【DVD入手】ボブ・ディラン / ニューポート・フォーク・フェスティバル1963-1965 #BobDylan #TheOtherSideOfTheMirror #LiveAtTheNewportFolkFestival1963_1965

ボブ・ディラン / ニューポート・フォーク・フェスティバル1963-1965

The Other Side Of The Mirror - Live At The Newport Folk Festival 1963-1965 / Bob Dylan
(以下の曲目一覧は筆者がCD-Rにリッピングした曲目なのでオリジナルのDVDとは若干異なり、ディラン以外の出演者パートなどが省かれています。Youtube音源は著作権者の監視が厳しいため引用出来ませんでした。)

01. Opening~All I Really Want to Do(1965/7/24 afternoon workshop) 2:49

 ●1963
02. North Country Blues (7/26 afternoon workshop) 4:18
03. With God On Our Side 神が味方 6:08
(with Joan Baez — 7/26 afternoon workshop and 7/28 night performance)
04. Talkin' World War III Blues 第3次世界大戦を語るブルース 4:29
(7/26 night performance)
05. Who Killed Davey Moore? デイビー・ムーアを殺したのは誰? 3:27
(7/26 night performance)
06. Only A Pawn In Their Game しがない歩兵 3:56
(7/26 night performance)
07. Blowin' In The Wind 風に吹かれて 4:05
(with The Freedom Singers, Joan Baez, and Peter, Paul and Mary
— 7/26 night performance)

 ●1964
08. Mr. Tambourine Man (7/24 afternoon workshop) 5:56
09. It Ain't Me, Baby (with Joan Baez — 7/24 night performance) 2:18
10. With God On Our Side 神が味方 1:25
(with Joan Baez — 7/26 night performance)
11. Chimes Of Freedom 自由の鐘 (7/26 night performance) 9:58

 ●1965
12. If You Gotta Go, Go Now 出ていくのなら 2:12
(7/24 afternoon workshop)
13. Love Minus Zero/No Limit (7/24 afternoon workshop) 3:21
14. Daytime rehearsal with electric band 1:10
15. Maggie's Farm (7/25 night performance) 4:59
16. Like A Rolling Stone (7/25 night performance) 6:33
17. Mr. Tambourine Man (7/25 night performance) 5:23
18. It's All Over Now Baby Blue (7/25 night performance) 5:21
19. End Credits - Restless Farewell 哀しい別れ (Maybe Studio take from album 『The Times They Are a-Changin'』)1:32


 前回のディラン日記では『ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンド・トラック (ブートレッグ・シリーズ第7集)』を聴き、そこでのライヴ・テイク“マギーズ・ファーム”の、バンドを従えたカッコ良い音に感動しました。その音源が、1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルのものだったので、同フェスの音源を探して聴いてみることにしました。ですが、ディランだけでまとまったものはなかなか見つからず、僕が探した限りでは、今回紹介するビデオ・ディスク(DVD)が、分量的にも最も豊富なものとなります。しかし、ライナーノートによると、これも完全盤ではなく、未収録となった音源/映像が多数あります。

 さて、その1965年のニューポートですが、ディランがそれまでの生ギター(とハモニカ)のみでの演奏でなく、バンドを従えての演奏が行われた、画期的なステージとして伝説化されています。
 その伝説では、「保守派のフォーク・ファンが、電化したディランにブーイングをして、ディランは涙ながらに生ギター一本で“イッツ・オール・オーヴァ・ナウ・ベイビー・ブルー”を歌った」と言う事になっています。
 その伝説の真偽はさておき。僕は、前述のように、“マギーズ・ファーム”でのバンド・サウンドにしびれていたので、1965年のパートでは存分にバンドでの音が聞けるだろうと期待していました。ですが残念なことに、バンド演奏が収録されているのは僅かに2曲。先の“マギーズ~”ともう一曲“ライク・ア・ローリング・ストーン”だけなのでした。解説によると、もう一曲“悲しみは果てしなく - It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train To Cry”がバンドで演奏されたそうなのですが、それでも三曲だけなわけです。1965年は2ステージに参加し全9曲演奏しているのですが、バンドで演奏したのはたったこれだけ。どうせなら三曲とも聴きたかったという気がしますし、その他の収録漏れの演奏も何らかの形で、それこそブートレッグ・シリーズとかで、全曲網羅して発表してもらいたいものです。

 さて、前述の「伝説」の真偽ですが。ブーイングがあった、ということなのですが、僕が見た限りでは、そんなものは確認できませんでした。解説には「ブーイングがなぜ起こったか」と言う考察が書かれているので、このヴィデオでは確認できない部分でブーイングがあったのかもしれません。(あるいは僕がにぶちんなので気付いてないだけかも。(^_^;)また、涙ながらに“イッツ・オール・オーヴァ・ナウ・ベイビー・ブルー”を歌った、と言うことですが、僕が見た限り、ディランは涙なんか流していませんでした。それどころか、聴衆からもっと演奏するようにせがまれて、“ミスター・タンブリン・マン”と“イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー”を急遽披露することになったような流れに見えました。“ミスター・タンブリン・マン”では曲に合うハモニカを用意しておらず、客に「誰かE(のキー)のハモニカ持ってないか」と呼びかけ、投げ込まれたハモニカで演奏を演りなおしています。続く“イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー”の演奏も拍手喝采に迎えられて、上機嫌、かどうかまではわかりませんが、調子よく演奏を終えています。
 誰が一体、あんなでたらめな「伝説」を流布させたんでしょうね!?。

 その他、印象に残ったのは、ディランと聴衆との気易い様子です。客席から投げ込まれたテンガロンハットを拾って「なんだこれ」と言ってみせたり、演奏を終えて退場した後も止まらないアンコールに、呼び戻され「ごめんよ、後ろが詰まっているから、これ以上は演奏できないんだ!。ありがとう、愛してる(I Love You)」と快活に応えたり、終演後に乗り込んだ車でファンに囲まれながら、満足気な表情を見せ「みんなともだちだ」などと言ったり…。後年の「仏頂面」がトレードマークのようになったディランからは想像もつかない姿ですね。

 あと、ジョーン・バイエズと仲睦まじくジョイントする様子が何曲かで観られるのも微笑ましいです。バイエズがあんまりきれいな声で歌っているので、彼女のCD欲しくなっちゃいました。(^_^; バイエズは、別の場面では、おどけてディランの物まねで“Mary Hamilton”という伝承曲を歌ったりしています。客にそこそこウケているのが笑えます。インタビューに答えている場面も少しだけど収録されています。バイエズは先日75歳を記念したコンサートを行い、そのCD&ヴィデオを発売していましたが、なぜか国内盤の発売は無いようです。またディランと一緒に演ったりしないのかな。なお、日本語表記では「ジョーン・バエズ」とされることが多いですが、ディランが彼女を呼ぶ様子からは、むしろ「バイエズ」に聞こえたので、ここではそう表記してみました。まぁ、「バエズ」が間違いというわけでもないとは思いますけどね。英語のあいまい母音は日本語表記が難しいです。(^_^;

 例のごとく、音源だけCD-Rに焼いて聴き込んでいたのですが、日記を書くにあたって流石にヴィデオを見直してみたら、上述のような色々なことに気づきました。これはまさに「百聞は一見に如かず」という感じですね。日常的に音楽ヴィデオを頻繁に観ることはないのですが、たまにはじっくり観るのも良いかな。

 さて、これからのディラン日記ですが。現在『ブロンド・オン・ブロンド』まで聴き進めており、そこから、いっかな先に進んでいません。もうしばらく停滞します(笑)。次回および次々回はギター弾き語り時代のブートレッグ・シリーズを聴いてみたいと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。m(_ _)m



■ボブ・ディラン過去日記
2016/11/30 ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンド・トラック (ブートレッグ・シリーズ第7集)
2016/09/01 ロイヤル・アルバート・ホール (ブートレッグ・シリーズ第4集)
2016/09/01 ザ・カッティング・エッジ1965-1966 デラックス・エディション(ブートレッグ・シリーズ第12集)
2016/08/27 フォールン・エンジェルズ
2016/07/28 シャドウズ・イン・ザ・ナイト
2016/05/31 ブロンド・オン・ブロンド
2016/05/27 メランコリー・ムード
2016/02/29 追憶のハイウェイ61
2015/11/30 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム
2015/08/29 アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン
2015/05/31 時代は変わる
2015/02/28 フリー・ホイーリン
2014/11/27 ボブ・ディラン(1st)
2014/08/27 サイド・トラックス
2013/10/30 アナザー・セルフ・ポートレイト(ブートレッグ・シリーズ第10集)[スタンダード・エディション]



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テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD入手】ボブ・ディラン / ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンド・トラック (ブートレッグ・シリーズ第7集) #BobDylan #NoDirectionHomeTheSoundtrack #TheBootlegSeriesVol7

ボブ・ディラン / ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンド・トラック (ブートレッグ・シリーズ第7集)


特記なき楽曲は、作詞・作曲: ボブ・ディラン
Disc 1

1.ホエン・アイ・ガット・トラブルズ - When I Got Troubles – 1:28
1959年、ハイ・スクール時代の友達 Ric Kangas 録音

2.ランブラー、ギャンブラー - Rambler, Gambler – 2:16
トラディショナル、編曲: ディラン
1960年秋、ホーム・レコーディング Cleve Petterson 録音

3.わが祖国 - This Land Is Your Land – 5:57
作詞・作曲: ウディ・ガスリー
1961年11月4日ニュー・ヨーク、ライブ

4.ウディに捧げる歌 - Song to Woody – 2:41
1962年、同『ボブ・ディラン』収録

5. ディンクス・ソング - Dink's Song – 4:37
トラディショナル、編曲: ディラン
1961年12月22日ミネソタ州ミネアポリス、「ミネソタ・ホテル・テープ」

6.アイ・ウォズ・ヤング・ホエン・アイ・レフト・ホーム - I Was Young When I Left Home – 5:19
1961年12月22日ミネソタ州ミネアポリス、「ミネソタ・ホテル・テープ」

7.サリー・ギャル - Sally Gal – 2:37
1962年4月24日、『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』アウトテイク

8.くよくよするなよ - Don't Think Twice, It's All Right – 3:35
1963年3月ニュー・ヨーク、 Witmark 出版登録用デモ
『ザ・ブートレッグ・シリーズ第9集:ザ・ウィットマーク・デモ』収録

9.いつも悲しむ男 - Man of Constant Sorrow – 3:03
トラディショナル、編曲: ディラン
1963年3月、テレビ番組 "Folk Songs and More Folk Songs"

10.風に吹かれて - Blowin' in the Wind – 4:03
1963年4月12日ニュー・ヨーク、タウン・ホール、ライブ

11.戦争の親玉 - Masters of War – 4:41
1963年4月12日ニュー・ヨーク、タウン・ホール、ライブ

12.はげしい雨が降る - A Hard Rain's a-Gonna Fall – 7:46
1963年10月26日ニュー・ヨーク、カーネギー・ホール、ライブ

13.船が入ってくるとき - When the Ship Comes In – 3:05
1963年10月26日ニュー・ヨーク、カーネギー・ホール、ライブ

14.ミスター・タンブリン・マン - Mr. Tambourine Man – 6:42
1964年6月9日、『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』アウトテイク、ジャック・エリオットとのデュエット

15.自由の鐘 - Chimes of Freedom – 8:02
1964年7月26日、ニューポート・フォーク・フェスティバル、ライブ

16.イッツ・オール・オーヴァー・ナウ・ベイビー・ブルー - It's All Over Now, Baby Blue – 3:33
1965年1月16日、『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』オルタネイト・テイク(Take 1(1/13/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)デラックス・エディション』収録


Disc 2
1.シー・ビロングズ・トゥ・ミー - She Belongs to Me – 3:18
1965年1月14日、『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』オルタネイト・テイク(Take 2 Remake (1/13/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)コレクターズ・エディション』収録

2.マギーズ・ファーム - Maggie's Farm – 5:53
1965年7月25日、ニューポート・フォーク・フェスティバル、ライブ

3.悲しみは果てしなく - It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry – 3:33
1965年6月15日、『追憶のハイウェイ61』オルタネイト・テイク(Take 9(6/15/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)コレクターズ・エディション』収録

4.トゥームストーン・ブルース - Tombstone Blues – 3:34
1965年7月29日、『追憶のハイウェイ61』オルタネイト・テイク(Take 9 (7/29/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)デラックス・エディション』収録

5.親指トムのブルースのように - Just Like Tom Thumb's Blues – 5:42
1965年8月2日、『追憶のハイウェイ61』オルタネイト・テイク(Take 5 (8/02/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)コレクターズ・エディション』収録

6.廃墟の街 - Desolation Row – 11:44
1965年7月29日、『追憶のハイウェイ61』オルタネイト・テイク(Take 1(7/29/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)コレクターズ・エディション』収録

7.追憶のハイウェイ61 - Highway 61 Revisited – 3:38
1965年8月2日、『追憶のハイウェイ61』オルタネイト・テイク(Take 6 (8/02/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)コレクターズ・エディション』収録

8.ヒョウ皮のふちなし帽 - Leopard-Skin Pill-Box Hat – 6:23
1966年1月25日、『ブロンド・オン・ブロンド』オルタネイト・テイク(Take 1 (1/25/1966))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)コレクターズ・エディション』収録

9.メンフィス・ブルース・アゲイン - Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again – 5:44
1966年2月17日、『ブロンド・オン・ブロンド』オルタネイト・テイク(Take 5 (2/17/1966))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)デラックス・エディション』収録

10. ジョアンナのヴィジョン - Visions of Johanna – 6:36
1965年11月30日ニュー・ヨーク、ザ・ホークス(ザ・バンド)との録音、オルタネイト・テイク(Take 8(11/30/1965))
『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)デラックス・エディション』収録

11. やせぽっちのバラッド - Ballad of a Thin Man – 7:45
1966年5月20日エディンバラ、ABCシアター、ライブ

12. ライク・ア・ローリング・ストーン - Like a Rolling Stone – 8:12
1966年5月17日マンチェスター、フリー・トレード・ホール、ライブ、『ロイヤル・アルバート・ホール(ブートレッグ・シリーズ第4集)』収録

 ※『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)デラックス・エディション』収録曲はすべて『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)コレクターズ・エディション』にも収録されている。


 ディランのノーベル文学賞受賞騒ぎはなかなか面白いものでした。(いやまぁ、過去形にするにしてはまだ現在進行形の話ではありますが。)10/13に受賞が発表されてから二週間以上も沈黙していたディランも痛快だったし、10/29にやっと口を開いたら、いけしゃぁしゃぁと「この栄誉に大変感謝します」なんて言うのも痛快だった。挙句の果てにノーベル賞授賞式には「先約があるから出席しない」と来たもんだ。その上、授賞式から半年以内に行わなければ受賞が取り消されるという講演についても、いまだ定かなことは決まっていないと言うから、まぁ、ディランらしいといえばらしい話ではあります。最終的に受賞が取り消されても僕は驚かないよ。

 ディランが沈黙している間、自称ディラン・ファンたちがあれこれ言っていましたが、中々笑わせられるものがありました。「ディランがノーベル賞取ったんだから俺たちにだってチャンスは有る」とほざいた某邦楽ミュージシャンがいたのには呆れましたね。身の程を知れと言いたいです。お前なんかがディランの足元にも及ぶものかと。あと、某高須医院の院長が「反戦のシンボルだった歌手が爆弾製造会社創業者が作った賞を喜ぶわけがない」と言っていたのも開いた口が塞がらなかった。(この人は熊本地震の時にオスプレイの正当な評価をしたりして密かに評価していたんですが。)ノーベルは、正に、自分の発明が破壊行為に繋がったことを悔恨して、罪滅ぼしの意図で賞を設けることを遺言したのですけど、そう言った基本的な事項を知っていて言ったのでしょうか?。挙句、ディランが受賞を受け入れる態度を見せると「つまらん」とか言いだしたから余計呆れました。自分でかってに思い入れといて、その思い入れどおりにならないと相手を非難するとは。お前みたいなやつがジョンを殺したんだよ。

 いささかヒートアップしたようです。ノーベル賞設立の下りにもちょっと自己解釈があるが許せ。(いやまぁ某高須医院の院長に許してほしいとは思わんが。)僕が言いたかったのはつまり、ノーベル賞を受賞しようがしまいが、ディラン自身の価値は一ミリたりとも微動だにもしないという事。少なくとも、僕にとってはそうです。ピューリッツァー賞だろうが、ノーベル賞だろうが、ディランはディラン以外の何物でもないよ。

 と、まぁ、言っておいて、改めて言うのも何ですが、僕のこの日記では、ディランの歌詞には全然触れませんから。(^_^; 自分、英語さっぱりわかりませんし。歌詞カード読むのも億劫ですし。以前ちろっとだけ歌詞の解析したことあったけど、全然反響無かったし。あれやこれやで、「サウンドだけで聴くディラン評」を標榜している日記ですので。
 ノーベル賞の枕に誘われて、期待して読み始めた人がいたのなら、今すぐ引き返してくださいね。:-p)

 さて、本題に入りましょう。

 今現在この日記は、ディランがバンド・サウンドを採り入れ、絶好調の時にバイク事故を起こし、しばしの沈黙をしたところまでで立ち止まっています。
 この時期が重要だから、と言うよりは、重要とされているこの時期を、僕が全く咀嚼(そしゃく)できていないから、と言う事になります。なかなか情けない理由ですね。うるさい、ほっとけ(笑)。

 今回のCDはブートレッグ・シリーズの第7集として出されたもので、フツーのファンなら、第12集の『ザ・カッティング・エッジ』よりもとっくに先に聴いていてしかるべきものです。それを、今頃になって日記に書くのですから、相当へなちょこですね。うるさい、ほっとけ(笑)。

 このアルバムは、ディランがバイク事故を起こして停滞するまでの時期のアウトテイクを中心に収めています。“ウディに捧げる歌”だけは既存のスタジオ・アルバムからのマスター・テイクの流用ですが、なんでそんな中途半端なことするの!?。(^_^; あと、どんじりの“ライク・ア・ローリング・ストーン”は、同じブートレッグ・シリーズの第4集『ロイヤル・アルバート・ホール』の同じくどんじりの収められたものと同じ音源の流用です。なんでそんな中途半端なことするの!?。いやまぁ、「ユダ!」「お前らなんか信じない」事件を収めたかったからなんでしょうけど、それはもう、『ロイヤル・アルバート・ホール』で知っているから。(^_^;

 このアルバムは元々、同名のドキュメンタリー・フィルムのサウンドトラックとして発表されました。音で追うディラン史、みたいなとこなんですかね。僕はフィルムの方は衛星放送でちらっと見て「つまんねーな」と思っただけ(あくまで僕の主観です(^_^;)でしたが。このCDの音源が使用されているのかどうかも知んない(笑)。

 『カッティング・エッジ』が消化不良になっちゃったんで、この2枚組で口直しを、などと甘いことを考えたんですけど、やはり一筋縄ではいかないね、ディランは。それでも、こちらの方が気持ちよく聴けました。やはりこっちを先に聴いてなくちゃだったんだなぁ。

 『カッティング・エッジ・デラックス・エディション』では聴けない『コレクターズ・エディション』のものも幾つかこちらでは聴けるのが嬉しいですね。いやまぁ、あんま違い分からんこう聴いとるけど。(^_^;

 前半のフォーク期は「かったるいなぁ。やっぱりディランはバンドを従えてこそだよ」などと思っていたのですけれども、繰り返し聴いているうちに、何となく段々と良くなってきました。一曲目の未発表曲は、まぁ、さすがにプロになる前の楽曲だし、正直ショボいんですが(^_^;、三曲目の“わが祖国”になると、楽曲の良さもあり、なかなか聴かせます。僕はこの曲の原曲のウディ・ガスリー版は、ラジオでエアチェックしたのを聴いたことがあるんですけど、それはもっとテンポが速いものでした。スプリングスティーンも『ライヴ』で緩いテンポでカヴァーしていたけど、なんなんでしょうね、原曲のテンポだと軽すぎるんですかね?。

 その後は地味目の曲が続くんですが(ディラン研究家には貴重な音源なんだろうな(^_^;)、アップテンポな“サリー・ギャル”から、聴き応えが出てきます。『ザ・ブートレッグ・シリーズ第9集:ザ・ウィットマーク・デモ』にも後に収録される“くよくよするなよ”は、素朴な味わいながら、グッと来ます。やはり名曲は違うわ。“いつも悲しむ男”はややトーンダウンしますが、その後の名曲連荘ライヴが物凄い事になっています…!。
 ゆったりしたテンポで滋味深く奏される“風に吹かれて”、静かな怒気をはらむ“戦争の親玉”(いずれもまだ『フリーホイーリン』が発売される前のライヴです)、淡々とした中にも詩情を漂わせた“はげしい雨が降る”、レコーディングしたてで初々しく快活な“船が入ってくるとき”。

 ここでのディランの演奏は素晴らしいもので、「フォーク期のディランはちょっとなぁ」と思っている僕でも感銘を受けました。結局アレだよ、曲が良いかどうかなんだよな~。フォーク期のディランの作品がイマイチ(あくまで僕の主観です(^_^;)なのは、何曲かある名曲が、いくつもある駄曲(あくまで僕の主観です(^_^;)で薄められちゃっているから、感銘までも薄められちゃうんだよ。そーだ、そーだ、そー言うことにしておこう、僕の心の平穏のために。

 続く“ミスター・タンブリン・マン”は、旧いフォーク・シンガー、ジャック・エリオットとのデュエットです。最終的には『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』に再録音して収録されるのですが、この演奏も味わい深いです。ちなみにジャック・エリオット、84歳でまだ存命ですって…!。

 そして、またもやライヴの“自由の鐘”も、力強い演奏で素晴らしい。これに比すると、続くスタジオ・アウト・テイクの“イッツ・オール・オーヴァー・ナウ・ベイビー・ブルー”はおとなしく感じます。まぁ、多分、『カッティング・エッジ・デラックス・エディション』で聴き飽きたテイクだからかもな。

 そして、なんといってもこのアルバムでの白眉は、“マギーズ・ファーム”のラテン風味ライヴ・ヴァージョンでしょう!。ここでのディランはノリノリ!。そう、やっぱりディランはバンドを従えてこそだよ!。このライヴは本当に素晴らしいです!。音源引用できないのが残念!。みんな、CD買って聴こう!。僕のブログのリンクからね!(笑)。“マギーズ・ファーム”にはスタジオ・アウト・テイクがないので、苦肉の策でのライヴ収録だったのかもしれないけど、大正解だね!。この時の他のライヴ音源も聴いてみたい!。

 それに続くスタジオ・アウト・テイクは、やはりライヴに比べればちょっと地味に感じちゃうんだけど、じっくり聴けばどれも味わい深いです。『カッティング・エッジ・デラックス・エディション』では、マスター・テイクの印象を覆すような、アッというテイクも公表されていたけれども、こちらはややおとなし目かな。でもやっぱりバンドを従えたディランは快調ですね。

 ラストの二曲のライヴの内、“やせぽっちのバラッド”はつい最近まではここでしか聴けないものだったけど、例の、とんでもない36枚組のライヴ音源集には収録されてるんだろうな。(^_^; 金がありゃ、入手するんだがねェ。ストーンズのモノBOXもあるしねぇ。ちょっと手が出ねぇかな。もし買ったとしても持て余すだけだろうって?。うるさい、ほっとけ(笑)。36枚全部CDチェンジャーにセットして贅沢なBGMとして聴いたるわ!。(それじゃ駄目だろ(笑)。)

 “マギーズ・ファーム”の演奏に感心したので、これが演奏されたニューポート・フォーク・フェスティバルの音源を探してみたんですけど、断片的にしかCDになっていないみたいですね。ディランだけでまとめたCDはないみたい。それで、これかな?、というヴィデオ・ディスクを見つけたので、次回はそのヴィデオを「聴いて」みようと思います。

 あと、フォーク期のディランもちょっとだけ見直したので、その時期のブートレッグ・シリーズも入手して聴いてみようと思います。…早う『ジョン・ウェズリー・ハーディング』に行け言うて?。まぁ待てよ。のんびり行こうぜ。(^_^;
 
 
 
■ボブ・ディラン過去日記
16/09/01ロイヤル・アルバート・ホール (ブートレッグ・シリーズ第4集)
16/09/01ザ・カッティング・エッジ1965-1966 デラックス・エディション(ブートレッグ・シリーズ第12集)
16/08/27 フォールン・エンジェルズ
16/07/28 シャドウズ・イン・ザ・ナイト
16/05/31 ブロンド・オン・ブロンド
16/05/27 メランコリー・ムード
16/02/29 追憶のハイウェイ61
15/11/30 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム
15/08/29 アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン
15/05/31 時代は変わる
15/02/28 フリー・ホイーリン
14/11/27 ボブ・ディラン(1st)
14/08/27 サイド・トラックス
13/10/30 アナザー・セルフ・ポートレイト(ブートレッグ・シリーズ第10集)[スタンダード・エディション]



テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD聴く】ボブ・ディラン / ロイヤル・アルバート・ホール (ブートレッグ・シリーズ第4集) #BobDylan #RoyalAlbertHallConcert #Live1966 #TheBootlegSeriesVol4

ボブ・ディラン / ロイヤル・アルバート・ホール (ブートレッグ・シリーズ第4集)


All songs written by Bob Dylan except "Baby, Let Me Follow You Down" by Eric von Schmidt and arranged by Dylan.

ディスク:1
1. シー・ビロングズ・トゥ・ミー She Belongs To Me 3:27
2. フォース・タイム・アラウンド Fourth Time Around 4:37
3. ジョアンナのヴィジョン Visions Of Johanna 8:08
4. イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー It`s All Over Now, Baby Blue 5:45
5. 廃墟の街 Desolation Row 11:31
6. 女の如く Just Like A Woman 5:52
7. ミスター・タンブリン・マン Mr.Tambourine Man 8:52

ディスク:2
1. テル・ミー・ママ Tell Me,Momma 5:10
2. アイ・ドント・ビリーヴ・ユー I Don't Believe You(She Acts Like We Never Have Met) 6:07
3. 連れてってよ Baby, Let Me Follow You Down 3:46
4. 親指トムのブルースのように Just Like Tom Thumb`s Blues 6:50
5. ヒョウ皮のふちなし帽 Leopard-Skin Pill-Box Hat 4:50
6. いつもの朝に One Too Many Mornings 4:22
7. やせっぽちのバラッド Ballad Of A Thin Man 7:55
8. ライク・ア・ローリング・ストーン Like A Rolling Stone 8:01

Personnel

Bob Dylan – acoustic guitar, electric guitar, harmonica, piano on "Ballad of a Thin Man", vocals

The Hawks

Rick Danko – bass guitar, vocal
Garth Hudson – organ
Mickey Jones – drums
Richard Manuel – piano
Robbie Robertson – electric guitar

Recorded May 17, 1966

 さて、『ザ・カッティング・エッジ』を聴いたついでに、この時期のライヴ音源もチェックすることにしましょう。ブートレッグ・シリーズの第2弾(第1弾は『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』)として出された『ロイヤル・アルバート・ホール』です。実際はイギリス・マンチェスター、フリー・トレード・ホールでの収録なのですが、海賊盤で誤って(わざと?)アルバート・ホールとクレジットされて、それがそのまま広まってしまったため、それを踏襲と言う、実に皮肉の効いたものとなっています。
 名作『ブロンド・オン・ブロンド』を完成させ、意気揚々と行ったツアーからの音源。このツアーでは、旧来からの、「フォーク・シンガーとしてのディラン」を求めるファンと「新しく電気で強化されたロックなディラン」を支持するファンとの間で軋轢が有ったと言われています。
 それかあらぬか、二部構成のこのコンサートの前半では、生ギター一本(とハモニカ)の弾き語りとなっています。しかし、演る曲目は、『ブリンギング~』以降に発表された楽曲。それも、バンドを付けてサウンドを強化したはず楽曲がほとんどです。これらの楽曲をわざわざ生ギター一本でやり直す必要があったのか!?。ここでの演奏が悪いとは言いませんけど(むしろ良いと思いますけど)、ディランの姿勢として、疑問を感じます。「ちょっくら旧いファンをだまらせとくか」と言う思惑でもあったのでしょうか?。旧来のファンにおもねっているようで、なんとも複雑です。

 後半はザ・バンド(この時点ではホークス名義。またリヴォン・ヘルムは参加しておらず、ミッキー・ジョーンズという人がドラムスを叩いている)を従えての激しいロック・サウンドの演奏。この時点でのディランの本懐はこちらでしょう。僕は断然こちらを支持しますね。
 “テル・ミー・ママ”は全くの新曲で、これ以降もスタジオ・レコーディングは無い模様。爽快なロックン・ロールとなっています。
 以降、選曲的にはちょっと地味なんじゃないの、と言う感じですが、演奏そのものは申し分なし。ロックなディランを存分に聴かせます。
 “やせっぽちのバラッド”を演った後に客席から「ユダ!」という掛け声がかかりますが、これは、キリスト教圏の人たちの間では「裏切り者」と言う意味になるらしいです。従来のフォーク・ファンに対する裏切りということでしょうか。それに対して、ディランが、「お前たちなんか信じない(I Don't Believe You)」と、この日演った楽曲のタイトルで返しているのは彼なりの皮肉か。それに続けて「お前たちは嘘つきだ(You are liar)」と。これは曲名ではないですね。いっそ、そういう曲を作ればよかったと思いますが、そこまでの余裕はなかったか?。

 演奏内容よりもこの「ユダ!」「嘘つき!」の応酬のほうが話題になるこの日のコンサートですが、内容的にもしっかりしたものなので、まっさらな気持ちで聴いてみて欲しいと思います。

 このツアーの途中で(だったと思うんですが)、ディランはバイク事故を起こし、それを機にしばらくの沈黙をします。と言っても翌年末には次作のアルバムを出すんですけどね。
 その『ジョン・ウェズリー・ハーディング』について触れるのはもう少し先にして、次回以降も引き続きここまでのディランのキャリアを振り返る作品の日記を書いていこうと思います。



■ボブ・ディラン過去日記
16/09/01ザ・カッティング・エッジ1965-1966 デラックス・エディション(ブートレッグ・シリーズ第12集)
16/08/27 フォールン・エンジェルズ
16/07/28 シャドウズ・イン・ザ・ナイト
16/05/31 ブロンド・オン・ブロンド
16/05/27 メランコリー・ムード
16/02/29 追憶のハイウェイ61
15/11/30 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム
15/08/29 アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン
15/05/31 時代は変わる
15/02/28 フリー・ホイーリン
14/11/27 ボブ・ディラン(1st)
14/08/27 サイド・トラックス
13/10/30 アナザー・セルフ・ポートレイト(ブートレッグ・シリーズ第10集)[スタンダード・エディション]



テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD入手】ボブ・ディラン/ザ・カッティング・エッジ1965-1966 デラックス・エディション(ブートレッグ・シリーズ第12集) #BobDylan #TheCuttingEdge1965_1966 #TheBootlegSeriesVol12

ボブ・ディラン / ザ・カッティング・エッジ1965-1966 デラックス・エディション (ブートレッグ・シリーズ第12集)

Disc one (69:09)
1. ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット Love Minus Zero/No Limit Take 1, Breakdown 1:34
2. ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット Love Minus Zero/No Limit Take 2, Acoustic 3:11
3. ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット Love Minus Zero/No Limit Take 3 Remake, Complete 3:42
4. ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット Love Minus Zero/No Limit Take 1 Remake, Complete 2:43
5. アイル・キープ・イット・ウィズ・マイン I'll Keep it With Mine Take 1, Piano Demo †(『バイオグラフ』収録) 4:12
6. イッツ・オール・オーバー・ナウ、ベイビー・ブルー It's All Over Now, Baby Blue Take 1 †(『ノー・ディレクション・ホーム』収録) 3:34
7. ボブ・ディランの115番目の夢 Bob Dylan's 115th Dream Take 1, Fragment 0:26
8. ボブ・ディランの115番目の夢 Bob Dylan's 115th Dream Take 2, Complete 5:50
9. シー・ビロングズ・トゥ・ミー She Belongs to Me Take 1, Solo Acoustic 2:59
10.シー・ビロングズ・トゥ・ミー She Belongs to Me Take 2 Remake, Complete 3:21
11.シー・ビロングズ・トゥ・ミー She Belongs to Me Take 1 Remake, Complete 2:39
12. サブタレニアン・ホームシック・ブルース Subterranean Homesick Blues Take 1 †(『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』収録) 3:07
13. サブタレニアン・ホームシック・ブルース Subterranean Homesick Blues Take 1, Alternate Take 2:39
14. アウトロー・ブルース Outlaw Blues Take 1, Complete †(『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』収録) 2:17
15. アウトロー・ブルース Outlaw Blues Take 2, Alternate Version 3:30
16. オン・ザ・ロード・アゲイン On the Road Again Take 1, Complete 3:21
17. オン・ザ・ロード・アゲイン On the Road Again Take 4, Alternate Take 2:31
18. オン・ザ・ロード・アゲイン On the Road Again Take 1 Remake, Complete 2:31
19. オン・ザ・ロード・アゲイン On the Road Again Take 7 Remake, Complete 2:48
20. さらば、アンジェリーナ Farewell, Angelina Take 1, Solo Acoustic †(『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』収録) 5:28
21. 出ていくのなら If You Gotta Go, Go Now Take 1, Complete 2:54
22. 出ていくのなら If You Gotta Go, Go Now Take 2, Alternate Take 2:50
23. ユー・ドント・ハフ・トゥ・ドゥ・ザット You Don't Have to Do That Take 1, Solo Acoustic 0:48


Disc two (75:07)
1. カリフォルニア California Take 1, Solo Acoustic 3:06
2. イッツ・オールライト・マ It's Alright, Ma (I'm Only Bleeding) Take 1, False Start 1:10
3. ミスター・タンブリン・マン Mr. Tambourine Man Takes 1 and 2, False Starts 1:52
4. ミスター・タンブリン・マン Mr. Tambourine Man Take 3 with Band, Incomplete 3:23
5. 悲しみは果てしなく It Takes a Lot to Laugh, it Takes a Train to Cry Take 1, Complete 2:40
6. 悲しみは果てしなく It Takes a Lot to Laugh, it Takes a Train to Cry Take 8, Alternate Version 3:29
7. 悲しみは果てしなく It Takes a Lot to Laugh, it Takes a Train to Cry Take 3, Incomplete 3:13
8. 悲しみは果てしなく It Takes a Lot to Laugh, it Takes a Train to Cry Take 3 Remake, Complete 3:42
9. 有刺鉄線の上で Sitting on a Barbed Wire Fence Take 2 4:00
10. トゥームストーン・ブルース Tombstone Blues Take 1, Alternate Take 7:29
11. トゥームストーン・ブルース Tombstone Blues Take 9 †(『ノー・ディレクション・ホーム』収録) 3:27
12. 寂しき4番街 Positively 4th Street Takes 1, 2 and 3, False Starts 0:56
13. 寂しき4番街 Positively 4th Street Take 4, Complete 4:24
14. 寂しき4番街 Positively 4th Street Take 5, Alternate Take 4:24
15. 廃墟の街 Desolation Row Take 1, Alternate Take 11:17
16. 廃墟の街 Desolation Row Take 2, Piano Demo 2:01
17. 廃墟の街 Desolation Row Take 5 Remake, Complete 10:51
18. ビュイック6型の想い出 From a Buick 6 Take 1, False Start 0:23
19. ビュイック6型の想い出 From a Buick 6 Take 4 †(『追憶のハイウェイ61』初回プレス盤) 3:10


Disc three (65:21)
1. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Takes 1, 2 and 3, Rehearsal 5:48
2. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 4, Rehearsal 1:39
3. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 5, Rehearsal 2:17
4. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Rehearsal Remake 2:33
5. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 1 Remake, Rehearsal 1:57
6. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Takes 2 and 3 Remakes, Rehearsal 0:35
7. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 4 Remake †(『追憶のハイウェイ61』) 6:28
8. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 5 Remake, Rehearsal 1:54
9. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 6 Remake, False Start 0:21
10. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 8 Remake, Breakdown 4:18
11. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Takes 9 and 10 Remake, False Starts 0:35
12. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 11, Alternate Take 5:57
13. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 12 Remake, False Start 0:10
14. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 13 Remake, Breakdown 1:36
15. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 14 Remake, False Start 0:23
16. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Take 15 Remake, Breakdown 3:08
17. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Master Take, Guitar 6:25
18. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Master Take, Vocals and Guitar 6:25
19. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Master Take, Piano and Bass 6:25
20. ライク・ア・ローリング・ストーン Like a Rolling Stone Master Take, Drums and Organ 6:27


Disc four (68:12)
1. 窓からはい出せ Can You Please Crawl Out Your Window? Take 1, Alternate Take 4:39
2. 窓からはい出せ Can You Please Crawl Out Your Window? Take 17 †(シングル『寂しき4番街』初回プレス盤) 4:01
3. 追憶のハイウェイ61 Highway 61 Revisited Take 3, Alternate Take 3:30
4. 追憶のハイウェイ61 Highway 61 Revisited Take 5, Complete 3:40
5. 追憶のハイウェイ61 Highway 61 Revisited Take 7, False Start 0:33
6. 親指トムのブルースのように Just Like Tom Thumb's BluesTake 1, Breakdown 1:09
7. 親指トムのブルースのように Just Like Tom Thumb's BluesTake 3, Rehearsal 5:39
8. 親指トムのブルースのように Just Like Tom Thumb's BluesTake 13, Complete 5:29
9. クイーン・ジェーン Queen Jane Approximately Take 2, Complete 5:19
10.クイーン・ジェーン Queen Jane Approximately Take 5, Alternate Take 5:02
11. やせっぽちのバラッド Ballad of a Thin Man Take 2, Breakdown 3:53
12. メディシン・サンデー Medicine Sunday Take 1 1:02
13. ジェット・パイロット Jet Pilot Take 1 †(『バイオグラフ』収録) 1:27
14. アイ・ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー I Wanna Be Your Lover Take 1, Fragment 1:07
15. アイ・ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー I Wanna Be Your Lover Take 6, Complete 3:30
16. インストゥルメンタル Instrumental Take 2, Complete 4:03
17. 窓からはい出せ Can You Please Crawl Out Your Window Take 6, Complete 3:48
18. ジョアンナのヴィジョン Visions of Johanna Take 1, Rehearsal 1:43
19. ジョアンナのヴィジョン Visions of Johanna Take 5, Rehearsal 7:38


Disc five (75:54)
1. ジョアンナのヴィジョン Visions of Johanna Take 7, Complete 9:08
2. ジョアンナのヴィジョン Visions of Johanna Take 8 †(『ノー・ディレクション・ホーム』収録) 7:05
3. ジョアンナのヴィジョン Visions of Johanna Take 14, Complete 7:32
4. シーズ・ユア・ラヴァー・ナウ She's Your Lover Now Take 1, Breakdown 3:02
5. シーズ・ユア・ラヴァー・ナウ She's Your Lover Now Take 6, Rehearsal 4:59
6. シーズ・ユア・ラヴァー・ナウ She's Your Lover Now Take 15 †(『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』収録) 6:24
7. シーズ・ユア・ラヴァー・ナウ She's Your Lover Now Take 16, Complete 8:27
8. スーナー・オア・レイター One of Us Must Know (Sooner or Later) Take 2, Rehearsal 2:16
9. スーナー・オア・レイター One of Us Must Know (Sooner or Later) Take 4, Rehearsal 1:54
10.スーナー・オア・レイター One of Us Must Know (Sooner or Later) Take 19, Alternate Take 5:11
11. ルナティック・プリンセス Lunatic Princess Take 1 1:20
12. フォース・タイム・アラウンド 4th Time Around Take 11, Complete 4:26
13. ヒョウ皮のふちなし帽 Leopard-Skin Pill-Box Hat Take 3, Complete 4:27
14. ヒョウ皮のふちなし帽 Leopard-Skin Pill-Box Hat Take 8, Alternate Take 3:26
15. 雨の日の女 Rainy Day Women #12 & 35 Take 1, Rehearsal and Finished Track 6:17


Disc six (75:09)
1. メンフィス・ブルース・アゲイン Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again Take 1, Rehearsal 3:23
2. メンフィス・ブルース・アゲイン Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again Rehearsal 4:54
3. メンフィス・ブルース・アゲイン Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again Take 5 †(『ノー・ディレクション・ホーム』収録) 5:52
4. メンフィス・ブルース・アゲイン Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again Take 13, Alternate Take 4:09
5. メンフィス・ブルース・アゲイン Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again Take 14, Complete 7:04
6. アブソリュートリー・スイート・マリー Absolutely Sweet Marie Take 1, Alternate Take 5:02
7. 女の如く Just Like a Woman Take 1, Complete 4:32
8. 女の如く Just Like a Woman Take 4, Alternate Take 5:20
9. 女の如く Just Like a Woman Take 8, Complete 5:22
10. プレッジング・マイ・タイム Pledging My Time Take 1, Alternate Take 3:26
11. 我が道を行く Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine Take 1, Complete 3:38
12. 時にはアキレスのように Temporary Like Achilles Take 3, Complete 5:43
13. 5人の信者達 Obviously Five Believers Take 3, Complete 3:47
14. アイ・ウォント・ユー I Want You Take 4, Alternate Take 2:52
15. ローランドの悲しい目の乙女 Sad Eyed Lady of the Lowlands Take 1, Complete 10:06
Total length:418:27

† Previously released.

Personnel

Bob Dylan — vocals, guitar, piano, harmonica
Mike Bloomfield, Al Gorgoni, John Hammond, Jr.,
Jerry Kennedy, Bruce Langhorne, Charlie McCoy,
Wayne Moss, Kenny Rankin, Robbie Robertson — guitars
Joe South — guitar, bass
Paul Griffin— piano, electric piano, organ
Al Kooper — organ, electric piano, celeste
Frank Owens — piano, electric piano
Richard Manuel, Hargus "Pig" Robbins — piano
Garth Hudson — organ
John Sebastian — bass, harmonica
John Boone, Harvey Brooks, Rick Danko,
Joseph Macho, Jr., Russ Savakus, Henry Strzelecki — bass
Kenny Buttrey, Bobby Gregg, Levon Helm, Sandy Konikoff,
Sam Lay — drums
Angeline Butler — backing vocals on
"If You Gotta Go, Go Now" take two

 このCDが発売されるときにmixiのマイミクのRさんとこんな会話をしました。
 僕「Rさんが18枚組のコレクターズ・エディションを入手したらみんなで回し聴きしましょうよ。」
 Rさん「もしコレクターズ・エディションを入手出来たとしても、『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』『追憶のハイウェイ61』『ブロンド・オン・ブロンド』の全曲を空で歌えるくらいの人でないと聴かせない!。」
 まったく、今になってこの時のRさんの言葉が身にしみてきます。今回僕が買ったのは6枚組のデラックス・エディションですが、とうてい僕ごときの歯が立つものではありませんでした。全く消化不良な状態でこの日記を書いているのを告白せねばなりません。全曲について触れることが出来ないことはもちろん、書かれていることは「解説」ではなく「雑感」にすぎません。資料的価値は皆無なのです。(もっとも、僕は元々音楽日記では、資料的なことを書き連ねて知ったかぶりをするようなことは避けるようにしているのではありますけど。あくまで音楽を聴いた感想を書き連ねています。まぁ、それでいったい誰が得をするの?、と言う話なんですがね。)

 この『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 (ブートレッグ・シリーズ第12集)』は、ディランがフォーク・ギター一本の弾き語りから脱却し、バンドを従え始めた、俗に言うフォーク・ロック(ディラン自身はこの言い方は気に入っていないようだが便宜上使わせてもらう)期の三枚『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』『追憶のハイウェイ61』『ブロンド・オン・ブロンド』からのアウト・テイクが扱われています。
 これには三つのエディションが有って、
 2枚組の『ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ1965-1966』、
 6枚組の『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 デラックス・エディション』、
 18枚組の『ザ・カッティング・エッジ1965-1966 ウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション』
 となっています。『~コレクターズ・エディション』は、レコーディングされた音源のうち現存するものがすべて網羅された、まさしくコレクター垂涎のものであり、指定Webの通信販売でのみ入手可能な5,000セットの限定盤(もちろん発売と同時に即売り切れ、現在は入手困難)。

 18枚組コレクターズ・エディション曲目表

 コレクターズ・エディションは18枚組のヴォリュームなんだけど、「たった18枚分でこれらの名盤が3枚も出来たのか…!」という感が強いですね。18枚目はホテルなどでのプライヴェート録音のデモのようなので、実際は17枚足らずと言う事になります。これが同時期のビートルズなら、アルバム3枚どころか、1曲仕上げるのにこれくらい掛かりそう。この時期のディランがいかに神がかっていたかが分かろうというものです。

 ファンなら、18枚組をなんとか手に入れたいものですが、経済的な要因も有って、僕は手が出ませんでした。(もし手を出せたとしても、持て余しただけだったでしょう。)ですが、簡略版である6枚組(簡略版でも6枚だって!?)も捨てたものではありません。同盤の解説の序文を書いているベン・ロリンズはこう書いています。
 「テイクについては、曲のトラックごとの変化、日ごとの変化を示すものを選んで収めてある。」
 つまり、美味しいとこどりをしてあるよ、ということでしょう。

 “ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット”で、このテイクの遷移を見てみましょう。「Take 1, Breakdown」「Take 2, Acoustic」は、全くのギター一本による弾き語り。「Take 3 Remake, Complete」では、ベースと、控えめな電気ギターのオブリガードが入っています。「Take 1 Remake, Complete」ではさらにドラムスが入り、躍動感が増しています。マスターとなったのは「Take 2 Remake」で、「Take 1 Remake, Complete」とほぼ同じ編成ですが、各楽器がオン気味にミックスされています。(ミックスの違いは演奏の差異とは異なるが、僕の耳ではこの程度の聞き取りしか出来ないという事で許されたい。)
 すべての収録曲がこのパターンというわけではないですが(『追憶~』以降のセッションではギター弾き語りのパートは殆ど無い)、典型的な例として挙げてみました。

 ところで、ものすごく恥ずかしい告白なんだけど、このCDを聴いて初めて、“ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット”ってこんなに良い曲なんだ!、と、気付いたです。『ブリンギング~』では、名曲名演の“マギーズ・ファーム”の後に収録されているので、影が薄く感じていたのです。このCDではいきなりこの曲から始まるので、曲の良さが素直に伝わってきました。
 そういえば、“マギーズ・ファーム”はこのCDには収録されていません。「この名曲のオルタネイト・テイクを入れないなんて!」と最初は憤慨しましたが、調べてみてわかりました。この曲はワン・テイクでいきなり完成しているのです。オルタネイト・テイクは出しようがなかったわけですね。『ブリンギング~』では大体、最初は生ギターの弾き語りから曲を仕上げていっているのだけれども、この曲は例外で、いきなりバンドを従えて仕上げています。霊感が降りてきたのでしょうか?。名曲“サブタレニアン・ホームシック・ブルース”を仕上げた後“オン・ザ・ロード・アゲイン”を録っている合間に完成させているのですが、“サブタレニアン~”の仕上がりに気を良くして勢いで仕上げたのかもしれないですね。

 さて、遅くなったけど、、このデラックス・エディションの内訳を見てみましょう。
 『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』ディスク1~ディスク2の4.まで
 『追憶のハイウェイ61』ディスク2の5.からディスク4の11.まで。
 『ブロンド・オン・ブロンド』ディスク4の12.からディスク6まで。

 ちなみにコレクターズ・エディションでは
 『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』ディスク1~ディスク3の4.まで
 『追憶のハイウェイ61』ディスク3の5.からディスク8の14.まで。
 『ブロンド・オン・ブロンド』ディスク8の15.からディスク17まで。
 アルバムを追うごとに時間をかけて行っている様子がわかります。まぁ、その結果『ブロンド・オン・ブロンド』は一枚で収まりきらなくなり、アナログでは二枚組で出されることになったわけですが。

 このエディションの目玉の一つであるディスク3は、まるごと“ライク・ア・ローリング・ストーン”のセッションとなっています。これは、同曲のセッションの現存音源をすべて収めてあるもの。これを聴くと、ディランが一曲を仕上げるのに、どのように始めてどのように仕上げたかがわかると言う訳。(実際はそんな単純なものではなかったでしょうが。)
 まず、この時期のディランは歌入れと伴奏収録とを一緒にやっていたことがわかります。いまではオケを先につくって後から歌入れをするのが一般的ですが、少なくともこの時期のディランは、一発録りでテイクを仕上げていっていたのですね。
 この曲が元々は3拍子だったというのは、「Take 4, Rehearsal」が部分的に『ブートレッグ・シリーズ第1~3集』(1991)で発表された時に衝撃を持って受け止められたものでした。ただ、その時「この曲が元々ワルツだった云々」と言う言い方をする人がいたのですが、3拍子だからと言って何でもかでも「ワルツ」と称したがるのはいかがなものでしょうか。まぁ、良いか。そういうことを言う人は多分この曲でワルツが踊れるのでしょう。僕の知ったこっちゃないです。ここまでは1965年6月15日に行われており、アル・クーパーは参加していません。
 トラック4の「Rehearsal Remake」からは翌日16日の録音で、4拍子となり、現在僕達が知っている姿が現れます。アル・クーパーは、この次の「Take 1 Remake, Rehearsal」からオルガン奏者として参加。そして、トラック7の「Take 4 Remake」で早くも最終的なマスターと成るテイクをものにしているのだけれども、ディランはさらに録音を続けている!。このテイクでは飽きたらなかったのでしょう。恐るべき探究心。マスター・テイクまでより、その後の試行錯誤のほうが時間がかかっているくらいです。テンポを上げて挑んでいくのですが、最終的に「Take 4 Remake」がマスターに選ばれます。それ以降の試行錯誤は無駄だったのかどうか…。それは神のみぞ知る、でしょう。少なくとも我々は、その試行錯誤を興味深く聴くことが出来るのだから僥倖と言うべきでしょう。
 トラック17以降はマスターとなった「Take 4 Remake」の音声トラックごとの収録。これはまぁ、多分時間が余ったんで入れたんでしょ。興味深くはあるが、面白さはそれなり。

 このデラックス・エディションでは、時系列を重視しながらも、基本的に楽曲ごとにまとめて収録してあります。なので、厳密に時系列にすると楽曲の順番が入り乱れるところを、聴きやすく編集されていることになります。これは賛否あるところでしょうが、ブックレットに詳細な録音日付が記されているので、まぁ、許容範囲じゃないでしょうか。

 これは僕が文句をつけるようなことじゃないかもしれないけど、“ボブ・ディランの115番目の夢”についての解説で、解説者(クレジットがないので誰なのかよくわからない)が、「本作によってある事実が明らかになった。笑いが起きたのはアコースティック・ヴァージョンの録音をした時だったのだ」と、したり顔で書いているのだけれども、それって、みんな知ってることじゃないのかなぁ!?。『ブリンギング~』に実際に収められたテイクを聴けば誰でもわかることですが、この曲の冒頭でディランとプロデューサーが吹き出してしまうのは、イントロが終わって、ディランが数行歌い始めた後。ここまでは完全生ギターのみの演奏なのです。そして再スタートする演奏では、冒頭の歌に入る前からバンドが加わっているので、基本的に違う方針で録られたテイクであることがわかるのです。そう、誰にでもわかることなのです。殆どのディラン・ファンはそのことを確信していたでしょう。なのにこの解説者ときたら、鬼の首を取ったかのように喜々として解説しているのですから…。いや、まったく。

 “アウトロー・ブルース Take 2, Alternate Version”の出だしのハードなギターの音色にはドキッとさせられますね。

 “ジョアンナのヴィジョン”は、ここではザ・バンド(当時はホークス名義)の面々と録音しており、そこから、「Take 5, Rehearsal」のような激しいリズムのテイクが誕生しています。しかし、この演奏はディランのお気に召さなかったようで、このロックなヴァージョンは封印され、後に落ち着いたテンポのマスター・ヴァージョンが録り直されることになります。

 “女の如く”のトラックも面白いです。「Take 1」では歌詞をうろ覚えながらも完奏する様子が見れるし、「Take 4, Alternate Take」では陽気なリズムで、全く違った表情を聴かせています。

 “我が道を行く”は1テイクだけ。この名曲をこの扱いはどうなんだろう。コレクターズ・エディションの曲目を見る限りでは少なくとも6テイクは録られたようですが、その他の4テイクは断片的な録音だったようで、改めて収録する程ではなかったのかもしれません。しかしそれにしても、と、思ってしまうんですが…。

 “ローランドの悲しい目の乙女”がこの位置なのはこじつけ臭いですね。『ブロンド~』でラストに収録されているから呼応させたのでしょうが、素直に“アイ・ウォント・ユー”で終わらせてよかったのではないでしょうか。実際の録音順ではこの曲は“雨の日の女”の後に置かれるべきものです。

 と、脈絡なく書き連ねてきましたが、正直手こずりましたね。いくつかある興味深い未発表曲には全く触れられませんでした…。orz それに本来月末までに書き終える予定が、今はもう秋~(笑)。9月になってしまいました。これから、日記に上げたCDを収めて、新たに9月用のCDをセットして…。あぁ、忙しい。明日(と言うか今日だが)起きれるんだろうか。(^_^; あっ、てか、もう一枚(二枚組だが)書かなきゃいけないものがあるのを思い出した!。こりゃ今日は徹夜だ…。



■ボブ・ディラン過去日記
16/08/27 フォールン・エンジェルズ
16/07/28 シャドウズ・イン・ザ・ナイト
16/05/31 ブロンド・オン・ブロンド
16/05/27 メランコリー・ムード
16/02/29 追憶のハイウェイ61
15/11/30 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム
15/08/29 アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン
15/05/31 時代は変わる
15/02/28 フリー・ホイーリン
14/11/27 ボブ・ディラン(1st)
14/08/27 サイド・トラックス
13/10/30 アナザー・セルフ・ポートレイト(ブートレッグ・シリーズ第10集)[スタンダード・エディション]



テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽

【CD入手】ボブ・ディラン / フォールン・エンジェルズ #BobDylan #FallenAngels

ボブ・ディラン / フォールン・エンジェルズ

1. ヤング・アット・ハート Young at Heart (Johnny Richards, Carolyn Leigh) 2:59
2. メイビー・ユール・ビー・ゼア Maybe You’ll Be There (Rube Bloom, Sammy Gallop) 2:56
3. ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス Polka Dots and Moonbeams (Jimmy Van Heusen, Johnny Burke) 3:20
4. オール・ザ・ウェイ All the Way (Van Heusen, Sammy Cahn) 4:01
5. スカイラーク Skylark (Hoagy Carmichael, Johnny Mercer) 2:56
6. ネヴァザレス Nevertheless (Harry Ruby, Bert Kalmar) 3:27
7. オール・オア・ナッシング・アット・オール All or Nothing at All (Arthur Altman, Jack Lawrence) 3:04
8. オン・ア・リトル・ストリート・イン・シンガポール On a Little Street in Singapore (Peter DeRose, Billy Hill) 2:15
9. イット・ハド・トゥ・ビー・ユー It Had to Be You (Isham Jones, Gus Kahn) 3:39
10. メランコリー・ムード Melancholy Mood (Walter Schumann, Vick R. Knight, Sr.) 2:53
11. ザット・オールド・ブラック・マジック That Old Black Magic (Harold Arlen, Mercer) 3:04
12. カム・レイン・オア・カム・シャイン Come Rain or Come Shine (Harold Arlen, Mercer) 2:37

Personnel

Bob Dylan - vocals

with:
Charlie Sexton - guitar
Stu Kimball - guitar
Dean Parks - guitar
Donnie Herron - steel guitar, viola
Tony Garnier - bass
George Recile - drums

additional personnel:
James Harper - horn arrangements/conducting

Released May 20, 2016
Recorded February 2015-March 2016


 前作『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』の姉妹版。
 『シャドウズ~』が「シナトラを歌う」だったのが、今作はシナトラにこだわらず広くスタンダードを採り上げてみたらしい。しかし、シナトラにもスタンダードにも不案内な僕にとっては、どちらも同じような内容に聴こえます。
 一説には前作収録時に二枚分収録していたと言われていたのだけれども、英語版ウィキペディアを見ると、こちらは前作発表後に新録したもののようです。
 いずれにせよ雰囲気はどちらもよく似ています。敢えて言えばこちらのほうがちょっとテンポが速めの曲が1、2曲混じっているくらいでしょうか。

 なので、感想としては前作と同じことを書いて終わりにしたいのですが、なかなかそういう安直なことをやるには小心者なので、こちゃこちゃと書き連ねて見るわけであります。しかしさて、前作の時は何を書いたかなっと、ちょっと過去の日記を振り返ってみる。情けないことに、自分がなにを書いたか覚えていないわけです。
 で、見てみると、ものの見事に褒めていない(笑)。最後に無理矢理っぽく良い感じの文章をくっつけて褒めたふりしているが、全く褒めていない(笑)。いやはや、なにしろ、スタンダード曲集だというのに、そういうのにありがちな(と言うか、有って欲しいと言うべきか)「名旋律満載感」は、一切無い訳で、やってくれるな、ロバートの旦那、と言う感じなのです。

 まぁ、言ってみれば、「名人の余技」と言ったところでしょうか。スタンダードを滋味深く歌っているのですが、「滋味」を「地味」と言い換えたいくらい。ほんまにまじめに演っとるんかいな、と言うのが偽らざる感想。渋すぎるだろ、ディラン。(^_^;

 前作が「シナトラを歌う」だったくらいなので、これらの曲は、ジャズでもとりあげられる曲が多めに混じっていると思います。が、ディランはジャズの文脈でこれらの楽曲を料理すると言うような事は一切していません。割と陥(おちい)りがちな罠だと思うのだけど、表面的にジャズをなぞってカッコつけるというような事はしていないわけです。そういうふうにジャズにおもねりたがるポピュラー・ミュージシャンというのは結構いて、あるいはもしかしたら、ディランが批判したロッドの『グレイト・アメリカン・ソング・ブック』シリーズはそう言ったたぐいのものなのかもしれません。いやまぁ、ロッドの方は全然聴いてないから断定しちゃいけないんですけど。でももしそうだとしたら、ディランのやりたい事と言うのが見えてくるような気がします。
 前作、今作と、一発録りのノー・ダビングなんですけど、これは黄金時代のジャズでは当たり前だった録音方法です。まぁ、ディランの場合、元々そう言う録り方を好んでいたというのが、近作のブートレグ・シリーズでも明かされていたりするので、ジャズと関連付けるのはこじつけなのかもしれないけど。
 つまり、表層的なスタイルとしてではなく、精神的に深い部分でジャズへの敬意を示してみたのではないでしょうか。
 もちろん、今回の作品についてディラン自身はそういったたぐいのことは一切言っていないので、全く僕の憶測にすぎないのだけれども。
 でも、これらの「歌」を再生させようとしただけにしては、今回の作品群は随分と素朴すぎるという気がします。やはりジャズに対しての抑えがたい思慕みたいなのが有ったんじゃないでしょうか。

 このぐらい書いた当たりで頭ン中がショートしかかってきたので、もう少し下世話な内容に変えます。
 これらの作品群はEP盤で出た『メランコリー・ムード』のような4曲いりぐらいが丁度良いのかなと言う気がしてます。
 と言うのも、このフル・アルバムを聴いて一番印象に残るのが、EP『メランコリー・ムード』からの曲が三連荘で掛かるラストの3曲だからです。これはもちろん、事前にEP『メランコリー~』を何度も聴いていて刷り込みされていたからなのですが。EP『メランコリー~』からはもう一曲“オール・オア・ナッシング・アット・オール”も収録されているのですが、他の3曲から離れて収録されているせいか、あまり印象に残りません。まぁ、例のごとく僕がへなちょこなだけなんでしょうが。(^_^;
 アルバムの一番盛り上がる(なのかな?)ラスト3曲をEP『メランコリー~』で先に聴かせていたというのは、これは、狙っていたね?。そうだろう、ロバート?。

 まぁ、ディランも多分そこら辺のことは考えていて、前作が35分ちょい、今作が38分足らずで終わってしまってます。2in1にしても良かったくらい。でも連続して80分近くもこれらの曲を垂れ流すのはふさわしくないと感じたのでしょう。まぁ、個人的には前述のとおり、4曲入りEPくらいの企画盤がちょうどよかったという気がしますけどねぇ。二枚も続けて出すのは…。以前も似たようなことやっていたよね、ボブ。(『グッド・アズ・アイ・ビーン・トゥ・ユー』(1992年)、『奇妙な世界に』(1993年)。)まさか、このあと、スタンダードを集めたライヴ盤とか出さないよね?。(^_^;
 
 
 
 
■ボブ・ディラン過去日記
16/07/28 シャドウズ・イン・ザ・ナイト
16/05/31 ブロンド・オン・ブロンド
16/05/27 メランコリー・ムード
16/02/29 追憶のハイウェイ61
15/11/30 ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム
15/08/29 アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン
15/05/31 時代は変わる
15/02/28 フリー・ホイーリン
14/11/27 ボブ・ディラン(1st)
14/08/27 サイド・トラックス
13/10/30 アナザー・セルフ・ポートレイト(ブートレッグ・シリーズ第10集)[スタンダード・エディション]



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ジャンル : 音楽

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 音楽好きの禿オヤジです。戦闘機もすき。♀アイドルも好き。そんな私です。

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