい人よ、私は船出する
明日の朝には船出する
海を越えてあなたに送るものが何かあるかしら
私がたどり着いたその場所から?

いや、送って欲しいものなど何もない
僕の愛しい人
欲しいものは何もない
だから傷つく前に、僕のところへ戻っておいで
寂しい海を越えて

おお、でもあなたは何か素敵なものが欲しいに決まっている
銀か、金で作られたもの
マドリッドの山か、
バルセロナの海岸で

ああ、もし暗黒の夜に星を手に入れても
深い海からダイヤを手に入れても
君の優しいキスのためなら、すべて見放す
それが僕の望みのすべて

長く行っていなければならないから
私は聞きたいだけ
私を思い出していてくれる何かをあなたに送りたいの
あなたが寂しく時を過ごさないために

おおどうして、どうして君は何度も聞いてくる
それはただ、僕を悲しませるだけ
僕が今日欲しがっているものを
明日も欲しがっているだけだ

寂しい日に手紙が届いた
彼女の航海の船からだった
いつ帰れるかわからないと書いてあり
気の向くままとあった

ええ、愛しい人よ、今の考えしかないのなら
君の心はもうここにはない
君の心の中にもう自分はいない
君が行った先にしか、君の心はない

そう、気をつけるんだ、西風に気をつけるんだ
嵐の天候にも気をつけなさい
ああ、それから、僕に何か送ってくれるのならば
スペイン革のスペインブーツを


 訳詞を信じるならば、出だしが女性の言葉で、次の連が男性。以降だいたいかわりばんこで呼応していくことになっている。上記の訳はネットで拾ってきたものだけど、僕が持っているCDの訳でも、男女の別はそうなっている。

 これは、アレか?。英語が出来る人には、どちらが女性で、どちらが男性なのか、一目瞭然なのだろうか?。僕のような英語の出来ない人間からすると、原詞を見ても男女の呼応になっているとはとても理解できない。そもそも呼応の形式になっていることに気づくかどうかも怪しい。よしんば呼応していると分かったとしても、どっちが男で女だ、と言うのは、どこで判断するんだろうか?。

 七連目で「It was from HER ship a-sailin'」と言う句が出てきて、ははぁ、旅しているのは、女性なんだな、と、僕には初めてわかったんだが。(と言うか七連目以降は呼応形式になっていないようだが。)

 もし、ディランが、意図的に性差を隠すように詩作したのだとしたら、冒頭から男女の別を明らかにするのは、誤訳、と言う事になるのではないか。

 試しに、その点を留意して、僕が訳してみた。…あぁ、もちろん、僕に詩心なんて無いから、酷い訳詞になったのは勘弁してほしい。あえて手本の訳を見ずに、自力で訳してみた。


 スペイン製の革のブーツ

 あぁ、私は船出する、愛しい人よ
 私は船出する、この朝に
 私が辿り着く土地からあなたに 海を越えて送ることが出来るものがあるでしょうか

 いいえ、なにも送ってほしいものはありません、愛しい人よ
 あなたが寂しい海を越えて、阻害されること無く帰ってきてくれさえしたら、何も欲しいものはありません

 あぁ、でも、私は思う、あなたは金か銀の宝を欲しがるだろうと
 マドリッドの山から、それとも、バルセロナの海岸からでしょうか

 あぁ、でももし私が暗闇に輝く星を持っていたとしても
 あるいは深い海のダイヤを持っていたとしても
 あなたのキスと引き換えにそれらを捨てるでしょう、
 それこそ私が本当に望むこと

 私は長いこと旅せねばなりません
 尋ねることはただひとつ
 たやすく過ぎる時間に耐えて
 私を忘れないでくれるためにあなたに送れるものがあるでしょうか

 おお、どうしてあなたは、どうしてあなたは何度も私に尋ねるのでしょう
 私を悲しませるだけなのに
 私があなたに今日望むことは、明日にもまた望むことなのです

 私は寂しい日に手紙を受け取った
 航海中の彼女の船からだった
 「いつ帰ることになるかわからない」と書いてあった
 僕の気持ちはその手紙に揺さぶられた

 そう、愛しい人、もし君が、そんなふうに思うなら
 僕は確信する、君の心はさまよっていると
 僕は確信する、君の心は僕のもとにはないのだと
 そうではなく、君が去った土地にあるのだと

 気をつけて、気をつけておくれ、西風に
 気をつけておくれ、嵐に
 あぁ、そうだ、君が僕に送ってくれる事が出来る物が有ったよ
 スペイン製の革で出来たスペイン製のブーツ


 拙い訳詞であることは前述したとおりだが、七連目までは極力、性差が現れないように訳してみた。ぎこちないところもあるけれども、日本語は性差が割とはっきり出る言語なのでしょうがない。訳者にはこのくらいの努力はして欲しいところなんだが。(作品名は忘れてしまったけど、エラリー・クイーンの推理小説で、性差がわかる訳をしてしまうと犯人がバレるというというので、訳者が苦労した作品が有った。そこでは訳者あとがきで「ぎこちない訳になってしまい申し訳ない」みたいなことが書かれていた。)

 一応、事情通のファンには前提知識として、当時ディランが付き合っていたスーズ・ロトロとの間に秋風が吹き始めており、また、実際、彼女が単独でヨーロッパに旅行したりしたという事実があるらしい。訳詞者は、そういう事を自分だけ理解して繰り込んで訳すよりは、補足事項としてこれらのことを注記してくれたほうがリスナーには優しいと言うか、役に立つと思うのだが、どうだろうか。(特に、「スペイン革のブーツ」って、結局何の比喩なのかさっぱりわからない。)

 以前、ブルース・スプリングスティーンの「ハイ・ホープス」の日記を書いた時、遠慮深く「翻訳者による詞の解説が載っているのが良い」と書いたのだけど、ほんと、そういう事はぜひやってほしいものだ。ただでさえ難解だと言われるディランの詞など、むりやりな日本語訳詞を載せるよりも、英語詞にまつわる背景や、言葉遣いの注釈などを載せてもらったほうが、リスナーとしてはよっぽどありがたいと思う。いやまぁ、そういうこと言っといて、僕はほとんど歌詞読まない人間なんだけどね。(^_^;



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☆彡ふらんぼう

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