【CD聴く】ウェザー・リポート / Night Passage - from The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤) #WeatherReport #NightPassage


■目次
●基本情報(ジャケ写、曲目など)
●Youtube音源引用
●空気のような不可思議なアルバム
●アルバムの成り立ち
●最初に書こうとした日記の残骸
●The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
■ウェザー・リポート日記

 
●基本情報(ジャケ写、曲目など)

 ジャケ写をクリックするとアマゾンの該当ページが開きます。
ウェザー・リポート / Night Passage

1. ナイト・パッセージ「Night Passage」 Zawinul 6:33
2. ドリーム・クロック「Dream Clock」 Zawinul 6:29
3. ポート・オブ・エントリー「Port of Entry」 Shorter 5:10
4. フォーローン「Forlorn」 Zawinul 3:53
5. ロッキン・イン・リズム「Rockin' in Rhythm」 Carney/Ellington/Mills 3:03
6. ファスト・シティ「Fast City」 Zawinul 6:21
7. スリー・ヴューズ・オブ・ア・シークレット「Three Views of A Secret」 Pastorius 5:55
8. マダガスカル(Live take from Osaka Festival Hall)「Madagascar」(Live take from Osaka Festival Hall) Zawinul 10:57

9. Teen Town [Live]* (Pastorius) 7:01
10. Port of Entry * 8:08
11. Fast City * 6:49
12. Night Passage * 5:53

Personnel
Josef Zawinul – Keyboards, Synthesizers
Wayne Shorter – Saxophones
Jaco Pastorius – Bass
Peter Erskine – Drums
Robert Thomas Jr.– percussion (without track 9)

Recorded July 12/13, 1980 (#1-7)The Complex, Los Angeles
June 1980 (#8)Osaka, Japan

(*)
Track 9:Recorded March 2, 1979 at Havana Jam, Karl Marx Theatre, Havana, Cuba. Originally released October 1979 on Havana Jam 2.
Track 10 and 12:Recorded July 13, 1980 at the Complex, Santa Monica, CA
Track 11:Recorded July 12, 1980 at the Complex, Santa Monica, CA
Track 10-12 Originally released on Weather Report: Live And Unreleased

Billbord Chart info:Jazz Albums - 2, Pop Albums - 57

■目次に戻る

 
●Youtube音源引用

Night Passage +4 / Weather Report
https://www.youtube.com/watch?v=O3sXn3ShdKM&list=PLJ51yXNWJSWxvUYtfyJsZpFOcH0LlRiXE


■目次に戻る

 
●空気のような不可思議なアルバム

 「空気のようなアルバム」。日記にするために、このアルバムを延々と聴き続けて、ふと浮かんだフレーズ。
 決して聴き応えがないという意味ではないです。実際、アルバム冒頭のドラムスとベースの絡みを聴くと、「おっ」と思うし、そこから入ってくるシンセサイザーの響きもなかなかにオツ。続いて出てくるサックス(多分ソプラノでしょう)もいい感じ。なのですけれども、聴いていくうちに、音が空間に()み込んでいって、なんだか自分が主体的に聴いているのではないような気分になってきます。彼らが作り出す音空間に身を(ゆだ)ねて気持ちよく揺蕩(たゆた)っているような、不思議な気持ちになるのです。
 多かれ少なかれ、ウェザーのアルバムを聴いている時はいつもそういう感じで、言葉を紡ぐのがとても難しくなってしまいます。それで、ウェザーの日記を書く時はいつも苦労しているのです。

 このアルバムを一言で言えば「端正なファンク・ジャズ」と言うことになるでしょう。ジャコのベースの響きが今まで聴いてきた中では一番良いような気がするんですけれども、それはたまたま僕の耳がそういう音に敏感になっているだけなのかな。そもそも、ジャコ・パストリアス在籍時のウェザーはすべからく「端正なファンク~」と言う言葉で総括できそうな気もするので、このアルバムを言い表すにはこの言葉だけでは不充分ですね。なので敢えてもう少し付け加えるなら「地味でとらえどころがない」と言う事でしょうか。

 ()えて耳を引くようなフックの利いたフレーズがあまり無いような気がします。楽器が弾ける人とかだったら、いちいち、「これは面白いフレーズだ!」とか一喜一憂しそうな感じもするんですけれども、僕は(もっぱ)ら「聴く」専門なので、そういう所には耳がついていかず、流して聴いてしまいます。と言って、それで「退屈」なのか、と言うと、それも何か違うような気がします。
 本当に退屈でしょうもない音楽なら、耳が聴くのを拒否してしまって、詰まる所、CDチェンジャーから引っ張り出して盤を床に叩きつけるとか、そう言う事になるのですけれども、そうはなっていません。なんとも不思議な音楽です。

 一曲一曲を取り出して聴いてみると、どれも丁寧な「仕掛け」がしてあって、なるほど、聴かせる工夫をしているのだな、というのは分かるし、僕も最初はそう言ったそれぞれの楽曲の仕掛けを紐解(ひもと)こうともしました。(それらの残骸(ざんがい)を文末に添えておくので、興味のある方はどうぞ。)でもなんか、それは違う。誤魔化(ごまか)しなのではないかと言う気が。もっと言えば、「木を見て森を見ない」(たぐ)いの行為ではないか、とも。あるいは「葉を見て枝を見ない」かな?。
 ここは、もっと素直に全体を受け止めて、このアルバムが(かも)し出す「空気」を受け止めるしか、今の僕には出来ないんじゃないだろうか、という気がしたのです。

 『ヘヴィ・ウェザー』のようなフックの利いた聴きやすさはここには無いけれども、無碍(むげ)に通り過ぎることも出来ない「何か」があるのではないでしょうか。もしかしたら、このアルバムは僕にはまだ早くて、あと10年位したら、良さが分かるのかな、とか、いや、永遠に謎のままなのかな、とか、色んな事を考えながら聴いているのですけれども、その答えは、それこそ永遠に見つからないのかも知れません。

■目次に戻る

 
●アルバムの成り立ち

 このアルバムは、スタジオに少数の客を招き、スタジオ・ライヴ形式で録音しています。そのせいでしょう、曲によって歓声が入っていたりします。また、オーバーダビングなどはしていないとのこと。逆に言うと今までのアルバムはオーバーダブしまくりだったということなのかな?。それで不自然だと思ったということは全然ないけど。
 彼らなりに思うところあってそういう手法を採ったのでしょうけれども、それでどんな効果が上がっているのかを示すのは僕の手に余ります…。普通に考えると、生演奏での迫真性ということなのでしょうけれども、それを言うにはちょっと演奏が綺麗すぎるかなという気もしますし…。それだけ彼らの演奏技術が完璧ということかも知れませんし…。なんとも言えないところですね。

 ボックス・セット『Columbia Albums 1976-1982』でのこのCDにはボーナストラックが四曲有ります。これらは例のごとく全て既発表曲です。下手すると本編より耳を引くのですけれども(笑)、それはリスナーとしての僕の未熟さから来るものかも知れません。

■目次に戻る

 
●最初に書こうとした日記の残骸

 以下は、前述した、一曲づつ紐解こうとしたメモの残骸です。一応努力はしたんだよ、と言う物的証拠として(笑)挙げておきます。興味のある方だけどうぞ。

*******

 夢見るような“ドリーム・クロック”では、シンセ、サックス、ベースの織りなす音の紋様(もんよう)が目に浮かぶかのようです。ジャケ写はこの曲をイメージしているのかな…?。(いやまぁ素直にタイトル曲のイメージなんだろうけど…。)

 “ポート・オブ・エントリー”でのジャコのベースの暴れ具合がなんとも爽快(そうかい)です。観客から歓声と拍手が沸き起こるのも(むべ)なるかな。
 美しい“フォーローン”でもベースがよく聴こえます。

 “ロッキン・イン・リズム”はデューク・エリントンの曲なのかな…?。ファンク・ジャズのスタイルでものにしているのがさすが。

 “ファスト・シティ”はその名の通りスピード感のあるナンバー。ショーターの疾走するサックスが心地よい。

 “スリー・ヴューズ・オブ・ア・シークレット”もゆったりとたゆとうようなナンバー。このアルバムは緩急の差がはっきりしていますね。
 と思っていると、“マダガスカル”もゆったり始まったりする。

■目次に戻る

 
●The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)

ウェザー・リポート/Columbia Albums 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
ウェザー・リポート/The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
Disc 1.BLACK MARKET (1976)March 11, 1976(Recorded December 1975 – January 1976)
Disc 2.HEAVY WEATHER (1977)March 1977
Disc 3.MR. GONE (1978)
Disc 4.8:30 (1979)
Disc 5.NIGHT PASSAGE (1980)
Disc 6.WEATHER REPORT(1982)

■目次に戻る


■ウェザー・リポート日記



スポンサーサイト

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD入手】ウェザー・リポート / 8:30 (2CD 紙ジャケット仕様) #WeatherReport #830

■目次
●基本情報
●Youtube音源
●『8:30』CD化事情
●カッコイイ、ライヴ
●スタジオ・マテリアル
●BOXの編集状況
■ウェザー・リポート日記

 
●基本情報

※ジャケ写クリックでAmazonページが開きますよ。
ウェザー・リポート/8:30 (2CD 紙ジャケット仕様)

All tracks written by Joe Zawinul, except where noted.

ディスク:1 39:53
1. ブラック・マーケット Black Market 9:47
2. スカーレット・ウーマン Scarlet Woman (Alphonso Johnson, Wayne Shorter, Zawinul) 8:31

3. ティーン・タウン Teen Town (Jaco Pastorius) 6:04
4. お前のしるし A Remark You Made 8:02
5. スラング Slang (Bass Solo) (Pastorius) 4:45
6. イン・ア・サイレント・ウェイ In A Silent Way 2:47

ディスク:2 40:25
1. バードランド Birdland 7:13
2. サンクス・フォー・ザ・メモリー (Tenor Sax Solo) Thanks For The Memory (Leo Robin, Ralph Rainger) 3:34
3. バディア(メドレー)|ブギ・ウギ・ワルツ(メドレー) Badia/Boogie Woogie Waltz Medley 9:32

4. 8:30(エイト・サーティー) 8:30 2:37
5. ブラウン・ストリート Brown Street (Zawinul, Shorter) 8:35
6. 親のない子 The Orphan 3:17
7. サイトシーイング Sightseeing (Shorter) 5:35

Personnel
Joe Zawinul – keyboards, ARP Quadra bass synthesizer, percussion, producer, vocoder
Wayne Shorter – tenor saxophone, soprano saxophone
Jaco Pastorius – bass, percussion, drums on "8:30" & "Brown Street"
Peter Erskine – drums
The West Los Angeles Christian Academy Children's Choir – vocals on "The Orphan"
Erich Zawinul – percussion on "Brown Street"

Released August 1979
Recorded November 1978 and early 1979

■目次に戻る

 
●Youtube音源

8:30 / Weather Report


■目次に戻る

 
●『8:30』CD化事情

 さてさて。ボックス・セット『Columbia Albums 1976-1982』から聴き進めてきているウェザーのアルバム群でございますが、このアルバムだけは、バラ売りの国内盤2CD組を入手しました。というのも、件のボックスに入っている『8:30』は一枚物に編集されてしまっているからです。そちらは収録時間が78:54しかありません。本来の2枚組盤は80:18なので、微妙に編集/カットされているようです。とはいえ、通常のバラ売り輸入盤では同じ一枚組でも“スカーレット・ウーマン”がカットされた12曲仕様なので、それに比べたら、こちらのボックスはが“スカーレット・ウーマン”カットされていない13曲仕様なので、健闘していると言っても良いかもしれません。しかし、わざわざ編集して一枚に収めるような苦労をするくらいなら、ストレートに2枚組で収めてくれていればみんなに嬉しい事になっていたと思うのですが。

■目次に戻る

 
●カッコイイ、ライヴ

 タイトルの『8:30』と言うのは、彼らがコンサートを始める時間のことなんだそうです。もちろん午前中じゃないよ(笑)。割りと遅めに始めてたんですねぇ。
 かっこいいライヴです。なんというか、ジャコ・パストリアスが参加する少し前くらいから、ウェザーはどんどんカッコヨク、ファンキーになっていくのですけれども、このライヴは文句なしではないでしょうか。
 どこか神秘的な色合いが強かった1972年の『Live In Tokyo』(それでもスタジオ盤に比べたら白熱している)に比べると、随分わかりやすくなったな、と言う感じがしますし、とにかくリズムが躍動的でカッコイイ。
 ウェザーと言うグループは、初期はアルバムごとにドラマーが変わっていたんだけど、この一つ前『Mr.ゴーン』(1978年)でピーター・アースキンが加わってからは、彼がメインのドラマーとして、1982年の『ウェザー・リポート』までは続いていくことになります。
 ジャコのベースはぶりばり鳴っていてなかなか良いですけど、ちょっと音色が軽すぎるかな、という気もします。僕の好みでは、もう少し重心の低い、チャーリー・ヘイデンとかのほうが良いなぁ。とは言え、ここでのジャコの鳴らしっぷりも悪いわけではなく、次々と繰り出される必殺フレーズはなかなかのものですね。
 ヒット曲の“バードランド”の再演も嬉しいし、“スラング”で聴かれるジャコのベース・ソロや“サンクス・フォー・ザ・メモリー”でのウェイン・ショーターのテナー・サックス・ソロも素晴らしいのですが、ショーターといえばやはり“お前のしるし”でキマリ!、でしょう!。ココでのサックスの表情の豊かさはまさしく絶品と言えます。

■目次に戻る

 
●スタジオ・マテリアル

 なお、このライヴはアナログで言うところのA面~C面がライヴで、D面だけスタジオ録音の新作になっています。なんでも、ライヴ音源一面分のマスターテープが盗まれてしまったそうで…。いや、記憶に頼って書いているので、あやふやなんですけど、たしかそういうことだったと思います。それで、「じゃぁスタジオ録音で補おうか」となるところが、絶好調だった彼ららしいのですが…。
 ライヴがあんまりにすごすぎるので、スタジオ・パートはおまけ、みたいな感じになっちゃっていますけど(笑)。でも、これはこれでやはりカッコイイ出来になっていて、ライヴ・パートとの違和感はあまりないですね。さすがに童声合唱の出てくる“親のない子”なんかはアレですけどね。(^_^;

■目次に戻る

 
●BOXの編集状況

 最後に、ボックスセット『The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982』に収録された『8:30』の曲目と時刻(タイミング)を載せておきます。それぞれの楽曲で、二枚組の国内盤CDと比して何秒編集されているか示しておきました。

1. ブラック・マーケット Black Market 9:30→17秒カット
2. スカーレット・ウーマン Scarlet Woman (Alphonso Johnson, Wayne Shorter, Zawinul) 8:23→8秒カット
3. ティーン・タウン Teen Town (Jaco Pastorius) 5:53→11秒カット
4. お前のしるし A Remark You Made 7:46→16秒カット
5. スラング Slang (Pastorius) 4:46→カット無し
6. イン・ア・サイレント・ウェイ In A Silent Way 2:44→3秒カット
7. バードランド Birdland 6:53→20秒カット
8. サンクス・フォー・ザ・メモリー Thanks For The Memory (Leo Robin, Ralph Rainger) 3:24→10秒カット
9. バディア(メドレー)|ブギ・ウギ・ワルツ(メドレー) Badia/Boogie Woogie Waltz Medley 9:31→1秒カット
10. 8:30(エイト・サーティー) 8:30 2:38→カット無し
11. ブラウン・ストリート Brown Street (Zawinul, Shorter) 8:35→カット無し
12. 親のない子 The Orphan 3:16→1秒カット
13. サイトシーイング Sightseeing (Shorter) 5:36→カット無し

 ※「1秒カット」のものは、チャプターを打つ都合上、そのようなタイミングになったと思われますので、実質的なカットはないものと推測されます。…推測でなく、聴き比べて確認しろって…?、イヤダ、面倒くさい(笑)。そう言う君、代わりにやってよ(笑)。これらのCD貸してあげてもいいからさ~。

■目次に戻る

 


■ウェザー・リポート日記




テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD聴く】ウェザー・リポート / Heavy Weather - from The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤) #WeatherReport #HeavyWeather

ウェザー・リポート / Heavy Weather


Heavy Weather +3 / Weather Report


1. Birdland (Joe Zawinul) 5:57
2. A Remark You Made お前のしるし (Joe Zawinul) 6:51
3. Teen Town (Jaco Pastorius) 2:51
4. Harlequin (Wayne Shorter) 3:59

5. Rumba Mama (Manolo Badrena, Alex Acuña) 2:11
6. Palladium (Wayne Shorter) 4:46
7. The Juggler (Joe Zawinul) 5:03
8. Havona (Jaco Pastorius) 6:01

9.Black Market (Live)
10.Teen Town (Live)
11.Birdland (Live)

9-10
Recorded Sep. 10, 1977 at The Rainbow
Taken from "Live And Unreleased"

11
Recorded Mar. 2, 1979 Havana Jam

Personnel
Joe Zawinul – Keys
Wayne Shorter – Soprano saxophone, Tenor saxophone
Jaco Pastorius – Bass
Alex Acuña – Drums
Manolo Badrena – Percussion

Producer Joe Zawinul, Jaco Pastorius, Wayne Shorter

 僕が初めて買ったウェザー・リポートのアルバムがこれでした。わりとジャズを聞き始めの頃に買って、「ふ~ん」と思って何度か聴いて、それっきり聴き返していませんでした。その時は「ウェザーの最高傑作」と言うような触れ込みを聞いて買ったのでしょう。一曲目の“バードランド”がシングル・ヒットしたらしいけど、この程度にコマーシャルな曲は他にいくらでも知っているよ、と言うのが当時の僕の感想でした。
 だけど、今聴いてみると、結構よい。いや、結構どころか、かなりよい。自分の耳が良くなっているのか、それとも以前の自分がよほどヘボだっただけなのかよくわからないですが。

 ウェザーの音というのは“ブギウギ・ワルツ”収録の『スイートナイター』(1973)あたりから、ファンキー・なサウンドに接近し始めましたが、それは、ファンキーそのものの導入と言うよりは、それまでのどこか前衛的で「知的」な音から「肉体的」で躍動的な音への転換の開始と言う事だったのだと思います。それが明確なわかり易さを伴って結実したのが本作なのではないでしょうか。カッコつけて言えば、「知情意」揃っている音、と言う事になります。

 その音の成り立ちに深く関わっているのが、前作途中から参加し、本作からフルに全面参加したジャコ・パストリアス(ベース)の存在であります、…と、断言できればカッコいいのですが、残念ながらそう言い切れるほど僕はウェザーのことに詳しくないので、なんともはや。ただ、クレジットを見ると、メインのプロデューサーとして、ジョー・ザヴィヌル(キーボード)の名前があり、その次に位置するコ・プロデューサーにジャコの名があります。結成当時の双頭リーダーだったウェイン・ショーター(サックス)はアシスタント・プロデューサーに後退(と言って良いのかどうかよくわからないですが)しているのです。ショーターびいきの僕としては残念なことです。

 それにともなって、と、言うことなのか、演奏面でもショーターの出番は少なくなっており、その代わり、ジャコのベースが大きくフィーチュアされています。ここでのジャコは遠慮斟酌が無いと言うか、新加入のグループだろうが、そのグループが大きな功績を上げたグループだろうが、お構い無しで、自分のペースで縦横無尽に弾きまくっております。そしてそれらがどれも素晴らしい音楽的成果を上げているのですから、まぁ、文句のつけようがないですね。音色的にもフレージング的にも変化に富んでおり、あまりにもベース的な音から逸脱しているので、「これはザヴィヌルのシンセなのか?」と思ってしまう箇所も多く、正直僕のヘボい耳では判断がつかないのですが、総体の音としては素晴らしいものになっています。
 まさに、ジャコの加入はバンドに大きな飛躍をもたらし、大成功をおさめたと言えるでしょう。

 一方のショーターですが、自作の“ハーレクイン”“パラディアム”では流石と思わせるソプラノ・サックスを吹いており、なんとか面目を躍如しています。…いや、この二曲以外でも吹いてますけどね。(^_^;

 そんな中でも、2曲目の“お前のしるし”では、ショーター、ザヴィヌル、ジャコの三人が拮抗した演奏を展開しており、新生ウェザーを強く印象づけていると言ってもいいでしょう。

 よくわからないのが5曲目の“Rumba Mama”で、唐突にライヴ音源なのですが、これが、打楽器だけの演奏によるアフロ・ナンバーなのです。あまりにも唐突に始まり、なんだなんだ、と、思っている間に終わってしまいます。なんでこんなことをしたのか、ザヴィヌルに聞いてみたいものですが…。

 この『The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982』のボックス・セットからのCDにはボーナス・トラックのライヴが三曲加わっています。そのうち2曲は、例のごとくボックス・セット『ライヴ・アンド・アンリリースト』からの既発表音源ですが、その他に、真正の未発表トラック“バードランド”のライヴが収められています。これは前作の『ブラック・マーケット』のボートラにも収められていた『ハヴァナ・ジャム』からの未発表音源。演奏はどれもライヴならではの躍動感に溢れており、まずは申し分ないおまけと言えましょう。

 ともあれ、このアルバム『ヘヴィ・ウェザー』はビルボード200で30位まで上がり(同ジャズ・チャートではもちろん1位)、50万枚以上を売り上げ、彼ら最大の商業的成功作となりました。…これが最大の売上と言う事は後は尻すぼみ…?、とか意地悪なことを考えてしまいますが、まぁ、どうなるか、聴き込んでいきましょう。


ウェザー・リポート/Columbia Albums 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
ウェザー・リポート/The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)



■ウェザー・リポート日記



テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD聴く】ジャコ・パストリアス / ジャコ・パストリアスの肖像 (リマスター・紙ジャケット仕様) #JacoPastorius #JacoPastorius1st

ジャコ・パストリアス / ジャコ・パストリアスの肖像 (リマスター・紙ジャケット仕様)


All tracks composed by Jaco Pastorius; except where indicated

1. ドナ・リー Donna Lee (Miles Davis) – 2:27
2. カム・オン、カム・オーヴァー Come On, Come Over (featuring Sam & Dave) (Jaco Pastorius, Bob Herzog) – 3:54
3. コンティニューム Continuum – 4:33
4. クル/スピーク・ライク・ア・チャイルド Kuru/Speak Like a Child (Jaco Pastorius, Herbie Hancock) – 7:43
5. トレイシーの肖像 "Portrait of Tracy – 2:22
6. オーパス・ポーカス Opus Pocus - 5:30
7. オコンコレ・イ・トロンパ Okonkolé Y Trompa (Jaco Pastorius, Don Alias) – 4:25
8. (ユースド・トゥ・ビィ・ア)チャ・チャ (Used to Be a) Cha-Cha – 8:57
9. 忘れ去られた愛 Forgotten Love – 2:14

Personnel

"Donna Lee"
Jaco Pastorius - electric bass
Don Alias - congas

"Come On, Come Over"
Jaco Pastorius - electric bass
Don Alias - congas
Herbie Hancock - clavinet, Fender Rhodes electric piano
Narada Michael Walden - drums
Sam Moore - vocals
Dave Prater - vocals
Randy Brecker - trumpet
Ron Tooley - trumpet
Peter Graves - bass trombone
David Sanborn - alto sax
Michael Brecker - tenor sax
Howard Johnson - baritone sax

"Continuum"
Jaco Pastorius - electric bass
Herbie Hancock - Fender Rhodes electric piano
Alex Darqui - Fender Rhodes electric piano
Lenny White - drums
Don Alias - congas

"Kuru/Speak Like A Child"
Jaco Pastorius - electric bass
Herbie Hancock - piano
Don Alias - congas, bongos
Bobby Economou - drums
David Nadien - violin
Harry Lookofsky - violin
Paul Gershman - violin
Joe Malin - violin
Harry Cykman - violin
Harold Kohon - violin
Stewart Clarke - viola
Manny Vardi - viola
Julian Barber - viola
Charles McCracken - cello
Kermit Moore - cello
Beverly Lauridsen - cello
Michael Gibbs - string arrangement

"Portrait of Tracy"
Jaco Pastorius - electric bass

"Opus Pocus"
Jaco Pastorius - electric bass
Wayne Shorter - soprano sax
Herbie Hancock - Fender Rhodes electric piano
Othello Molineaux - steel drums
Leroy Williams - steel drums
Lenny White - drums
Don Alias - percussion

"Okonkole Y Trompa"
Jaco Pastorius - electric bass
Peter Gordon - French horn
Don Alias - okonkoko iya, congas, afuche

"(Used To Be A) Cha Cha"
Jaco Pastorius - electric bass
Hubert Laws - piccolo, flute
Herbie Hancock - piano
Lenny White - drums
Don Alias - congas

"Forgotten Love"
Jaco Pastorius - electric bass
Herbie Hancock - piano
David Nadien - violin
Harry Lookofsky - violin
Paul Gershman - violin
Joe Malin - violin
Harry Cykman - violin
Harold Kohon - violin
Matthew Raimondi - violin
Max Pollinkoff - violin
Arnold Black - violin
Stewart Clarke - viola
Manny Vardi - viola
Julian Barber - viola
Al Brown - viola
Charles McCracken - cello
Kermit Moore - cello
Beverly Lauridsen - cello
Alan Shulman - cello
Richard Davis - bass
Homer Mensch - bass
Michael Gibbs - string arrangement, conductor

Released August 1976
Recorded October 1975.
Producer Bobby Colomby

Jaco Pastorius / Jaco Pastorius



 それにしても、ようもまぁ、こんな豪勢なデビュー・アルバム作れたな、と言う感じです。米コロンビア・レコードのコネを使いまくったのではないでしょうか。あまりにも豪華な顔ぶれにめまいがしそう。それでいて、やはり一番目立っているのは、ジャコ・パストリアスのベースなんだから、恐れいったもんです。

 プロデューサーのボビー・コロンビーと言う人は、ブラッド・スウェット&ティアーズのドラマーだった人だそうで、彼の強力な後押しによりこのデビュー・アルバムが制作されたということらしいです。しかし、人脈的にはコロンビアのコネ使いまくりだったのでしょう。(大事なことなので二回言いました。(^_^;)

 内容は、バラエティに富んでいるといえば聞こえは良いのですが、要するにハチャメチャです。一曲目では、控えめなパーカッションをバックにベース・ソロをかっこ良くキメたかと思うと、次の曲では、ホーン・セクションの咆哮とともにサム&デイヴ(本物の本人たちです)のR&Bがフィーチュアされるという具合なのです。
 そんな中でも、ジャコのベースは、ぶっとく鳴り響いて、芯があり、聴いていてワクワクさせられます。オーディオ的には、本当の重低音というよりは、中低音くらいを持ち上げてベースが目立つような音作りをしているんだと思います。うちのおんぼろミニコンポで聴いても、ベースがとてもよく目立って聴こえて、気分がいいです。言い忘れていたかもしれませんが、僕はベースという楽器がすごく好きなのです。
 ジャコのベースは、電気ベースなんだけど、フレットが付いていないというのが特徴らしい。もっとも、ジャズでよく使われるウッド・ベース(クラシックで使われるダブルベースと同じもの)はもともとフレットなんて付いていないんだから、考えようによってはそれほど珍しいものでもないのかもしれない。にもかかわらず、「フレットレス・ベースの革命児」と呼ばれるんだから、演奏技術的にはすごい人なんだろう、多分。僕は一介のリスナーなんで、「聴いて面白いかどうか」でしか判断できなませんが。(でも音楽ってそれが最も重要なんじゃないの?。)

 このアルバムで一番良いのは、ベーシストのリーダー作だからと言ってベースばかりに焦点を当てた作りにはなっていないことです。もちろん、アルバムの一本筋を通すと言う意味でジャコのベース演奏が通底してはいるんですけど、その他のプレイヤーにも光が当たっています。“(ユースド・トゥ・ビィ・ア)チャ・チャ”でのヒューバート・ロウズのピッコロ/フルートなど典型的でしょう。“カム・オン、カム・オーヴァー”ではもちろんサム&デイヴが主役ですが、ホーン・セクションも充実しています。“オーパス・ポーカス”ではスティール・ドラムのユニークな音が目立っているのが面白いし、僕の好きなウェイン・ショーターがソプラノ・サックスで思い切り吹きまくっているのもカッコイイ。

 とはいえども、やはりベーシストのリーダー・アルバムだけ有って、ベースはそれなりに目立っています。“コンティニューム”なんて、編成的にはピアノが2台もあるのに、目立ちまくっているのはベースで、とても良く旋律を歌っていて、大好き。

 “トレイシーの肖像”での静寂感に満ちたソロも見事。ここではハーモニクスと呼ばれる、高音を強調する技術を多用しています。わりと高度な技術で、使い過ぎると、これみよがしの技術開陳になるおそれがあるんですが、さすがにここでは音楽的な必然性のある演奏を聴かせています。具体的に説明しちゃうと白けちゃうんですが、要は、一人二重奏の効果になっているのです。低音部を通常のベース音で奏(かな)で、対する高音をハーモニクスで鳴らしています。言葉にすると本当になんてことないように思えますが、一聴してみると、その素晴らしさに舌を巻きます。

 “オコンコレ・イ・トロンパ”でのユニークな演奏も印象的。技術的なことはよくわかんないんだけど、ちゃんと音楽的に面白いものになっている所が大切だと思います。ピーター・ゴードンのフレンチ・ホルンもなかなか味わい深い。パーソネルを見て驚いたんですが、三人だけでやっているんですね。とてもそうとは思えない豊かな音楽になっているのがすごい。

 “クル”は弦楽器が華麗な曲。ハービーの“スピーク・ライク・ア・チャイルド”とメドレーになっているんだけど、どこで曲が変わったのか全然わかんない。僕、一応、ハービーの『スピーク・ライク・ア・チャイルド』のCDは持ってるんだけど…、あんましまじめに聴いたこと無いのよね。(^_^; ここではハービーのピアノとの絡みが聴きものでしょう。

 ラストの“忘れ去られた愛”は、一転して、ジャコは裏方に回っており、弦楽器とハービーのピアノの美しさが際立っています。こう言う締めくくり方は流石だなぁ。一介のベーシストじゃないぜ、と、さり気なく主張しているんですね。
 実際、ここまでは演奏に注目してみてきたものの、2曲をのぞいてすべてジャコが作曲しており、全体的なサウンド・メイクももちろん彼自身でしょう。その多彩な多才さに驚いてしまいます。

 このアルバムは、ジャコのソロ・デビュー・アルバムになるわけですが、時期的にはウェザー・リポートに参加する(1976年1月と推測される)ちょっと前(1975年10月)に録音されています。発表されたのはウェザー加入後の1976年8月。ウェザーで2曲だけ演った『ブラック・マーケット』はその前の1976年の3月に発表されています。本格的に全面参加した『ヘヴィ・ウェザー』は1977年3月発表。ここから1982年まで、ジャコ&ウェザーの快進撃が続くわけです。
 と言う感じで、ジャコは単体で採り上げても面白いのですが、この日記では、とりあえずウェザーの活動に繰り込んで見ていこうと思っています。乞うご期待!。…つっても大したことは書けないわけだが。(^_^;





■ウェザー・リポート日記
16/05/26 Tale Spinnin'
16/02/27 Mysterious Traveller
15/11/28 Sweetnighter
15/08/28 Live In Tokyo
15/05/28 I Sing The Body Electric
15/01/27 Weather Report(1971)
15/01/27 The COLUMBIA ALBUMS 1971-1975 (7CD 紙ジャケット 輸入盤)


テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD聴く】ウェザー・リポート/ Tale Spinnin' - from The COLUMBIA ALBUMS 1971-1975 (7CD 紙ジャケット 輸入盤) #WeatherReport #TaleSpinnin

ウェザー・リポート/The COLUMBIA ALBUMS 1971-1975 (7CD 紙ジャケット 輸入盤)
The COLUMBIA ALBUMS 1971-1975 (7CD 紙ジャケット 輸入盤)


ウェザー・リポート/ Tale Spinnin'


Tale Spinnin' +2 / Weather Report



All tracks composed by Joe Zawinul unless otherwise noted.

1. Man In The Green Shirt 6:29
2. Lusitanos (Wayne Shorter) 7:25
3. Between The Thighs 9:33
4. Badia 5:21
5. Freezing Fire (Wayne Shorter) 7:29
6. Five Short Stories 6:56

7. Man In The Green Shirt [Live] 10:33
8. Directions/Dr. Honoris Causa [Live] 8:38

Personnel

Josef Zawinul - Rhodes piano, acoustic piano, melodica, TONTO synthesizer, ARP 2600 synthesizer, organ, steel drums, oud, mzuthra, West African talking drum, xylophone, cymbals, vocals
Wayne Shorter - Soprano and tenor saxophones
Alphonso Johnson - Electric bass
Leon "Ndugu" Chancler - Drums, tympani, marching cymbals
Alyrio Lima - Percussion

Released May 1975
Recorded February 1975 - April 4, 1975

Track 7-8:
recorded November 27, 1975 at the New Victoria Theatre, London
originally released 2002 on Weather Report:Live & Unreleased
Chester Thompson - Drums
Alex Acuna - Percussion


 まず、最初に謝らなければいけません。今まで、ウェザーのアルバムの日記を書く時、バラ売りのCDでもボートラがあるかのような書き方をしていましたが、実際にはバラ売りのCDにはボートラはありません。あくまで『The COLUMBIA ALBUMS 1971-1975』に入っているCDにのみボートラがあります。そこら辺、はっきりと書いていなかったので、迷った方もいらしたかもしれません。申し訳ありませんでした。お詫びいたします。

 閑話休題。

 某音楽評論家が「享楽的」と言っていたアルバムです。
 なるほど、このアルバムは明るい。初期のウェザーに有った神秘的な匂いはもう完全に払拭されたと言っていいでしょう。
 創設メンバーだったミロスラフ・ヴィトウス(ベース)はすでに去り、アルフォンソ・ジョンソンに完全に代わっています。しかし、ジョンソンも、まさか自分が全編に参加したアルバムがこの一枚だけになるとは思いもよらなかったでしょう。そう、次作からは、アイツが、新たに加わるのです…。

 いやちょっと先走りました。そうそう、このアルバムは明るい。『スイートナイター』から始まったファンキー路線が、ここでは満開になった印象です。

 楽曲も、メジャー・キーの曲が多く(と言うか、マイナー・キーの曲が無い!?)、テンポも速めで、楽天的とさえ言えそう。

 それに乗って、ザヴィヌルのキーボード、特に、シンセの音色が明るいです。前作までのザヴィヌルのキーボードは、どこかしらダークな音色を含んでいたような気がするのですけれども、ここでは、ひたすらに明るい。

 また、ザヴィヌルの明るさに呼応して、ショーターが、より一層のびやかに吹きまくっています。これも、さらなる明るさの要因となっていますね。

 “Badia”や“Five Short Stories”はテンポが落ちるのですけれども、それでも、基本は明るいです。ただ、本編ラストの“Five Short Stories”は、なんとなく初期の神秘的な匂いが残っているかも…。

 さて、BOXからのCDに付属しているボートラですが、ここでは、編集アルバム『ライヴ&アンリリースド』から1975年のライヴ音源が2曲収録されています。既発表の音源なので、正直手抜きだな、と言う感は否めませんが(笑)、まぁ、軽いおまけだと思えば許せるでしょうか。演奏自体は緊張感有ってなかなか良いですけどね。



■ウェザー・リポート日記



テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

プロフィール

☆彡ふらんぼう

Author:☆彡ふらんぼう
 音楽好きの禿オヤジです。戦闘機もすき。♀アイドルも好き。そんな私です。

最新記事
最新コメント
リンク
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR