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【CD入手】ロッド・スチュワート/ネヴァー・ア・ダル・モーメント from ヴァーティゴ/マーキュリー・イヤーズ(5CD) #RodStewart #NeverADullMoment

ネヴァー・ア・ダル・モーメント(紙ジャケット仕様)/ロッド・スチュワート

ネヴァー・ア・ダル・モーメント(1972)
1. トゥルー・ブルー True Blue (Rod Stewart, Ronnie Wood) – 3:32
2. ロスト・パラガヨス Lost Paraguayos (Rod Stewart, Ronnie Wood) – 3:57
3. ママ・ユー・ビーン・オン・マイ・マインド Mama You Been on My Mind (Bob Dylan) – 4:29
4. イタリアン・ガールズ Italian Girls (Rod Stewart, Ronnie Wood) – 4:54

5. エンジェル Angel (Jimi Hendrix) – 4:04
6. 間奏 Interludings (Art Wood) – 0:40
7. ユー・ウェアー・イット・ウェル "You Wear It Well (Rod Stewart, Martin Quittenton) – 4:22
8. アイド・ラザー・ゴー・ブラインド I'd Rather Go Blind (Billy Foster, Ellington Jordon) – 3:53
9. トゥイスティン・ザ・ナイト・アウェイ Twistin' the Night Away (Sam Cooke) – 3:13

Personnel
Rod Stewart – vocals, acoustic guitar
Ronnie Wood – electric, acoustic, slide and pedal steel guitars, bass
Ronnie Lane – bass on "True Blue", "I'd Rather Go Blind" and "Angel"
Micky Waller – drums
Kenney Jones – drums on "True Blue", "I'd Rather Go Blind" and "Angel"
Ian "Mac" McLagan – organ, piano
Neemoi "Speedy" Aquaye – congas
Pete Sears – piano, bass
Brian – chest piano
Spike Heatley – upright bass
Dick "Tricky Dicky" Powell – violin
Martin Quittenton – acoustic guitar
Gordon Huntley – steel guitar
Lindsay Raymond Jackson – mandolin
Arrangeables on "Twistin' the Night Away" by Jimmy Horowitz

Released 21 July 1972
Recorded March–May 1972 at Morgan Studios and Olympic Studios, London


Never A Dull Moment / Rod Stewart


 なにゆえここまで愚直に胸に入ってくるのでしょうか、ロッドの歌声は。もう、言葉すら出てきません。いや、もちろん、用意はしていました。
 「ヴァーティゴ/マーキュリー時代のロッドは、泥臭さと躍動感が同居したノリで、聴いていて気持ちいい。冒頭のやる気に溢れたロッドの歌声だけで、もう、OK。“天使”の崇高さから“ツイストで踊り明かそう”の楽しさまで、こんなに振幅の激しい表現をモノにできるとは大した歌い手だと思います。表現の仕方が、音楽の文脈にきちんと沿っているのが素晴らしいです。単純に感情を高ぶらせるのではなく、音楽を感じて、それに従っているのでしょうね。」
 なんて。だけど、こんなの、ただの修辞法に過ぎない。本質はこんな事ではない。それこそ、百万言を費やすよりも、「みんな!少しでいいから耳を傾けてくれ!」と言う事なのですが、つまり、本当に胸を打つものは、言葉に出来ないのです、少なくとも、僕のような凡人には。それが許されるのは、それこそ、真に才能を持ち努力をした創造者だけなのでしょう。
 優れた芸術というものは(もちろん大衆芸術も含んだ上での話なのですが)、単に言葉に出来ないだけでなく、合理的な分析を簡単には受け付けないようなところがあります。それこそ最先端の科学技術者たちは、モーツァルトの才能をコンピューター(あるいはAIか)で再現するのに腐心しているのでしょうが、出てくるのは今のところ表層的に似ているだけのもののようです。本質的な創造性とか、それに伴う表現力みたいなものは、今しばらくは人力で行かざるをえないようです。
 勘違いしてほしくないのですが、別に、リズムセクションは打ち込みじゃ駄目とか、ヴォーカルにオート・チューンを使うなとか言うようなアナクロなことを言っているのではありません。出てくる音が素晴らしければどんな小細工もOKなのだと、僕は思っています。大体、そんなのいちいち否定していたら、ビートルズが芸術の域にまで高めた多重録音やテープ操作などのレコーディング技術まで否定しなくてはならなくなるじゃないですか。
 あと、僕は基本的に科学については楽観主義者です。今は解き明かせなくてもいつかは必ず、と、思っているのです。

 ちょっと話がそれちゃった。
 要は、センス、感性、なんだと思います。もちろん技術も大事なのですけれども、ロック・ミュージックの場合は単純に技術力があればいいというものでもないという所が難しい。と言うか、クラシックやジャズみたいに「技術がなければ話にならん」と言う時の技術レヴェルが、ロックの場合はずいぶん低いのだと思います。(だからよくわかってないジャズ・ファンやクラシック・ファンに馬鹿にされたりもするのですが。)ジャズやクラシックの場合に要求される技術と感性が五分五分だとしたら、ロックの場合一分九分で感性が九分だと思うんです。それくらいロックというのは直情的な表現芸術なのです。

 もう一つ勘違いされやすいのに「心がこもっていればいいんでしょ」って言うのがあります。とんでもないです。やってる当人は心がこもっているつもりでも、出て来る表現はクズ、なんてのはいくらでもありますからね。やっぱり必要なのはセンス/感性なのですよ。

 そういったことを踏まえて、もう一度、ロッドのこのアルバムに向かい合ってみましょう。

 素晴らしい。

 それだけでいいではないですか!。

 なんか、ロッドのこのアルバムでこういう褒め方してしまうと、今までの日記でグダグダ書いていたのは何だったんだ、と、言われそうだけど、まぁ、何と言うか、それはそれ、これはこれ、なんです。別に今まで聴いてきたものが今回のロッドのものより劣っているとか言うことではありません。上手く言えませんけど、言葉にできる余地が有ったということです。今回はまるきり言葉にできる手がかりがなかったのでこういう日記になりました。毎回「素晴らしい!」だけで終わらせていれば楽は楽なのですが、それでは書く方もつまらないしね。…誰だ今、「読む方はそれで構わんぞ」とか言いやがったのは!(笑)。

 最後に資料的な戯言を幾つか添加してこの項を終わりにしましょう。

 何曲か(“トゥルー・ブルー”“天使”“アイド・ラザー・ゴー・ブラインド”)はまるきりフェイセスのメンバーで演っているのですが、違和感なく収まっています。次のフェイセス・アルバム『ウー・ラ・ラ』で決定的に関係が悪化することを思うと切ないですね。

 “間奏 Interludings”の作者の、アート・ウッドと言うのは、ロン・ウッドの兄です。一緒に音楽活動をしていたこともあるようです。残念ながら既に故人。いや、このアルバムの時点では未だ生きていましたが。

 お得意のディラン・カヴァーは、今回は『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』のアウトテイクの楽曲から。1964年当時未発表だったこの曲が、1972年の時点でどの程度広まっていたのか、筆者は寡聞にして知らないのですが、ジョーン・バエズが1965年に発表したアルバム『フェアウェル・アンジェリーナ』に“わが心のダディ”として収録されていたものがよく知られていたのではないでしょうか。そこらへん知りたくて英wikiに当たって見たのですが、僕の英語力ではさっぱりでした。(;_;)

 来年の1月25日にヴァーティゴ/マーキュリー時代の作品6作が国内盤紙ジャケで再発されますが、幾つかのアルバムはボーナス・トラック付きの仕様のようです。ボートラ自体は2009年に紙ジャケで出ていたものと同じですが、その時買い逃していた人には悩ましい選択となりそうですね。僕は…どうしようかな。(^_^;

ロッド・スチュワート・アルバム(アン・オールド・レインコート・ウォント・エヴァー・レット・ユー・ダウン)(紙ジャケット仕様)ガソリン・アレイ+1(紙ジャケット仕様)エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー(紙ジャケット仕様)ネヴァー・ア・ダル・モーメント+1(紙ジャケット仕様)シング・イット・アゲイン~ベスト・オブ・ロッド・スチュワート+5(紙ジャケット仕様)スマイラー+2(紙ジャケット仕様)



ヴァーティゴ/マーキュリー・イヤーズ (紙ジャケット仕様,6CD)
ヴァーティゴ/マーキュリー・イヤーズ(紙ジャケット仕様)/ロッド・スチュワート


■フェイセス/ロッド・スチュワートの日記一覧






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テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD入手】キング・クリムゾン / レッド ~40周年記念エディション(紙ジャケ,+DVDA) #KingCrimson #Red

キング・クリムゾン / レッド ~40周年記念エディション(紙ジャケット仕様)

1. レッド Red (Instrumental) (Robert Fripp) 6:20
2. 堕落天使 Fallen Angel (Robert Fripp, John Wetton, Richard Palmer-James) 6:00
3. 再び赤い悪夢 One More Red Nightmare (Robert Fripp, John Wetton) 7:07

4. 神の導き Providence (David Cross, Robert Fripp, John Wetton, Bill Bruford) 8:08
5. スターレス Starless (David Cross, Robert Fripp, John Wetton, Bill Bruford, Richard Palmer-James) 12:18

6. レッド(トリオ・ヴァージョン) 6:27
7. 堕落天使(トリオ・ヴァージョン/インスト版) 6:28
8. 神の導き(『グレート・ディシーヴァー』より) 10:09

Bonus Tracks on DVD
・Improv taken from "The Great Deceiver"
1. A Voyage to the Centre of the Cosmos
(David Cross, Robert Fripp, John Wetton, Bill Bruford) 16:51

・ORTF TV studio, Paris, France, 22 March 1974 (Video)
2. Larks' Tongues In Aspic Part II 太陽と戦慄 パートⅡ (Robert Fripp) 6:15
3. The Night Watch 夜を支配する人 (Robert Fripp, John Wetton, Richard Palmer-James) 7:24
4. Lament 人々の嘆き (Robert Fripp, John Wetton, Richard Palmer-James) 4:09
5. Starless (David Cross, Robert Fripp, John Wetton, Bill Bruford, Richard Palmer-James) 11:38

 ※著作権監視が厳しいため音源引用はありません。

Personnel

King Crimson – production, arrangements

Robert Fripp – guitar, mellotron
John Wetton – bass, vocals, lyrics on "One More Red Nightmare" and "Starless"
Bill Bruford – drums, percussion

Former King Crimson personnel

David Cross – violin on "Providence"
Mel Collins – soprano saxophone on "Starless"
Ian McDonald – alto saxophone on "One More Red Nightmare" and "Starless"

Additional personnel

Mark Charig – cornet on "Fallen Angel", bass cello on "Red" (uncredited)
Robin Miller – oboe on "Fallen Angel"
Uncredited musician – cello on "Starless"
Richard Palmer-James – lyrics on "Fallen Angel" and "Starless"

Released October 1974
Recorded 30 June (live) July–August 1974 (studio)

 「スターレス、アンド、バイブル・ブラック(星も無く聖なる暗黒)」。その言葉がロバート・フリップの胸中に忍び込んだのはいつのことだったのでしょうか。前作のアルバムの題名にこの言葉を使い、あまつさえ、同名の楽曲をインストルメンタルで録音し発表しておきながら、未だその言葉に未練が有ったのでしょうか。
 当作『レッド』では“スターレス”と言う題名の、全く違う曲となり、僕達の前に現れました。前半はウェットンのヴォーカルによる情緒的とも言える歌パートであり、後半は、演奏のみにより繰り広げられる刺激的で壮大な音絵巻です。コーダの前で、前半の歌詞で「Starless and Bible Black」と歌われた部分がサックスで再現される(メル・コリンズかイアン・マクドナルドなのか僕には判別できませんが)のを聴く時、僕は大いなる感動を禁じ得ません。「Starless and Bible Black(星も無く聖なる暗黒)」。この曲をアルバムのラストに置き、フリップはクリムゾンを解散させることを決めたのです。(他のメンバーには寝耳に水だったようです。)
 実は、“スターレス”は、もともと“スターレス・アンド・バイブル・ブラック”の題名で書かれ、前作に収められる予定だったと言います。それをフリップがなぜか取り下げ、そして、この『レッド』でなぜか復活させたのです。作者クレジットにクロスの名がある(*)のは作成時期が前作の頃だったからなのでしょう。なんともややこしい話ですが、フリップがバンドの終焉を飾るためにこの曲を取っておいたのだとしたら、なんとご丁寧な事か、と言う気がします。
 (*)デイヴィッド・クロス(ヴァイオリン)は、前作をフォローするツアーを最後にクリムゾンを脱退しています。

 アルバム『レッド』に対する評価は人によりまちまちです。僕などは「あわや『宮殿』に迫ろうかという大名盤」と評価しているのですが(もう少し本音をバラすと『宮殿』より好きです…)、ファンの多くは「いや『宮殿』は別格」としているようですし、何より同時期の『太陽と戦慄』の方が上だとする人が多いような気がします。
 フリップ自身の評価が高いことは、BOXセット『紅伝説』(4CD)で、『宮殿』と同様に全曲を収録していた(一部編集されていましたが…)ことからも察せられます。と言ってもそのBOXでは『ディシプリン』からの曲もほぼ全曲収録されていたので、あまりあてにならないのですが。

 このアルバムは基本、三人だけで作られています。ギターのロバート・フリップ、ドラムスのビル・ブラフォード、ベースとヴォーカルのジョン・ウェットン。結局、この三人が『太陽と戦慄』以降の三作の核として機能していたと、後付ではありますが、思えます。全編に緊張感がみなぎり、まさにジャケット裏のメーターが示す「レッド・ゾーン」に突入しているが如くです。

 前作でほとばしった抽象的な即興演奏の情熱は、今作ではインストの“神の導き Providence”にほぼ押し込められ、それ以外の曲では具体的な音が多くなっています。(その“神の導き”はクロス在籍時のライヴ・テイクなので、クロスも演奏に参加しています。)

 タイトル曲は重たく力強い鋭角的インストとなっており、後に1990年代のクリムゾンが標榜する「ヌーヴォ・メタル」の原型が見れるような気がします。インストだと即興に走りがちなクリムゾンですが、この曲はキッチリ構成されていて、なおかつ強い躍動感があり、聴き応えが満点ですね。大好きな曲です。

 恥ずかしながら、“再び赤い悪夢”の作詞がリチャード・パーマー・ジェイムスでないことに、今回まで気が付きませんでした。フリップが詞を書くとも思えないので(偏見でしょうか?)、おそらくウェットンなのでしょうね。

 「デビュー40周年記念エディション」のシリーズは、確か、この『レッド』から開始されたのだと思います。そのせいか、ボーナス・アイテムの盛り込み方にちょっと戸惑いというか、遠慮が見られるような気がします。てんこ盛りにしても良いんだけど、節操ないと思われるとやだな、みたいな。ライヴ・アイテムに関しては、後に20枚組の『The Road To Red』でイヤというほど盛り込まれるのですが。いや、そのBOXまだ持ってませんけどね。欲しいけど。スタジオ・アウトテイクなんかはこちらのCD+DVD盤でもっと出してくれても良かったのにと言う気もします。『アイランズ』なんかあんなにてんこ盛りなのにな。あと、この盤は40周年記念用のリミックス/リマスターがされていなくて、後にリマスターされたものを別売りにしています。僕的にはどうでも良いと言うか、どっちみち違いの分からない男なので良いんだけど、一応言及はしておきます。(^_^;

 CDには三曲のボートラが収録されました。そのうちの“神の導き”は、ライヴBOXセット『グレート・ディシーヴァー』(4CD)に収録されたものと同じもの。なぜ同じものを?、と、ちょっと疑問に思ってしまいます。DVDのみのボーナスのうち、音声のみの“A Voyage to the Centre of the Cosmos”も『グレート・ディシーヴァー』と同じテイクのようです。こちらの方が1:48長いけど、どういう違いがあるのかはよくわかりません。どちらも1974年6月30日の演奏から採られています。これらの曲は即興的な曲なので、僕的にはちょっと苦手だなぁ。なのでコメントは控えさせていただきます。(^_^;

 映像のおまけは、例のごとく音声のみリッピングして聴いています。映像は全く見ていないので、人からは「なんともったいない」と言われるかもしれません。でも僕は映像と音楽を一緒に楽しむのは疲れてしまうのです。それよりもネットしながらBGMで聴くという不届きな楽しみ方のほうが性に合っています。
 この映像コンテンツでのライヴは、『戦慄』以降の三作から曲が採られています。『レッド』をフォローするツアーは行われずに解散したのですが、それ以前のツアーなどで、しばしば“スターレス”は採り上げられており、ここでも迫真の演奏が聴けます。もちろんその他の三曲も聴き応えありです。

 ボートラで興味深いのは“レッド”のトリオ・ヴァージョン。同曲を印象づけるメイン・リフをオーバー・ダブする前の演奏が聴けます。初めて聴いた時はちょっとずっこけましたが、繰り返し聴いて行くうちに、これはこれで興味深いヴァージョンだなと思うようになりました。
 “堕落天使”もヴォーカルをダビングする前のトリオ・ヴァージョンが聴けますが、こちらはそれほどずっこける要素はないようですね。こう言う「制作過程」の音源をもっともっと聴きたかったところなのですが…。

 この『レッド』の「デビュー40周年記念エディション」を皮切りに、次々と40周年記念盤が出されていくことになるのですが、それらについてはこの日記で一通り聴いてきました。あまり40周年云々に特化して聴いて/書いてこなかったので、その点で不満に思われる方がいるかもしれません。そこは僕自身も反省点として受け止めたいと思います。

 さて。これからどうしよう。クリムゾンは終わってしまった。
 いやもちろん、数年後に『ディシプリン』で復活を遂げるのですが、アレはなんか、名前だけクリムゾンにしただけと言う気がしないでもないしなぁ。それ以降もなんか、なんかだし。
 ちょっと途方にくれてみることにします。
 
 
 
■キング・クリムゾン日記一覧






テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD入手】ヴェルヴェット・アンダーグラウンド / March 13th 1969 The Boston Tea Party #VelvetUnderground #March13th1969TheBostonTeaParty

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド / March 13th 1969 The Boston Tea Party



Disc 1
1. Heroin (1st) 6:24
2. Candy Says (Ⅲ) 5:09
3. Ferryboat Bill (アナザー・ヴュー) 4:40
4. I'm Waiting For The Man (1st) 6:54
5. I'm Set Free (Ⅲ) 4:46
6. What Goes On (Ⅲ) 7:52
7. I Can't Stand It (VU) 7:40

Disc 2
1. Beginning To See The Light (Ⅲ) 6:27
2. That's The Story Of My Life (Ⅲ) 2:35
3. White Light / White Heat (ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート) 7:25
4. Jesus (Ⅲ) 4:40
5. Sister Ray (ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート) 21:54


 前回に引き続き、ボストン・ティー・パーティーでのライヴ音源です。前回が1968年12月12日の音源でしたので、今回はそのちょうど三ヶ月後となります。ジョン。ケイルが脱退して『ラ・ケイヴ』(1968年10月4日収録)で新生ヴェルヴェッツ初のライヴを行ってからは5ヶ月ほどですか。この時期はサード・アルバムの発売日(1969年3月ごろ。詳細な日付は不明)が間近ということも有ってかサードからの曲が目立ちます。
 幻の4thアルバムからは今回は“フェリー・ボート・ビル”と“アイ・キャンと・スタンド・イット”の二曲。幻の4thの録音はこの年の5月頃から本格化しているので、この時点では未だスタジオ版は作っていないのではと思いますが、演奏はよくこなれていて、聴き応えは他のレパートリーと遜色ありません。
 ボストン・ティー・パーティーと言うライヴ・ハウス(だと思うのですが)は、ルー・リードがフェイヴァリット・ヴェニュー(「お気に入りの会場」くらいの意味かな)と語ったと言われています。ここでの演奏はリラックスした中にも適度な緊張感が有ってなかなかだと思います。

 しかし、音は悪い。
 冒頭の“ヘロイン”はもやもやした音で始まりますし、後半では少し改善されますが、終始そのもやもや感がついて回ります。まぁ、多分客席録りの音源でしょうからしょうが無いのでしょうけれども。
 そう言った事を了承済みで聴く必要はありますけど、前述の通り、演奏の質はなかなか高いです。ここまで紹介した三作のブート的正規盤には、長尺の“シスター・レイ”がバッチリ入っているのが嬉しいところでしょうね。ここでもスターリング・モリソンの狂気じみたギターを楽しむことが出来ます。



■ルー・リード/ヴェルヴェット・アンダーグラウンド日記一覧


テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD聴く】ジョン・コルトレーン / ザ・ディーラーズ / オール・モーニン・ロング - from コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス #JohnColtrane #TheDealers #AllMorninLong #MalWaldron #RedGarland

ザ・ディーラーズ / マル・ウォルドロン
オール・モーニン・ロング / レッド・ガーランド


The Dealers / Mal Waldron


1. Blue Calypso (Mal Waldron) 8:56
2. Falling In Love With Love (Lorenz Hart-Richard Rodgers) 11:39

3. Dealin' (take 1) (Mal Waldron) 10:01
4. Wheelin' (take 1) (Mal Waldron) 10:26

Personnel
Mal Waldron — piano
Bill Hardman — trumpet on 1.2.
Jackie McLean — alto saxophone on 1.2.
John Coltrane — tenor saxophone
Paul Quinichette — tenor saxophone on 3.4.
Frank Wess — tenor saxophone and flute on 3.4.
Julian Euell — bass on 1.2.
Doug Watkins — bass on 3.4.
Art Taylor — drums

Recorded #1-2:April 19, 1957 #3-4:September 20, 1957


All Mornin' Long / Red Garland


1. All Morning Long (Red Garland) 20:21

2. They Can't Take That Away From Me (George Gershwin, Ira Gershwin) 10:30
3. Our Delight (Tadd Dameron) 6:20

Personnel
Red Garland - piano
John Coltrane - tenor sax
Donald Byrd - trumpet
George Joyner - double bass
Art Taylor - drums

Recorded November 15, 1957



 コルトレーンを聴き続けて幾星霜。いや、そんなには聴き込んではいないのだが(汗)。例のごとく2in1でCD-Rに焼いているので、無理くりなカップリングになっています。2in1やめりゃぁ良いようなもんなんですが、個人的にはプレスティッジ時代のコルトレーンは早く済ませたい。(^_^; 特にサイドマンとして参加のものは…。
 まぁ、大人しくリーダー作だけ買ってりゃぁ良かったんですけど、うっかり『コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)』なんか買っちまったのが間違いのものとだった…。orz 素人がむやみに手を出すもんじゃないよ、こう言うコンプリート物は。

 と、一くさり反省と愚痴をこぼしたので本論に。と言っても、今回もコルトレーンはあくまでサイドマンなので、彼に関しての特筆するべき所は、まぁ、僕にはうまく見い出せない。
 なのでまぁ、軽い気持ちで「ジャズやるべ」みたいな感じで行きたいと思います。

 今回の時期のトレーンは、マイルスの元を離れ(解雇されたという噂も聞くがはてさて。後に復帰している)、セロニアス・モンクの元に転がりこんで、弟子入りをしていた時期に当たります。

 まず、マル・ウォルドロンの『ザ・ディーラーズ』。あくまで主役はピアニストのウォルドロン。なはずですが、なぜか彼はホーン入りの作品も多い模様。作曲志向の強いピアニストはそうなりがちだと聴きますが、なるほど、モンクなんかもホーン入りに傑作が多い。
 A面の二曲では、コルトレーンの他にタイプの似たアルト奏者のジャッキー・マクリーンが入っています。マクリーンもコルトレーンも、しゃくりあげるような吹き方がよく似ていて、僕には見分けがつかない。ので、どっちがどっちとか言うのは言わないことにしますが、ビル・ハードマンのトランペットも含めて、聴きやすい演奏だと思います。これはやはり、リーダーのウォルドロンの設定したフォーマットが優れているんでしょう。自作の“ブルー・カリプソ”、ミュージカル・ナンバーの“フォーリン・イン・ラヴ・ウィズ・ラヴ”、どちらも軽めの曲想が気持ち良い。コルトレーンもあまり悩まず吹いています。いやまぁ、マクリーンと区別が付いていないわけですが、どっちみちあんまり悩んでないみたいだから良いじゃぁないですか。
 B面も二曲ですが、こちらはいずれもウォルドロンの自作。テナー・サックスが三人もいて、聴き分けろというのは僕には無理な話(笑)。こちらはやや重めなリズムですが、打ち沈んだりはしていません。低音によりがちな楽器編成にも関わらず、です。ウォルドロンと言うと、瞬間的に『レフト・アローン』の悲壮味のある世界が思い浮かんできますが、暗いばかりの人ではなかったというのがよく分かります。
 このB面の録音日付は1957年9月。したがって、コルトレーン運命の1957年7月ファイヴ・スポットの啓示を授かった後の演奏です。なので、キレッキレの演奏になっているはずなんですが、さぁ、どうだろう。(^_^; 僕にそれを聴き分けろと言うんじゃないでしょうね(笑)。

 ついでレッド・ガーランド『オール・モーニン・ロング』。1957年の11月だからだいぶ下っています。
 ガーランドのセッションは、軽やかさというよりは、リラックスした雰囲気が漂います。ホーンはコルトレーンの他にトランペットのドナルド・バードがいるだけなので、コルトレーンを楽しむにはウォルドロンとのセッションより向いています。バードは共演者に対して押しの強いタイプではないので、聴きやすいと言えそう。
 タイトル曲では、トレーンは先頭に立ってソロを吹いています。ガーランドはマイルスのもとで苦楽を共にした仲間という事もあってか、伸びやかな吹奏が聴けますね。バードも良いし、ガーランドもタルくて(笑)良いのですが、何と言ってもジョイナーのベースにソロを与えたガーランドがエライ(笑)。ベース好きの僕はそれだけでうれしい。
 “誰にも奪えぬこの想い”でも、掛け合いの後、トレーンが飛び出していく。彼の代名詞とも言える、空間を埋め尽くすシーツ・オブ・サウンド的な吹奏が聴けて思わずにやり。タイトル曲よりは短めなせいかベースソロはありませんが、まぁ、そんなもんでしょう。
 “アワ・デライト”は勢いが大事なので、タルさが売りのガーランドには任せておれんとばかりに(そりゃ言い過ぎか(^_^;)、ここでもトレーンが先頭で、飛ばす飛ばす。曲が短いぶん凝縮された旨味はこれが一番かも。

 マル・ウォルドロンの作品は参加人数の多さと、ウォルドロンの作編曲の腕前も含めて、あくまでウォルドロンの作品。コルトレーンはパーツの一部として健闘していると言う感じです。一方のレッド・ガーランドは、参加人数が少なめなことも有って、コルトレーンの味わいがもう少し楽しめるものと言えましょう。しかし、間違ってもコレを「コルトレーン・クインテット」とは言えませんなぁ(笑)。
 いずれにせよ、コルトレーンのリーダー作ではないですし、彼を中心にして聴く作品ではないでしょう。と言ったところで、次回のトレーン日記では、彼のリーダー作が登場します。




コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス/ジョン・コルトレーン
コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)/ジョン・コルトレーン




■ジョン・コルトレーン日記



テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD入手】レッド・ツェッペリン / コンプリートBBCライヴ(3CD) #LedZeppelin #TheCompleteBbcSessions

レッド・ツェッペリン / コンプリートBBCライヴ(3CD)

BBC Sessions (imcomplete) / Led Zeppelin




ディスク1 (All Mono)
1. ユー・シュック・ミー "You Shook Me" (Willie Dixon/J.B.Lenoir) – 5:14
2. 君から離れられない "I Can't Quit You Baby" (Willie Dixon) – 4:22
3. コミュニケイション・ブレイクダウン "Communication Breakdown" (Jimmy Page/John Paul Jones/John Bonham) – 3:12
4. 幻惑されて "Dazed and Confused" (Jimmy Page) – 6:39
5. ザ・ガール・アイ・ラヴ "The Girl I Love She Got Long Black Wavy Hair" (Jimmy Page/Robert Plant/John Paul Jones/John Bonham/John Estes/Willie Dixon/Robert Johnson) – 3:00
6. 強き二人の愛 "What Is and What Should Never Be" (Jimmy Page/Robert Plant) – 4:20
7. コミュニケイション・ブレイクダウン – 2:40
8. トラヴェリング・リヴァーサイド・ブルース "Travelling Riverside Blues" (Jimmy Page/Robert Plant/Robert Johnson) – 5:12
9. 胸いっぱいの愛を "Whole Lotta Love" (Jimmy Page/Robert Plant/John Paul Jones/John Bonham/Willie Dixon) – 6:09
10. サムシング・エルス "Somethin' Else" (Sharon Sheeley/Bob Cochran) – 2:06
11. コミュニケイション・ブレイクダウン – 3:05
12. 君から離れられない – 6:21
13. ユー・シュック・ミー – 10:19
14. ハウ・メニー・モア・タイムズ "How Many More Times" (Jimmy Page/John Paul Jones/John Bonham) – 11:51

ディスク2 (All Stereo)
1. 移民の歌 "Immigrant Song" (Jimmy Page/Robert Plant) – 3:20
2. ハートブレイカー "Heartbreaker" (Jimmy Page/Robert Plant/John Paul Jones/John Bonham) – 5:16
3. 貴方を愛しつづけて "Since I've Been Loving You" (Jimmy Page/Robert Plant/John Paul Jones) – 6:56
4. ブラック・ドッグ "Black Dog"(Jimmy Page/Robert Plant/John Paul Jones) – 5:17
5. 幻惑されて – 18:36
6. 天国への階段 "Stairway to Heaven" (Jimmy Page/Robert Plant) – 8:49
7. カリフォルニア "Going to California" (Jimmy Page/Robert Plant) – 3:54
8. ザッツ・ザ・ウェイ "That's the Way" (Jimmy Page/Robert Plant) – 5:43
9. 胸いっぱいの愛を (MEDLEY:Boogie Chillun(John Lee Hooker/Bernard Besman), Fixin' To Die(Buuka White), That's Alright Mama(Arthur Crudup), A Mess Of Blues(Doc Pomus and Mort Shuman))– 13:45
10. サンキュー "Thank You" (Jimmy Page/Robert Plant) – 6:37

ディスク:3 (All Mono Except * Stereo)
1. コミュニケイション・ブレイクダウン (未発表音源) 3:00
2. 強き二人の愛 (未発表音源) 4:14
3. 幻惑されて (未発表音源) 11:08
4. ホワイト・サマー White Summer (Jimmy Page) 8:22
5. 強き二人の愛 (未発表音源) 4:44 *
6. コミュニケイション・ブレイクダウン (未発表音源) 4:54 *
7. 君から離れられない (未発表音源) 5:26
8. ユー・シュック・ミー (未発表音源) 4:10
9. サンシャイン・ウーマン (未発表音源) Sunshine Woman (Jimmy Page/Robert Plant/John Paul Jones/John Bonham/Willie Dixon/Robert Johnson) 3:06


 「コンプリート」なんて付けるからややこしいんだよな~。
 ええっと、ツェッペリンのリマスター・シリーズの日記は、前回の『フィジカル・グラィティ』で一旦休止して、ちょっと気分転換に、ライヴ音源にあたってみようと思ったわけです。でまぁ、録音順から行くと一番古い、『BBCライヴ』を聴き出したのは良いんですが。そこでいきなりジミーちゃん、『コンプリートBBCセッション』を出すとぶち上げてくれちゃった。情報を確認してみると、旧い『BBCライヴ』の二枚組のリマスターに、新たに未発表曲満載の三枚目を加えると。
 そこで僕ははたと困りました。すでにある程度旧盤の『BBCライヴ』を聴き進めていたのですが、今聴いている旧盤をそのまま聴き進めて日記にしちゃって良いのか?。そんで『コンプリート~』が出たら、三枚目だけ追加で聴いてお茶を濁しちゃおうかな?。それとも、リマスターに期待して、『コンプリート~』が出るまで一旦聴き込みを中断するか?。でもなー、今聴いている旧盤、音飛びがあるんだよな~。ディスク1-14.“ハウ・メニー・モア・タイムズ”の8:07~8:31で派手に音飛びするの。CDに傷がいっちゃったんじゃないかな。買い直すまで待とうか。う~ん。待ってみようか。

 と言うわけで、『フィジカル・グラィティ』の日記から半年近い間をおいてようやっと再開させることになったわけですが。ま、結局、『コンプリート~』が出るまで待ったんですな。

 問題のディスク1-14.“ハウ・メニー~”の音飛びはマスター起因らしいですね。BBCが保管していたマスター・テープだか、トランスクリプション・ディスクだかが既に音飛びしていたんじゃないでしょうか。「ちぇ~っ!、ハイジのやつぅ~!。」あ、いえ、「ペイジのやつぅ~」でしたな…。先程の箇所はペーターの気持ちになって読んでいただくと臨場感が増すかと。はははっ。(何やってんだか。(^_^;)と言うわけで、音飛びのことはもうどうしようもないということで、毎回、その箇所が来るとガックリさせていただいてます(笑)。

 でまぁ、「コンプリート」と銘打ってあるんですが。これ、BBCセッションの全音源、というわけでは無いようなのよ。少なくともディスク2の“胸いっぱいの愛を”は、メドレー・パートに相当ハサミを入れて、編集してあるらしいのね。(英wikiによると7分位削ってあるらしい。)その他、マニアなゼップ・ファンのかたに言わせると色々問題を孕(はら)んだ音源らしいの。ま、あくまで「コンプリート」と銘打つならば…という話ですけどね。旧盤の二枚組のCDでは、ご丁寧にCDケース裏の曲目一覧のところに「CD2は編集してません(Unedited)」と言う但し書きが書かれていたんですが、今回の盤ではそういう強気な態度には出ていないようですねぇ。
 そこに目をつむって、「拡張版」として捉えれば、良いのよね。僕はそうしている。

 録音時期としては初期に偏っているんだけど、これは、ゼップ側がBBCのプロモーション効果に見切りをつけたということらしいですね。

 演奏内容は、いつものツェッペリン。なのが却ってすごいんだな、この場合。以前ビートルズのBBC音源が出た時に、「ビートルズに限らずBBC音源てなぜかどれもライヴ的な躍動感が感じられなくてつまんない」と言う事を書いたんですけど、ここでのツェッペリンはかなり健闘しています。この質のライヴ演奏なら、スタジオ盤とは別に聴く価値はあるというもの。まぁ、流石に通して聴かせることを意図して吹き込んだ音源集じゃないんで、三枚続けて聴いていくと飽(あ)いで来ますけどね。
 あと、所々、スタジオで後付の操作した跡があるんだけど、それはどうよ?。もっとストレートに生の音を聴かせてよかったんじゃないの?。
 個人的には“カリフォルニア”“ザッツ・ザ・ウェイ”みたいなつまんねぇ音源入れるくらいなら、編集なしの“胸いっぱいの愛を”を聴いてみたかったんですけどね。
 と言う感じで、まぁまぁの演奏ではあるんですが、そこはさすがBBC。観客を入れた演奏でも、後の正規ライヴ音源に比べるとやはり臨場感が足りない。これは何なんでしょうね。BBCの機材に問題があるのかしら?。

 ちょっとややこしい話をしましょう。無理についてこなくても大して問題はないですよ。(てかここから以降は蛇足だな。)
 ディスク1-8.“トラヴェリング・リヴァーサイド・ブルース”は、未だ紹介していないけど、『コーダ』のリマスター・デラックス・エディションに収録されているものと同じもの。また、ディスク3のうち、“ホワイト・サマー”だけ「未発表音源」クレジットがないですが、これは、1990年に出た『レッド・ツェッペリン (ボックスセット)』に“ホワイト・サマー/ブラック・マウンテン・サイド”として収録されていたものだからです。(これら2曲は1993年に出た『コンプリート・スタジオ・レコーディングス』の中の、やはり『コーダ』に、ボーナス・トラックとして収録され、僕はそれで聴いていました。)
 実は同盤には前述の“トラヴェリング・リヴァーサイド・ブルース”も収録されていました。ここらへんがややこしいわけですが、“トラヴェリング~”は今回のリマスターで、重複して収録されたことになります。逆に“ホワイト・サマー/ブラック・マウンテン・サイド”の方は『コーダ』のリマスター盤に収録されなかったので、どうなることかと気をもんでいたのですが、このBBCセッションに収録するつもりだったわけですね。一瞬、売り払った『コンプリート・スタジオ・レコーディングス』を買い戻そうかと思い詰めましたが(『コーダ』が出る前に早々に売り払っていたのです)、早まらなくてよかった(笑)。まぁ、それだったら“トラヴェリング~”も『コーダ』のリマスター・デラックス・エディションに入れなくても良かったようなものですけど、ペイジなりに思惑が有ったのでしょう。決して老化現象で誤って重複収録したのではないと思いたい(笑)。

 また話が変わりますけど、やはりついてこなくても大丈夫なんですけど、今まで、僕の日記では、作者クレジットには無頓着でいたのですが(適当にwikiからコピペしてた)、今回、真面目にCDのブックレットを参照してクレジットを確認してみたら(しんどかったのでもう二度とやらないけど(笑))、ジミーくん、なかなかクレジットには気を遣っている様子。
 起訴された“胸いっぱいの愛を”にウィリー・デイクソンのクレジットがあるのはまぁ当然としても、このBBCライヴにしか収められていない“ザ・ガール・アイ・ラヴ”(2nd収録の“モビー・ディック”の元ネタになったと思われる)で、スリーピー・ジョン・エステスやロバート・ジョンソンにまで気を遣っているとは。やはり“胸いっぱいの愛を”同様、歌詞の「継承」が有ったのでしょうか。
 ここらへんで、ゼップのことを悪く言う向きもあるようだけど、僕は、それは狭量にすぎないんじゃないかな、という気がします。神をも恐れぬことを言えば、“胸いっぱいの愛を”を起訴したディクソンも大人げないです。もともと音楽って、自由に口伝で伝えられるもので、その経過に於いて演奏者のオリジナリティが潜り込む所が面白いんだと思うんです。ゼップの場合は、歌詞を借りてきたりとかと言うパターンが多いんだけど、そんな程度で目くじら立てんなよ、と、言いたい。サウンドを盗まれたわけじゃあるまいし。(なぁ、ジェフ…。。゚(゚´Д`゚)゚。)ディクソンだってその程度の「継承」はやってるだろう?。と、思うんだがなぁ。ブルーズって、元々、誰が書いたかわからないような口伝の曲を採り上げて、録音の時は自分の作にしておいたりとか、そう言うの日常茶飯事だったんだし。そりゃ、エルモア・ジェイムズが“ダスト・マイ・ブルーム”を自作とクレジットした時にはロバート・ジョンソンは墓の中で、手が出なかったりはしたんだけどさ。(そもそもロバジョンのオリジナルかどうかも怪しいんだし。(^_^;)
 要は「継承」なんですよ。パクリじゃなくて。どっかの邦楽ミュージシャンみたいに「どうせ日本のファンは聴いてないだろうからパクってもわかんねぇよな」みたいなのは悪質だとは思いますけどね。ミック・ジャガーに言わせりゃ「白人ロッカーはみんな黒人の剽窃だよ」と言う事ですし。(バディ・ホリーは例外らしいですが。)それがわかった上でみんな創造性に腐心してんじゃないの。その過程で誰かと似たフレーズが紛れ込んだり、敢えてちょっと拝借したりは許容範囲じゃないかなぁ。とまぁ、僕はそんなふうに思うのよ。似てる似てない、剽窃した、してない、そんな次元の低い話で争うなよ、と。もっと高いところ目指してリスナーを楽しませてよ、と。

 なんか、何言ってんだかわかんなくなってきたので、ここらへんでたたみますね。

 と言う感じで、今回からしばらくは、ツェッペリンの正規発表されたライヴ音源を追っていきます。だいたい年代順に追っていくので、次はアレですね、アレ。いや、今から調べるってわけじゃないですよ?。ちゃんと用意してますよ、やだなぁ~。(滝汗)


■レッド・ツェッペリン日記一覧








テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD雑感】今月CDチェンジャーにセットしたCDたち。[画像大きめ閲覧注意]

ブルース・アンド・ロンサム・ロード~ザ・ルーツ・オブ・ザ・ローリング・ストーンズ
ローリング・ストーンズ / ブルー&ロンサム (通常盤)
ジーン・ヴィンセント / クレイジー・レッグス
ジェフ・ベック / クレイジー・レッグス
ウェザー・リポート / Heavy Weather
ボブ・ディラン / ニューポート・フォーク・フェスティバル1963-1965
フリー / ハイウェイ +6 (リマスター・紙ジャケット仕様)
 お待たせしましたぁ!。一組目のCDの注文をチョンボして、この時期になってしまいました!。
 その一組目のCDは、ストーンズの新作収録曲を中心に、彼らが採り上げた楽曲の元ネタを収録した二枚組。3組目はジェフ・ベックの同名アルバムと同じ選曲にしたジーン・ヴィンセントの編集盤!。と言う感じでルーツ・ロック色強めの品揃えとなっております!。




テーマ : DTM、宅録、ミックス、レコーディング、機材
ジャンル : 音楽

【CD入手】ビートルズ / ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル #Beatles #LiveAtTheHollywoodBowl

ビートルズ / ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル

【収録曲】
1.ツイスト・アンド・シャウト Twist and Shout(1965年8月30日)
2.シーズ・ア・ウーマン She's A Woman(1965年8月30日)
3.ディジー・ミス・リジー Dizzy Miss Lizzy(1965年8月30日/1965年8月29日――1曲にエディット)
4.涙の乗車券 Ticket To Ride(1965年8月29日)
5.キャント・バイ・ミー・ラヴ Can't Buy Me Love(1965年8月30日)
6.今日の誓い Things We Said Today(1964年8月23日)
7.ロール・オーバー・ベートーヴェン Roll Over Beethoven (1964年8月23日)
8.ボーイズ Boys(1964年8月23日)
9.ア・ハード・デイズ・ナイト A Hard Day's Night(1965年8月30日)
10.ヘルプ! Help!(1965年8月29日)
11.オール・マイ・ラヴィング All My Loving(1964年8月23日)
12.シー・ラヴス・ユー She Loves You(1964年8月23日)
13.ロング・トール・サリー Long Tall Sally(1964年8月23日)
14.ユー・キャント・ドゥ・ザット You Can't Do That(1964年8月23日――未発表)
15.抱きしめたい I Want To Hold Your Hand(1964年8月23日――未発表)
16.みんないい娘 Everybody's Trying To Be My Baby(1965年8月30日――未発表)
17.ベイビーズ・イン・ブラック Baby's In Black(1965年8月30日――未発表)

 著作権監視厳しいため音源引用はありません。

 「音楽的にはザ・ビートルズは素敵なサウンドだし、素晴らしい楽曲も持っている。でも、ライヴ・バンドとしてはどうだ? 彼らは微妙だったよね」by キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズのギタリスト)
 「ライヴ・バンドとしてのビートルズの頂点はデビュー前だったんだ。デビューしてからは観客の嬌声にかき消されてまともな演奏なんかできやしなかった」by ジョン・レノン

 冒頭のキースの発言は、このハリウッド・ボウルのライヴのCD化が発表された頃のもの。なので、普段はストーンズ派の寺田正典さんも、「何もこのタイミングで言わんでも…」と、思わずTwitterでつぶやいていました。
 ですがまぁ、キースの言わんことも分からないではないです。
 ここで聴けるビートルズの演奏は、決してベストといえるものではありません。それは、スタジオ・テイクでの素晴らしい演奏を知っているファンなら周知のことでしょう。なにせ、PAの考えがまともにない時代で、演奏者用のモニターもないような状況。そんな中、1万7千人もの観客が一斉に騒いでいる嬌声の中で演奏されてますからね。これはいい演奏になりようがない。(^_^; それでも、なんとか破綻なく演奏できているのは、レコード・デビュー以前にハンブルグ巡業などで叩き上げた結果でしょう。

 とまぁ、いささか微妙(笑)な当盤ではありますが、これは復刻されたことに意義のある再発と言っていいと思います。「アナログでは発売されていたのになんでデジタルでは聴けないんだ」と言う、今のビートルズ・ファンの切なる願望に応えたものであって、間違っても映画の宣伝のための再発ではないと思いたい。ジャケットを見るとそうとしか思えないんだけど(笑)。
 いずれにせよ、当時のビートルズがどういう状況でどういう演奏を繰り広げていたかを窺い知れる一級の「資料」であることには間違いはありません。

 ただ、このCD、ビートルズ初心者が、「話題になっているから」と言うので気楽にこれに手を出されて「ビートルズってこの程度か」と思われると困ります。今まで、『アンソロジー』や『ライヴ・アットBBC』で、そういうことが起こったと聞きます。今回もそういうファンが出てきやしないかと、いささか不安なのですが…。

 ところで、ビートルズが卓越したライヴバンドであった証拠は、これ以外の公式盤にしっかり刻み込まれています。いささか変則的なライヴでは有りましたが、ファンならおなじみの、ゲット・バック・セッションでの、ルーフトップ・コンサートです。アルバム『レット・イット・ビー』には、このライヴから“アイヴ・ガッタ・フィーリング”“ワン・アフター・909”“ディグ・ア・ポニー”が収録されました。また『アンソロジー』でもこの時の演奏は観れるし聴けるので、(アップルさん、次こそはビデオ『レット・イット・ビー』をお願いしまっせ!)これを聴けば、ライヴ・バンドとしてのビートルズの資質に疑いを持つものはいないはず。
 冒頭のキースの発言は、多分、あれはセッションであってコンサートではない、と、言うことなのかもしれませんし、ジョンの発言(※)も、同様なのでしょう。

 ※:この発言は確か、1970年に行われたロング・インタビューの中でのもので、邦題『回想するジョン・レノン』と言う本にまとめられていたと思います。その本は僕は持ってはいるのですが、本棚から引っ張り出すのが面倒くさいので、ここではうろ覚えな記憶に頼って書きました。ので、細かな言い回しは適当です。余談ですが、このインタビュー本、最初に翻訳された時は『ビートルズ革命』と言うとんでもないタイトルでした。現在では『レノン・リメンバーズ』と言う、翻訳の手間を省いたとしか思えないタイトルで流通しているようです。原題は『Lennon Remembers: The Full Rolling Stone Interviews from 1970』だそうです。

 ちょっと寄り道にそれて、『ハリウッドボウル』と同時期に収録された有名どころのライヴ・アルバムも少しみてみましょう。ストーンズの『ガット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット』(EP:1965年、LP:1966年収録)やキンクスの『ライヴ・アット・ケルヴィン・ホール』(1967年収録)、ディランの『ロイヤル・アルバート・ホール』(1966年収録)など。(ディランは最近とんでもない枚数の1966年ライヴ・ボックスが出ましたが、ここでは敬して遠ざけておきます。)他にビーチ・ボーイズで『ビーチ・ボーイズ・コンサート』(1963-1964年収録)、ジミヘンやオーティス・レディングなどが活躍した『モンタレー・ポップ・フェスティバル』(1967年収録)もありますね。クリームが轟音でライヴ会場を席巻するのは1968年に入ってからですが、このくらいになると、PAの考え方も本格的になってきてるはずですから、ちょっと『ハリウッドボウル』とは同列には語れないのではないでしょうか。
 ビーチ・ボーイズの1963年収録のライヴ・アルバムというのはどうだったのか聴いてみたいところですが、残念ながら僕は未聴。このように、ざっと並べた感じだと、1967年位にPAの発達の境目があったのではないかという気がします。モンタレーのライヴはいい音で録れたものが残っていますし。キンクスの『ケルヴィン・ホール』は例外としても(笑)。ストーンズのライヴは中々いい演奏なのですが、これは実はスタジオで修正が入っています。なので、これも『ハリウッドボウル』と同列に語るのはフェアではないですね。(だよね、キース?。)

 ビートルズに戻って、ちょっと資料的なことを述べておきましょう。
 ハリウッドボウルでは、ビートルズは3回の公演をしています。1964年8月23日、1965年8月29日、1965年8月30日です。これらの日程でのセットリストと、当CDに収められたCDとの曲目比較をした図を、マイミクのriverさんが作られていたので、ご本人の許可を頂いて転載させていただきます。
ビートルズ / ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル曲目表
 1965年は2日とも同じセットリストということで問題ないでしょう。気になるのは、当CDに収録漏れの曲がぼろぼろとあることです。理想で言えば、3公演完全収録が良かったわけですが、そこまで行かなくとも、全曲目をフォローするまではしてほしかったと思うのですが…。“恋におちたら”“アイ・フィール・ファイン”“彼氏になりたい”“アイム・ダウン”、曲目的にはこの4曲が漏れていることになります。これはフォローしてほしかった…!。特に僕のフェイヴァリットの“恋におちたら”なんかむっちゃ聴きてぇ!。(^_^;最近出た「著作権切れ音源CD」にこれらの曲が収録されているものがあるので、入手しようかな、と、迷っています。マニアな方ならブートレグなどでおなじみなんでしょうね。

 最後に、この『ハリウッドボウル』が出されるきっかけになったアルバムを紹介して締めくくろうと思います。ファンならご存知、アップル/EMIのあずかり知らぬところで制作された『ライヴ・アット・ザ・スター・クラブ』。1962年12月、レコード・デビュー直後のハンブルグでのライヴを収録したものです。このアルバムの制作までの経緯は省きますが、内容的には、ビートルズ人気が爆発する前の、「ファンの嬌声に邪魔されない」演奏が堪能できるものになっています。音質的にはキビシイですが。(^_^;1977年当時、このアルバムが発表された時、アップル側はなんとか発売を差し止めようとしたのですが、かなわず、やむを得ず対抗馬として『ハリウッドボウル』を出した、と言う経緯があります。
 演奏曲目的には、レノン・マッカートニーの楽曲がほとんど無く、その点では『ハリウッドボウル』には遠く及びませんが、演奏の覇気みたいなものは劣っていないと思います。
 色々出てる』スター・クラブ』物ですが、今回は、国内盤で出たテイチクの『レア・ライヴ'62(完全版)』から聴いていただきます。「ホンマに完全盤なんかい!」と言うツッコミはもっともなんですが(^_^;、まぁ、曲目を見た感じでは、これが一番多く収録されているんじゃないかと。

ビートルズ / レア・ライヴ'62(完全版)


Live At The Star Club In Hamburg Germany1962 (Japanese Teichiku ver.) / Beatles

 
 
 
 
 
■ビートルズ日記一覧目次





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☆彡ふらんぼう

Author:☆彡ふらんぼう
 音楽好きの禿オヤジです。戦闘機もすき。♀アイドルも好き。そんな私です。
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