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【CD入手等】ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ~45週年記念スーパー・デラックス・エディション(6CD) 他 #VelvetUnderground

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ(45周年記念 スーパー・デラックス・エディション)ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ(45周年記念 スーパー・デラックス・エディション)
(2012/11/28)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド 他

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Velvet Underground & Nico-45th AnniversaryVelvet Underground & Nico-45th Anniversary
(2012/11/01)
Velvet Underground

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All Tomorrow's Parties


 「PEEL SLOWLY AND SEE(そっとめくって、見なさい)」、そう記されたアルバムを今まで何枚買ってきたことでしょう。おそらくはこのエディションがその最後になってほしいものです。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの記念すべき1stアルバム。1967年発売。
 最初に買ったのは、「The VELVET UNDERGROUND & NICO」のアナログ再発盤。確か輸入盤だったはずで、1989/07/27(木)に買っています。この時初めてこのアルバムの全曲を聴いたのですが…、その感想は後述するとして。バナナの意匠は、傷つくのが怖くて、めくらずにいました。なので、中のバナナが赤いと知ったのは割と最近です。(ご存知ない方のために蛇足的補足。このバナナジャケットは、オリジナルでは皮がめくれるようにできています。)このアナログ盤、多分まだ倉庫に眠っていると思います。
 その後、「ローデッド スペシャル・ヴァージョン」のCDを買った(2001/10/27(土))後、決定版とも言えるヴェルヴェットのBOXセット、その名もズバリ「PEEL SLOWLY AND SEE」(5CD)を2001/12/02(日)に買っています。これは1995年に発売されたものを6年遅れで買ったものでした。(僕が持っているものは2001年11月21日発売となっているのですが、日本語解説は1995年に書かれたものです。ここらへんの時系列はよくわかりませんが、一度1995年に出たものが再発されたのかな。)

ピール・スローリー・アンド・シー~ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・ボックスピール・スローリー・アンド・シー~ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・ボックス
(2001/11/21)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド

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Peel Slowly & SeePeel Slowly & See
(1990/07/31)
Velvet Underground

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 ヴェルヴェットのオリジナル・スタジオ・アルバムを全曲収録し、未発表曲もプラスした画期的な盤でした。特にバンドの最初期のデモ録音をCD一枚まるごとにぶち込んだディスク1には度肝を抜かれました。もちろん、BOXデザインは、例の、めくれるバナナです。が、破れたりしたら怖いのでめくってません。(^_^;
 その後、「~アンド・ニコ」のデラックス・エディションが2002/07/10(水)に出たので、コレも買いました。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ〈デラックス・エディション〉ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ〈デラックス・エディション〉
(2002/07/10)
ヴェルヴェット・アンダー・グラウンド&ニコ

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Velvet Underground / Nico (Dlx)Velvet Underground / Nico (Dlx)
(2002/06/25)
Velvet Underground

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 しかしこれは、正直いって期待はずれな二枚組でした。オリジナル・アルバムのまるごとモノ・ミックスがウリだったようですが、僕はそういうのに興味がなかったので、買って損したと思いました。ボーナストラックも、ニコの「チェルシー・ガール」からの既発曲(ヴェルヴェット関連)に、モノのシングル・ヴァージョンと、あまり惹かれない内容でした。
 これらのアルバムはろくに聴かれもせずにしばらく放置されていました。1stをアナログ盤で聴いた時、「ずいぶん地味なアルバムだな」と思ったのが尾をひいたのかもしれません。
 しかし、昨年の衝撃的なルー・リード(ヴェルヴェットの中心人物だった人)の訃報は、少々僕を動揺させ、「ルー・リード聴かねば!」とばかりに初期のソロ作品をまとめた「ORIGINAL ALBUM CLASSICS(5CD Import.)」(2008/6/20発売のもの)を購入して、聴き始めました。ですが、しばらく聴いてから、「そう言えば、俺、そもそもヴェルヴェットをちゃんと聴いていなかったな…」ということを思い出し、ルーのソロ・アルバム聴取は一旦中断。ヴェルヴェットのアルバムの再評価の機運が僕の中で沸き起こりました。そしてiPhoneに入れていたヴェルヴェットの音源のうち、先ずは1stを聴きこむ事にしました。そのうちに「ピール・スローリー・アンド・シー~ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・ボックス」の1stアルバムのパート(ディスク1~2)や、しょぼかった2002年版デラックス・エディションだけでは物足りなくなり、結局、究極のエディションともいうべき、「45週年記念スーパー・デラックス・エディション」(6CD)を入手してしまいました。
 コレは強力なエディションで、2002年版デラックス・エディションと「ピール・スローリー~」のディスク2を事実上亡き物としてしまいました。
 ディスク1とディスク2にオリジナル・アルバムのステレオ・ミックスとモノ・ミックス、更に別ヴァージョンを配し、ディスク3は、まるごと「ニコ/チェルシー・ガールズ」。ディスク4は、2つのロケーションでのスタジオ未発表音源。ディスク5~6では、アルバム発表前のライヴを収録。そこまでやっちゃうかね、と言う内容です。同時発売された通常デラックス・エディションはディスク1とディスク4が収録されています。

 長くなるのを覚悟で、本編アルバムの感想から書いていきたいと思います。
 稀代のポップ・カルチャー・アーティスト、アンディ・ウォーホルに見出されたヴェルヴェットは、ヴォーカルとして、モデルのドイツ人女性、ニコを押し付けられます。ニコがヴォーカルをとっている曲は3曲。全曲で歌わせろと言わなかったのはウォーホルのバランス感覚の所以(ゆえん)でしょうか?。僕はあんまり彼女を評価してないんだけど、邪魔になってるわけでないのは認めます。
 ヴェルヴェットと言うと、「背徳的」とか「パンクの元祖」と言ったパブリック・イメージが先行して、ハードなサウンドなのかな、と最初は思っていました。でも、実際に聴いた印象は、「あ、穏やかなアルバムだな」。それは多分、A-1.Sunday Morning(日曜日の朝) の印象が強かったせいだろうと思います。さすがに“ヘロイン”なんて曲は歌詞カード無くても、やばいこと歌ってるんだろうなとは思いましたが。でも、曲としてはおとなしい感じの曲でした。そんなふうに、最初に聴いた時の感想は地味なものだったんですが、今回本格的に聴きこんでみて、そんな単純なものでもないな、と気づかさせられました。
 “日曜日の朝”は、アルバム制作の最後に作られた曲で、プロデューサー的存在だったトム・ウィルソン(アルバムのクレジット上はアンディ・ウォーホルがプロデューサーになっていますが)の「売れる曲がほしい」と言う要請を受けてリードとジョン・ケイルが書いたものです。リードは、以前はマイナーなレコード会社のお抱えソングライターをやっていたので、こういう注文にも即座に対応できたわけです。出来上がった楽曲は愛らしい旋律を持ち、地味ながらもコマーシャルに仕上がっていました。ケイルの弾くチェレスタのキラキラした音色と美しいヴィオラ演奏も印象的です。しかし、この曲でアルバムがよりよく売れたという事実はなかったようです。(アルバム・チャートで最高位171位。)トム・ウィルソンの目論見はもろくも崩れたのでした。
 “僕は待ち人”は前曲と打って変わって、快適なロックン・ロール。歌詞の内容はよくわかりませんが、ゲイのことを歌っているようです。
 “宿命の女”でニコが登場。ニコのヴォーカル曲はどれもゆったりしたテンポの楽曲となっています。アップテンポには合わないと思われたのでしょうか。独特の低音で歌うのはたしかに迫力あるな。これは男を弄(もてあそ)ぶ悪女の歌。
 “毛皮のヴィーナス”はおどろおどろしい伴奏が印象的。SMを思わせる歌詞です。「45週年記念スーパー・デラックス・エディション」の訳詞では Sovereign を固有名詞として扱っていますが、ちゃんと辞書にある言葉で、君主とか国王と言う意味。女王様と対比させているんですね。歌詞・対訳のクレジットは連名で狩野ハイディ・若月眞人となってますが、二人がかりでこれでは修行が足らんなぁ。「ピール・スローリー・アンド・シー~」のほうの、Akiyama Sisters, E と言う人は正しく「国王」と訳しています。
 “ラン・ラン・ラン”もロックン・ロールで、シャッフル・ビートが心地よいです。これもいまいち詞の内容がわからないのですが、まぁ、R&Rではよくあることかな。
 “オール・トゥモロウズ・パーティー”で再びニコが登場。独特の切迫感のある楽曲です。ヘヴィなアレンジとニコのヴォーカルがうまく合っています。アルバムを代表している曲といえばコレになるのかもしれません。明日のパーティに来ていく服も無いような少女の死を悼む歌です。
 “ヘロイン”はゆったりと始まり、途中でテンポアップ、緩急つけて盛り上がるヘロイン賛歌。でも楽曲としては地味だと思います(笑)。
 “もう一度彼女が行くところ”はキャッチーなギター・ストロークで始まるロックン・ロール。内容は…これも難しいな。ある気ままな女の歌、かな。
 “ユア・ミラー”はニコの最後の曲。「あなたの知らないあなたを映す鏡になりたい」と優しく歌いかけるバラードです。このアルバムでは唯一救いのある歌でしょうか。
 “黒い天使の死の歌”は、評論家によっては賢(さか)しげに「ラップの先駆」みたいなことを言う人も居ますが…。だいたい、ロックン・ロールなんて、元々は言葉を弾丸のように解き放つ音楽なのよ。遡(さかのぼ)れば古いブルースやカントリーにもそういう曲は散見されて、なにもヴェルヴェットが先駆というわけじゃないのよ…。ハァ。詞の内容はやはりよくわからないながらも、おどろおどろしく血なまぐさい感じがします。
 “ヨーロピアン・サン”はキャッチーなギター・ストロークとヴォーカル・パートで始まりますが、すぐにインストの即興演奏の応酬となり、アヴァンギャルドな様相を呈して終わります。こういう前衛的な要素はケイルの担当だったようですが、リードも後に「メタルマシン・ミュージック」というノイズの奔流のようなアルバム(らしい。筆者未聴。(^_^;)を作ったりしています。
 こうして改めて1stを聴いてみると、地味どころか、ヴァラエティに富んだ作りになっていることがわかります。特に、ロックンロールなナンバーと“オール・トゥモロウズ・パーティー”などのようなおどろおどろしいナンバーとの対比が印象的ですね。最後に作られた“日曜日の朝”はむしろ異色で、この曲でアルバムのイメージを捉えるのが間違いだったことがわかりました。

 さて、ではボーナス・マテリアルを見て行きましょう。

 ディスク1と2にも共にボーナス曲が収録されています。オルタネイト・ヴァージョンとシングル・ミックス。デイスク1のオルタネイト・ヴァージョンから見ていくと、12.All Tomorrow's Parties (Alternate Single Voice Version)は、ニコのヴォーカルがダブル・トラックではなくシングル・トラック。それでそんなに雰囲気が違うというわけでもないですが。
 14. Heroin (Alternate Version)は、冒頭の歌詞が違ってて、マスターでの「I don't know just where I'm going」ではなく、「don't」無しの「I know just where I'm going」と歌われています。後述のアウトテイク雑感でもこの点を追跡していますが、ギリギリまでこの歌詞を練っていた跡が見られます。
 15. All Tomorrow's Parties (Alternate Instrumental Mix)は、カラオケ・ヴァージョン。
 16. I'll Be Your Mirror (Alternate Mix)は、ヴォーカルがやや引き気味で、エンディングがフェイド・アウトせず、最後まで収録されています。演奏終了後にはニコの話し声と笑い声が聴けます。
 ディスク2のシングル・ミックスでは、12. All Tomorrow's Parties がラジオ・エアプレイ用ということなのでしょう、マスターより短く編集されています。
 13. I'll Be Your Mirror (Alternate Ending)はやはりフェイド・アウトせず、演奏の最後まで収録されています。
 これら以外のヴァージョンはマスター・ヴァージョンとの違いがよくわかりませんでした(笑)。

 その他のアウトテイクなどを時系列に見てみましょう。
 一番旧い録音は、BOXセット「ピール・スローリー・アンド・シー~」のディスク1で、1965年の7月にジョン・ケイルのロフトで録音されています。(ロフトって何?、と言う質問は控えるように。(^_^;)
 録音を前提としたデモだったようですが、同じ曲を何度も繰り返したりと、熱心なファン以外にはちょっと退屈な内容かもしれません。
 ここでは、リードの生ギターを中心としたセッションとなっていまして、もう一人ギターは居るようですが(スターリング・モリソン)、僕にはよくわかりませんでした。曲によってケイルが変な楽器(ヴィオラかな?)で色を添えています。全体的に、どこぞのフォーク・グループかい?、と言う出来。こっからどうやって、あのロックなサウンドに辿り着いたのか不思議でしょうがありません。
 “毛皮のヴィーナス”ではケイルがヴォーカルをとっていて、ちょっとした驚きです。僕は最初聴いた時は、「ルー・リードも昔は若い声してたんだな」とか言うマヌケな聴き方をしてしまいましたが。(^_^; ヴェルヴェット=ルー・リードという先入観/偏見による勘違い。初期においては、ケイルも重要なメンバーであったことが垣間見れます。
 未発表曲の“プロミネント・メン”や、ヴェルヴェットでの録音がなかった“ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームズ”(ケイルのヴォーカル)は貴重かもしれません。“プロミネント・メン”は三拍子の明るい曲で、個人的には好きな曲想なのですが、バンド的には躁過ぎるとでも判断されたのでしょうか。ワン・テイクしか録られなかったようですし。“ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームズ”は静かめの曲。途中で何度かやり直すところでメンバーたちが笑っているのが聞けます。この曲は後にニコの「チェルシー・ガールズ」に収録されました。
 “ヘロイン”は、緩急をつけて盛り上げるパターンが、マスター・ヴァージョンほど明快ではないものの、既に見てとれます。冒頭の歌詞は「don't」無しの「I know just where I'm going」。当初は「don't」がある形だったようにライナーには書いてありますが、この時点ではこの歌詞です。
 “僕は待ち人”は、ミディアム・テンポのカントリー風ブルース・ブギーで演奏されていて、なかなかに興味深いです。マスター・ヴァージョンではロックン・ロール・アレンジになっているわけですが。冒頭の歌詞は「I'm waiting for MY man」ではなく「I'm waiting for THE man」と歌われています。
 デモのラストは“オール・トゥモローズ・パーティーズ”。ここでは、マスターでのヘヴィなアレンジではなく、ずいぶん軽い感じで速めのテンポで演奏しています。これがこの位置にあるのは、当ボックス「ピール・スローリー~」のディスク2と呼応しているからと思われ、ディスク2の一曲目に同曲のシングル・ヴァージョンが配置されています。デモとマスターを続けて聴かせて「こんなに変わったんだ」と思わせる効果を狙ったのでしょう。しかし、これはちょっと狙いすぎのような気がします。延々デモで同曲を繰り返した後(12テイクもやっている)、もう一回(アレンジが大幅に違うとはいえ)ディスク2の冒頭で聴かされるのはちょっとうんざりします。
 次いで、「45週年記念スーパー・デラックス・エディション」のディスク4の後半に収録されている、ファクトリーでのリハーサルが1966年1月3日です。
 “Walk Alone”はよくある下降音型をリフにした、なんてことのない楽曲。あるいはここから練っていく予定だったのかもしれません。
 “Cracking Up / Venus In Furs”は、ボ・ディドレーの名曲を軽くセッション。“毛皮のヴィーナス”はどこに入っているのかわかりませんでした…。歌詞カードを見ると、リードがつぶやいている内容が“毛皮のヴィーナス”の詞のようですね。どうしてこんなことを思いついたんだろう?。
 “Miss Joanie Lee”はほぼワン・コードのロックン・ロールですが、途中のインスト・インプロヴィゼーションでアヴァンギャルドな展開が。“ヨーロピアン・サン”の後半もそうですが、そう言う素養を持ち合わせていたバンドだったということでしょう。これがセカンドで“シスター・レイ”として花開くのですね。
 “Heroin”の冒頭はここでもまだ「don't」無しの「I know just where I'm going」と歌われています。(国内盤の歌詞カードは「I don't know just where I'm going」になってるけど、ここでは「don't」は聞こえないでしょ。)
 “もう一度彼女が行くところ”ではニコもが参加しているテイクも。途中で、ニコがミスったのか、笑いながら演奏が中断し、再びギター・リフで再開する所が微笑ましいです。

 そして同ディスクの前半が1966年4月25日のセプター・スタジオでのデモ・セッション。ここらへんになると、もうほとんどマスター・ヴァージョンと同じ演奏になり、楽曲の骨格は固まっています。ただ、“ヘロイン”はまだ「don't」無しの「I know just where I'm going」のままですし、“僕は待ち人”も「I'm waiting for THE man」と歌われています。最後のマジックが起こるのを待っていたのでしょうか。
 このセッションからの音源は、テープから起こしたものと、アセテート・ディスクから起こしたものが有ります。その違いが何故生まれたのかは明らかではありません。…たまたまだったのか?。アセテート盤はレコード会社に持ち込むために作られたようですが。盤起こしのものは、やはりスクラッチノイズがちょっと気になりますね。

 これらのレア音源を時系列に聴き進めれば、本編の成立過程が立体的にわかる、と言う感じでしょうか?。

 さらに、1966年11月4日の、ヴァリデイル・ボールルームでのライヴが「45週年記念スーパー・デラックス・エディション」のディスク5と6に収められています。本編の録音時期が1966年11月なので、同時期の収録ということになります。ニコも居ます。
 ディスク5-1.Melody Laughterとディスク6-4.The Nothing Songは、単調なリズムに乗ったインストで、正直退屈です。特に前者は、緩(ゆる)いテンポで30分近く演奏されるので、勘弁してよ、と、言いたくなります。ニコが「Lalala~」と歌ったり、ジョン・ケイルが前衛っぽいピアノを叩いたり、リードとケイルが「Yeah,yeah,Ahaaa」と掛け合いをしたりと、工夫はしているのかもしれませんが、場当たり的でどうも…。生で聴いていればスリルのある演奏だったのでしょうか。“旋律の笑い声”と言うタイトルですが、“旋律がなくて退屈”と改題したいところです。後者はやはりゆるいリズムで“歌無し”とはそのものずばりなタイトルですね。:-P)
 その他の楽曲は1stからの楽曲。どれも、触れれば血が出そうな、生演奏ならではの危ういレア(rare)な質感が有ります。ここらへん、某BBCセッションとは違いますねぇ。

 さて、このコレクションにはおまけ(なのかな?)として、ニコのソロ・デビュー・アルバム「チェルシー・ガールズ」が付いているのですが。これは、ストレートにアルバム全曲がディスク3として付いているだけで、未発表曲とか、レアテイクとかは無し。もうちょっと色つけてくれても良かったと思うんだが。(^_^;
 アルバム全体は静かな出来で、アレンジもほとんど弦楽合奏とフルートという、およそロックとはかけ離れたもの。ちなみに、ニコはこのアレンジが嫌いで、特にフルートが嫌だったそう。半分の楽曲がヴェルヴェットのメンバーの手になるものです。そのうち“It Was A Pleasure Then”の伴奏はどうやらヴェルヴェットの連中のようですが、ライナーによるとその他の(ヴェルヴェットのメンバーによる)作品にも参加している可能性が記されています。ちなみにこの曲のクレジットにある Christa Paeffgen とはニコの本名。どこをどうひねったらNICOになるのか訊いてみたいものですが(笑)。
 ヴェルヴェットの1stも売れなかったアルバムですが、ニコのこのアルバムはよりいっそう売れなかったそうです。

 それにしても不思議に思うのは、発表された当時、全くと言っていいほど売れなかった/評判にならなかったこの作品「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」が、なぜ、いつしか「名盤」の地位に辿り着いたのか。いや、これについて語るには僕の音楽的知識/感性は不足していることを白状せねばなりますまい。言えるのは、昨年の11月暮れころからこのアルバムを聴き込み始めたのですが、未だに飽きが来ない、と、いうことです。そこには解析不能な音楽の魔法があるような気がします。

 最後に、煩瑣になると思って記していなかった、文中で言及したCDの曲目を記しておきます。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ~45週年記念スーパー・デラックス・エディション(6CD)
ディスク:1(Original Album Stereo Mix + Alternate ver.)
1. Sunday Morning
2. I'm Waiting For The Man
3. Femme Fatale
4. Venus In Furs
5. Run Run Run
6. All Tomorrow's Parties
7. Heroin
8. There She Goes Again
9. I'll Be Your Mirror
10. The Black Angel's Death Song
11. European Son
12. All Tomorrow's Parties (Alternate Single Voice Version)
13. European Son (Alternate Version)
14. Heroin (Alternate Version)
15. All Tomorrow's Parties (Alternate Instrumental Mix)
16. I'll Be Your Mirror (Alternate Mix)

ディスク:2(Original Album Mono Mix + Singles)
1. Sunday Morning
2. I'm Waiting For The Man
3. Femme Fatale
4. Venus In Furs
5. Run Run Run
6. All Tomorrow's Parties
7. Heroin
8. There She Goes Again
9. I'll Be Your Mirror
10. The Black Angel's Death Song
11. European Son
THE SINGLES
12. All Tomorrow's Parties
13. I'll Be Your Mirror (Alternate Ending)
14. Sunday Morning (Alternate Mix)
15. Femme Fatale

ディスク:3(Nico / Chelsea Girls)
1. The Fairest Of The Seasons 美しい季節 (Jackson Brown & Gregory Copeland)
2. These Days (Jackson Brown)
3. Little Sister (Lou Reed & John Cale)
4. Winter Song 冬の歌 (John Cale)
5. It Was A Pleasure Then (Lou Reed, John Cale & Christa Paeffgen)
6. Chelsea Girls (Lou Reed & Sterling Morrison)
7. I'll Keep It With Mine (Bob Dylan)
8. Somewhere There's A Feather (Jackson Brown)
9. Wrap Your Troubles In Dreams (Lou Reed)
10. Eulogy To Lenny Bruce (Tim Hardin)

ディスク:4(Septer Studio Session(1.~9,), The Factory Rehearsals(10.~15) in 1966
1. European Son (Alternate Version)(Tape)
2. The Black Angel's Death Song (Alternate Mix)(Tape)
3. All Tomorrow's Parties (Alternate Version)(Tape)
4. I'll Be Your Mirror (Alternate Version)(Acetate)
5. Heroin (Alternate Version)(Tape)
6. Femme Fatale (Alternate Mix)(Acetate)
7. Venus In Furs (Alternate Version)(Acetate)
8. Waiting For The Man (Alternate Version)(Acetate)
9. Run Run Run 4.23 (Alternate Mix)(Acetate)
10. Walk Alone
11. Cracking Up / Venus In Furs
12. Miss Joanie Lee
13. Heroin
14. There She Goes Again (With Nico)
15. There She Goes Again

ディスク:5(Live at Valleydale Ballroom, Columbus, Ohio, November 4, 1966)
1. Melody Laughter
2. Femme Fatale
3. Venus In Furs
4. The Black Angel's Death Song
5. All Tomorrow's Parties

ディスク:6(Live at Valleydale Ballroom, Columbus, Ohio, November 4, 1966)
1. Waiting For The Man
2. Heroin
3. Run Run Run
4. The Nothing Song

ピール・スローリー・アンド・シー~ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・ボックス(5CD)
ディスク:1(デモ録音)
1. 毛皮のヴィーナス(デモ)
2. プロミネント・メン(デモ)
3. ヘロイン(デモ)
4. 僕は待ち人(デモ)
5. ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームズ(デモ)
6. オール・トゥモローズ・パーティーズ(デモ)

ディスク:2(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ全曲(2.~12.)+α)
1. オール・トゥモローズ・パーティーズ(シングル・ヴァージョン)
2. 日曜日の朝
3. 僕は待ち人
4. 宿命の女
5. 毛皮のヴィーナス
6. ラン・ラン・ラン
7. オール・トゥモローズ・パーティーズ
8. ヘロイン
9. もう一度彼女が行くところ
10. ユア・ミラー
11. 黒い天使の死の歌
12. ヨーロピアン・サン
13. メロディ・ラフター(ライヴ)(「45週年記念スーパー・デラックス・エディション」に収録されているもののダイジェスト版)
14. イット・ウォス・ア・プレジャー・ゼン「チェルシー・ガールズ」(ニコ)
15. チェルシー・ガールズ「チェルシー・ガールズ」(ニコ)

ディスク:3(ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート全曲(8.~13.)+α)
1. ゼア・イズ・ノー・リーズン(デモ)
2. シェルタード・ライフ(デモ)
3. イッツ・オールライト(デモ)
4. アイム・ノット・トゥー・ソーリー(デモ)
5. ヒア・シー・カムズ・ナウ(デモ)
6. ゲス・アイム・フォーリング・イン・ラヴ(ライヴ)
7. ブッカー・T(ライヴ)
8. ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート
9. ザ・ギフト
10. レディ・ゴダイヴァズ・オペレイション
11. ヒア・シー・カムズ・ナウ
12. アイ・ハード・ハー・コール・マイ・ネーム
13. シスター・レイ
14. ステファニー・セッズ(「VU」収録曲)
15. テンプテーション・インサイド・ユア・ハート(「VU」収録曲)
16. ヘイ・ミスター・レイン(ヴァージョン・ワン)(「アナザー・ヴュー」収録曲)

ディスク:4(Ⅲ(2.~11.)+α)
1. ホワット・ゴーズ・オン(ライヴ)
2. キャンディ・セッズ
3. ホワット・ゴーズ・オン
4. サム・カインダ・ラヴ
5. ペイル・ブルー・アイズ
6. ジーザス
7. ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト
8. アイム・セット・フリー
9. ザッツ・ザ・ストーリー・オブ・マイ・ライフ
10. 殺人ミステリー
11. アフター・アワーズ
12. フォギー・ノーション(「VU」収録曲)
13. アイ・キャント・スタンド・イット(「VU」収録曲)
14. アイム・スティッキング・ウィズ・ユー(「VU」収録曲)
15. ワン・オブ・ジーズ・デイズ(「VU」収録曲)
16. リサ・セッズ(「VU」収録曲)
17. イッツ・ジャスト・トゥー・マッチ(ライヴ)
18. カウンテス・フロム・ホンコン(デモ)

ディスク:5(ローデッド(1.~10.)+α)
1. フー・ラヴズ・ザ・サン
2. スウィート・ジェーン
3. ロックン・ロール
4. クール・イット・ダウン
5. ニュー・エイジ
6. ヘッド・ヘルド・ハイ
7. ロンサム・カウボーイ・ビル
8. アイ・ファウンド・ア・リーズン
9. トレイン・ラウンド・ザ・ベンド
10. オー・スウィート・ナッシン
11. サテライト・オブ・ラヴ
12. ウォーク・アンド・トーク
13. オー・ジン
14. サッド・ソング
15. オーシャン
16. ライド・イントゥ・ザ・サン
17. サム・カインダ・ラヴ(ライヴ)(「ライヴ・アット・マックス・カンサス・シティ」アウトテイク)
18. ユア・ミラー(ライヴ)(「ライヴ・アット・マックス・カンサス・シティ」収録曲)
19. アイ・ラヴ・ユー


ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ〈デラックス・エディション〉(2002年盤)(2CD)
ディスク:1(ステレオ・ミックス、ニコ/チェルシー・ガールズ抜粋)
1. 日曜の朝
2. 僕は待ち人
3. 宿命の女
4. 毛皮のヴィーナス
5. ラン・ラン・ラン
6. オール・トゥモロウズ・パーティー
7. ヘロイン
8. もう一度彼女が行くところ
9. ユア・ミラー
10. 黒い天使の死の歌
11. ヨーロピアン・サン
12. リトル・シスター「チェルシー・ガールズ」(ニコ)
13. 冬の歌「チェルシー・ガールズ」(ニコ)
14. イット・ウォズ・ア・プレジャー・ゼン「チェルシー・ガールズ」(ニコ)
15. チェルシー・ガールズ「チェルシー・ガールズ」(ニコ)
16. ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームズ「チェルシー・ガールズ」(ニコ)

ディスク:2(モノ・ミックス、シングル・ヴァージョン)
1. 日曜の朝
2. 僕は待ち人
3. 宿命の女
4. 毛皮のヴィーナス
5. ラン・ラン・ラン
6. オール・トゥモロウズ・パーティーズ
7. ,ヘロイン
8. もう一度彼女が行くところ
9. ユア・ミラー
10. 黒い天使の死の歌
11. ヨーロピアン・サン
12. オール・トゥモロウズ・パーティーズ (シングル・ヴァージョン)
13. ユア・ミラー (シングル・ヴァージョン)
14. 日曜の朝 (シングル・ヴァージョン)
15. 宿命の女 (シングル・ヴァージョン)







■ルー・リード/ヴェルヴェット・アンダーグラウンド日記一覧





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Author:☆彡ふらんぼう
 音楽好きの禿オヤジです。戦闘機もすき。♀アイドルも好き。そんな私です。
 なお、文中のCDやDVDなどのリンクはアフィリエイトになっていますので、「お前を儲けさせてやるなんてやなこった!」という方はリンクをクリックしないようにお願いします。m(_ _)m
 まぁ、大体半年で500円くらいの儲けですかねぇ…。

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