【CD聴く】ジョン・コルトレーン / ラッシュ・ライフ - from コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス #JohnColtrane #LushLife #Soultrane

■目次
●基本情報(ジャケット画像、曲目など)
●Youtube音源引用
●美しいバラード集
●「運命の1957年7月の神の啓示」
●次回の日記の予告など

 
●基本情報(ジャケット画像、曲目など)
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ジョン・コルトレーン / ラッシュ・ライフ

Lush Life / John Coltrane
1. Like Someone In Love (Jimmy Van Heusen) 5:00
2. I Love You (Cole Porter) 5:33
3. Trane's Slow Blues (Coltrane) 6:05

4. Lush Life (Billy Strayhorn) 14:00
5. I Hear A Rhapsody (Jack Baker, George Fragos, Dick Gasparre) 6:01

Tracks 1-3
John Coltrane – tenor saxophone
Earl May – bass
Art Taylor – drums

Tracks 4-5
John Coltrane – tenor saxophone
Red Garland – piano
Paul Chambers – bass
Donald Byrd – trumpet (track 4)
Louis Hayes – drums (track 4)
Albert Heath – drums (track 5)

Released Mid January 1961
Recorded May 31, 1957 (#5)
August 16, 1957 (#1-3)
January 10, 1958 (#4)

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●Youtube音源引用

Lush Life / John Coltrane


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●美しいバラード集

 ジョン・コルトレーン初のバラード集。と言っても全編スローなわけではないですが。
 タイトル曲以外は、まだ初ソロ・リーダー・アルバム『コルトレーン』(1957年後半発表)が発表される前の吹き込みです。
 全体的にゆったりした曲が多いので、途中で聴き飽きるかと思えば、あに図らんや。最後までウットリと聴き惚れてしまいます。
 ことに冒頭の“ライク・サムワン・イン・ラヴ”がとても美しい。出だしはコルトレーンのテナー・サックスのみなのですが、これが実にじっくりと聴かせます。すぐにベースが入ってきますが、メインはあくまで、テナー・サックスのコルトレーン。後半に密やかにドラムスが入ってくるものの、ベース同様、コルトレーンの邪魔をすることはなく主役を引き立てます。結果、これでもかというくらいコルトレーンのサックスが堪能できる一曲となっています。
 アナログでのA面にあたる3曲はピアノ抜きのトリオ編成。この編成が功を奏したのか、コルトレーンは実にのびのびとした吹奏を聴かせています。一曲目から三曲目に向かってゆったりとテンポが上がっていくのもうまい構成。
 ではピアノ入りのB面は劣るのかと言うと、そんなことはないです。
 14分に及ぶタイトル曲もまったくゆるむ所なしに聴けますし、このアルバムで最もテンポの速い“I Hear A Rhapsody”も心地よい締めくくりになっています。
 なお、タイトル曲だけ、コルトレーン以外のホーン奏者(トランペットのドナルド・バード)が入っているのですが、あまりにもひっそりとした演奏なので、最初は気づきませんでした。(^_^; レッド・ガーランドのピアノソロの後、9:46からソロをとっていますね。コルトレーンの形作った世界観をくずすことのない、わきまえたソロだと思います。

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●「運命の1957年7月の神の啓示」

 さて、僕のコルトレーン日記では、もうやかましいくらいに「運命の1957年7月のファイヴ・スポットの啓示」の話を引用しています。実は、このアルバムの大半の吹込みは、その日を過ぎてから初めてのレコーディングです。なので、その日のことについて少し説明しておきましょう。
 コルトレーンは1957年までマイルス・デイヴィス(トランペット)の楽団に所属していましたが、諸々あって、いったん退団します。そして、バップの高僧ことセロニアス・モンク(ピアノ)のもとに転がり込み、教えを受けるようになります。もちろん、モンクとの共演も数多く(おそらくは)行ったのですが、今日音源として残されているものはさほど多くはありません。
 モンクとは連日、ファイヴ・スポットと言うライヴ・ハウスで共演を続けていました。そして7月のある日、コルトレーンは「神から啓示を受け」、その奏法はより進化したと言います。いわく、それまではどことなくぎこちなかった演奏が、この時からは自信に満ちたものに変わったと。そして、更に1958年には、コルトレーンの代名詞となる、空間に音を敷き詰める、いわゆる「シーツ・オブ・サウンド」が1958年に音楽評論家のアイラ・ギトラーによって命名されます。…とまぁ、賢しげに書きましたが、ほとんど日本語ウィキペディアからの引き写しですからね、念のため(笑)。
 このアルバムでは、ラストの“I Hear A Rhapsody”(アルバム『コルトレーン』と同じ日の録音)以外がすべて「啓示後」の録音となっています。残念ながら僕には両者の違いは聴き分けられないのですが、耳のいい人にはわかるようです。
 この「運命の啓示の日」そのものの録音は残されていない(多分)のですが、その約4ヶ月後の11月にカーネギー・ホールで行ったモンクとのライヴ音源が存在します。この日記でもいずれ取り上げるつもり(まだ未所持ですが)でいます。

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●次回の日記の予告など

 アルバム『ラッシュ・ライフ』、「運命の啓示の日」以降に初めて吹き込まれたこれらの音源が、ゆったりした曲が多いのはなにか意味があるのかどうか?。なんとも言えないですが、聴いていて心地よいのは確かです。「ジャズの巨人」としてのコルトレーンの新しい第一歩を記した貴重な音源ではあるのですが、肩肘張らずに親しめる作品と言えるでしょう。
 さて、次回のコルトレーン日記は、というか、モンクと共演したスタジオ音源を採り上げるのでモンク日記でもあるのですが、時期的には「運命の啓示の日」より少しさかのぼります。色々な録音日時を勘案してこうなっちゃったので、どうか皆様、ご容赦を。(^_^; その代り音源の内容は保証したしますよ。それに付随する僕の与太話は相変わらずですが(笑)。
 それではいつものように、あまり期待せず楽しみにしてお待ち下さい。(^^ゞ

コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス/ジョン・コルトレーン
コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)/ジョン・コルトレーン

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■ジョン・コルトレーン日記




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【CD聴く】ジョン・コルトレーン / コルトレーン(1957) - from コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス #JohnColtrane #Coltrane #Coltrane1957

■目次
●基本情報(ジャケット写真、曲目など)
●Youtube音源
●2in1はもうやめた
●初リーダー作
●コルトレーンの聴き分けがしやすい好盤
●各曲の印象
●コートにすみれを
●次回予告
■ジョン・コルトレーン日記

 
●基本情報(ジャケット写真、曲目など)

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ジョン・コルトレーン / コルトレーン(1957)

Coltrane(1957) / John Coltrane
1. Bakai (Calvin Massey) 8:44
2. Violets For your Furs コートにすみれを (Tom Adair, Matt Dennis) 6:18
3. Time Was (Gabriel Luna de la Fuente, Paz Miguel Prado, Bob Russell) 7:31

4. Straight Street (John Coltrane) 6:21
5. While My Lady Sleeps (Gus Kahn, Bronislau Kaper) 4:44
6. Chronic Blues (John Coltrane) 8:12

John Coltrane – tenor saxophone
Johnnie Splawn – trumpet on "Bakai", "Straight Street", "While My Lady Sleeps", "Chronic Blues"
Sahib Shihab – baritone saxophone on "Bakai", "Straight Street", "Chronic Blues"
Red Garland – piano on side one (1.-3.)
Mal Waldron – piano on side two (4.-6.)
Paul Chambers – bass
Albert "Tootie" Heath – drums

Released Late 1957
Recorded May 31, 1957, Van Gelder Studio, Hackensack

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●Youtube音源

Coltrane (1957) -3 / John Coltrane

 ※著作権監視が厳しいため次の楽曲は音源引用出来ませんでした:“Violets For your Furs”“While My Lady Sleeps”“Chronic Blues”

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●2in1はもうやめた

 さてさて、コルトレーン日記です。
 いつものごとく時期の違う録音を2in1にしてCD-Rに焼いて聴いていたのですが、やはりそれはちょっと齟齬(そご)が有る、という気になってきたので、ここからは、オリジナル・アルバム一枚づつで聴き込んでいくことにします。と言うのもですねぇ、前半の部分の方は割りと真面目に論評を書いていたのですが、どうも後半の部分(2in1にした時の後半の部分ですね)がおざなりな論評になってしまうようなのです。なので、心を入れ替えて、一枚づつ聴いていこう、と。
 なので、今まで聴いてきた内の、『オール・モーニン・ロング/レッド・ガーランド』、『デイグ・イット!/レッド・ガーランド』の二枚はもう一度、改めて紹介し直そうと思います。いやまぁ、そこまでせんでも、と言う声が聞こえてきそうですが、「どうせそこまで真面目に読んどるもんはおらんよ」、と言う声も聞こえてきそうですが…、「所詮お前の書いた日記だろ?」だぁ~っ!、やかましい!。俺の日記だから、俺の書きたいように書くんだぁ~っ!。
 という訳で、ひとつ、よろしく!。ハァハァ。…なんか無駄に呼吸が乱れた気がするのはなんでだろう…?。

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●初リーダー作

 コルトレーンの初リーダー作です。と言っても、初リーダー・セッションは、1957年4月20日の『ダカール』セッションで経験済み。ただそのセッションが日の目を見たのは、コルトレーンがプレスティッジ・レコードから移籍してだいぶたった1963年のことになります。なので、発表順から行くと、こちらが最初のリーダー作ということになります。
 30歳になってからの初リーダー作というのが、早いのか遅いのかよく知らないんですけど、ジャズの世界では、そんなに遅咲きと言うほどでもないような気もするんですが、どうなんだろう。
 『コルトレーン』と言うタイトルのアルバムは1962年のインパルス・レコード時代にも出されますが、こちらは1957年のプレスティッジ・レコード時代の作品となります。
 シーツ・オブ・サウンドが完成の域に達するのはアトランティック時代の『ジャイアント・ステップス』(1960年吹き込み)の頃からと言われていて、この時期は未だ、そんなに音を撒き散らすような吹き方ではないですね。まぁ、この時期のコルトレーンは、本当、「フツーのジャズ」を演っているので、革新者としての姿を求めるほうが間違いとは思いますが。

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●コルトレーンの聴き分けがしやすい好盤

 コルトレーン独自の少ししゃくりあげるような吹き方はしっかり確認できます。自身のリーダー作ということもあってか、堂々と演奏しているようにも聴こえるんだけど、どうかな?。
 ホーンが独りの曲(“コートにすみれを”、“Time Was”)や、他にサックスがいない曲(“While My Lady Sleeps”)が多めで、演奏者としてのコルトレーンを堪能するにはまずまずの内容と言えましょう。
 バリトン・サックスが入る曲も、コルトレーンのテナーとの聴き分けは容易です。“Bakai”ではコルトレーンが先にソロを取っているのですぐ分かるし、“Straight Street”はそもそもバリトンのソロがないですし。“Chronic Blues”は、この盤で唯一バリトンがソロを先行する曲で、1'54"からコルトレーンに切り替わります。ここも、僕に分かるくらいなので、普通のリスナーなら迷うことはないでしょう。
 “While My Lady Sleeps”も、ほぼワン・ホーンで、最後のテーマ部分でトランペットが絡んでくるだけです。

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●各曲の印象

 “Bakai”は冒頭と終結部のテーマ部分の編曲(バリトンとその他ホーンの絡み)がなかなか面白く、聴き応えのある演奏になっています。
 スローな“コートにすみれを”は、素直に旋律を歌わすコルトレーンが清々(すがすが)しいですね。人によっては「棒吹き」なんて言う人もいますけどね。(^_^;
 リズミカルな“Time Was”は後半でポール・チェンバースのベース・ソロが出てきて、ベース好きな僕としては嬉しいところ。
 “Straight Street”も躍動的で、コルトレーンはノリノリの演奏を聴かせます。
 物憂げな始まり方をする“While My Lady Sleeps”も、じっくり聴かせる、なかなかの好演です。
 “Chronic Blues”は、「~ブルース」と言う曲名だけど、随分(ずいぶん)威勢(いせい)のいい演奏になっています。

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●コートにすみれを

 ところで、“コートにすみれを”と言うスタンダード曲は、ほぼ同時期に(どちらが先に発表されたかはWikipediaで調べてもよく分かりませんでした)、ズート・シムズと言うテナー・サックス吹きがドイツ人女性ピアニストのユタ・ヒップと組んで吹き込んだアルバム『ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ』での演奏が名演として、つとに有名です。コルトレーンの方の音源が引用できなかったので、今回はこちらのズートの演奏を引用してみました。
Violets for Your Furs / Jutta Hipp with Zoot Sims (Recorded July 28, 1956)

 なかなか表情豊かな演奏ですね。コルトレーンの方は、もう少し、原曲を大事にした吹き方になっています。

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●次回予告

 と言う感じで、この時期のコルトレーンは、ピアノ奏者のセロニアス・モンクのもとで研鑽(けんさん)をしていた時期。「神の啓示」を受けたという噂の1957年7月まではまだ一ヶ月以上あって、え~と、アルバム数的にはもう1、2枚、ってところかな。コルトレーンのリーダー作としては次は『ラッシュ・ライフ』になるんだけど、その後、モンクとの共演が二枚くらいあります。
 と言う感じで、コルトレーン、聴き続けていきます。また、忘れた頃に(笑)トレーン日記を上げることになると思うので、気長にお待ちくださいませ。ではっ!。

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コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス/ジョン・コルトレーン
コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)/ジョン・コルトレーン



■ジョン・コルトレーン日記





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■ジョン・コルトレーン日記一覧

■ジョン・コルトレーン日記
2018/04/25 ラッシュ・ライフ
2018/01/30 コルトレーン(1957)
2016/12/29 ザ・ディーラーズ/マル・ウォルドロン、オール・モーニン・ロング/レッド・ガーランド
2014/06/26 マル2/マル・ウォルドロン、デイグ・イット!/レッド・ガーランド
2014/06/21 ザ・キャット/トミー・フラナガン、ダカール
2014/04/17 インタープレイ・フォー・2トランペッツ&2テナーズ、テイラーズ・ウェイラーズ/アート・テイラー
2014/01/28 テナー・コンクレイヴ、キャッティン/ポール・クニシェット
2014/01/03 インフォーマル・ジャズ/エルモ・ホープ、メイティング・コール/タッド・ダメロン

●その他のジャズ日記
■セロニアス・モンク日記
■マイルス・デイヴィス日記



■ミュージシャン別日記一覧




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【CD聴く】ジョン・コルトレーン / ザ・ディーラーズ / オール・モーニン・ロング - from コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス #JohnColtrane #TheDealers #AllMorninLong #MalWaldron #RedGarland

ザ・ディーラーズ / マル・ウォルドロン
オール・モーニン・ロング / レッド・ガーランド


The Dealers / Mal Waldron


1. Blue Calypso (Mal Waldron) 8:56
2. Falling In Love With Love (Lorenz Hart-Richard Rodgers) 11:39

3. Dealin' (take 1) (Mal Waldron) 10:01
4. Wheelin' (take 1) (Mal Waldron) 10:26

Personnel
Mal Waldron — piano
Bill Hardman — trumpet on 1.2.
Jackie McLean — alto saxophone on 1.2.
John Coltrane — tenor saxophone
Paul Quinichette — tenor saxophone on 3.4.
Frank Wess — tenor saxophone and flute on 3.4.
Julian Euell — bass on 1.2.
Doug Watkins — bass on 3.4.
Art Taylor — drums

Recorded #1-2:April 19, 1957 #3-4:September 20, 1957


All Mornin' Long / Red Garland


1. All Morning Long (Red Garland) 20:21

2. They Can't Take That Away From Me (George Gershwin, Ira Gershwin) 10:30
3. Our Delight (Tadd Dameron) 6:20

Personnel
Red Garland - piano
John Coltrane - tenor sax
Donald Byrd - trumpet
George Joyner - double bass
Art Taylor - drums

Recorded November 15, 1957



 コルトレーンを聴き続けて幾星霜。いや、そんなには聴き込んではいないのだが(汗)。例のごとく2in1でCD-Rに焼いているので、無理くりなカップリングになっています。2in1やめりゃぁ良いようなもんなんですが、個人的にはプレスティッジ時代のコルトレーンは早く済ませたい。(^_^; 特にサイドマンとして参加のものは…。
 まぁ、大人しくリーダー作だけ買ってりゃぁ良かったんですけど、うっかり『コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)』なんか買っちまったのが間違いのものとだった…。orz 素人がむやみに手を出すもんじゃないよ、こう言うコンプリート物は。

 と、一くさり反省と愚痴をこぼしたので本論に。と言っても、今回もコルトレーンはあくまでサイドマンなので、彼に関しての特筆するべき所は、まぁ、僕にはうまく見い出せない。
 なのでまぁ、軽い気持ちで「ジャズやるべ」みたいな感じで行きたいと思います。

 今回の時期のトレーンは、マイルスの元を離れ(解雇されたという噂も聞くがはてさて。後に復帰している)、セロニアス・モンクの元に転がりこんで、弟子入りをしていた時期に当たります。

 まず、マル・ウォルドロンの『ザ・ディーラーズ』。あくまで主役はピアニストのウォルドロン。なはずですが、なぜか彼はホーン入りの作品も多い模様。作曲志向の強いピアニストはそうなりがちだと聴きますが、なるほど、モンクなんかもホーン入りに傑作が多い。
 A面の二曲では、コルトレーンの他にタイプの似たアルト奏者のジャッキー・マクリーンが入っています。マクリーンもコルトレーンも、しゃくりあげるような吹き方がよく似ていて、僕には見分けがつかない。ので、どっちがどっちとか言うのは言わないことにしますが、ビル・ハードマンのトランペットも含めて、聴きやすい演奏だと思います。これはやはり、リーダーのウォルドロンの設定したフォーマットが優れているんでしょう。自作の“ブルー・カリプソ”、ミュージカル・ナンバーの“フォーリン・イン・ラヴ・ウィズ・ラヴ”、どちらも軽めの曲想が気持ち良い。コルトレーンもあまり悩まず吹いています。いやまぁ、マクリーンと区別が付いていないわけですが、どっちみちあんまり悩んでないみたいだから良いじゃぁないですか。
 B面も二曲ですが、こちらはいずれもウォルドロンの自作。テナー・サックスが三人もいて、聴き分けろというのは僕には無理な話(笑)。こちらはやや重めなリズムですが、打ち沈んだりはしていません。低音によりがちな楽器編成にも関わらず、です。ウォルドロンと言うと、瞬間的に『レフト・アローン』の悲壮味のある世界が思い浮かんできますが、暗いばかりの人ではなかったというのがよく分かります。
 このB面の録音日付は1957年9月。したがって、コルトレーン運命の1957年7月ファイヴ・スポットの啓示を授かった後の演奏です。なので、キレッキレの演奏になっているはずなんですが、さぁ、どうだろう。(^_^; 僕にそれを聴き分けろと言うんじゃないでしょうね(笑)。

 ついでレッド・ガーランド『オール・モーニン・ロング』。1957年の11月だからだいぶ下っています。
 ガーランドのセッションは、軽やかさというよりは、リラックスした雰囲気が漂います。ホーンはコルトレーンの他にトランペットのドナルド・バードがいるだけなので、コルトレーンを楽しむにはウォルドロンとのセッションより向いています。バードは共演者に対して押しの強いタイプではないので、聴きやすいと言えそう。
 タイトル曲では、トレーンは先頭に立ってソロを吹いています。ガーランドはマイルスのもとで苦楽を共にした仲間という事もあってか、伸びやかな吹奏が聴けますね。バードも良いし、ガーランドもタルくて(笑)良いのですが、何と言ってもジョイナーのベースにソロを与えたガーランドがエライ(笑)。ベース好きの僕はそれだけでうれしい。
 “誰にも奪えぬこの想い”でも、掛け合いの後、トレーンが飛び出していく。彼の代名詞とも言える、空間を埋め尽くすシーツ・オブ・サウンド的な吹奏が聴けて思わずにやり。タイトル曲よりは短めなせいかベースソロはありませんが、まぁ、そんなもんでしょう。
 “アワ・デライト”は勢いが大事なので、タルさが売りのガーランドには任せておれんとばかりに(そりゃ言い過ぎか(^_^;)、ここでもトレーンが先頭で、飛ばす飛ばす。曲が短いぶん凝縮された旨味はこれが一番かも。

 マル・ウォルドロンの作品は参加人数の多さと、ウォルドロンの作編曲の腕前も含めて、あくまでウォルドロンの作品。コルトレーンはパーツの一部として健闘していると言う感じです。一方のレッド・ガーランドは、参加人数が少なめなことも有って、コルトレーンの味わいがもう少し楽しめるものと言えましょう。しかし、間違ってもコレを「コルトレーン・クインテット」とは言えませんなぁ(笑)。
 いずれにせよ、コルトレーンのリーダー作ではないですし、彼を中心にして聴く作品ではないでしょう。と言ったところで、次回のトレーン日記では、彼のリーダー作が登場します。




コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス/ジョン・コルトレーン
コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)/ジョン・コルトレーン




■ジョン・コルトレーン日記
2014/06/26マル2/マル・ウォルドロン、デイグ・イット!/レッド・ガーランド
2014/06/21ザ・キャット/トミー・フラナガン、ダカール
2014/04/17インタープレイ・フォー・2トランペッツ&2テナーズ、テイラーズ・ウェイラーズ/アート・テイラー
2014/01/28テナー・コンクレイヴ、キャッティン/ポール・クニシェット
2014/01/03インフォーマル・ジャズ/エルモ・ホープ、メイティング・コール/タッド・ダメロン



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【CD聴く】ジョン・コルトレーン/マル2/デイグ・イット! - from コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス #JohnColtrane #Mal2 #DigIt

コンプリート・プレスティッジ・レコーディングスコンプリート・プレスティッジ・レコーディングス
(2006/09/21)
ジョン・コルトレーン

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コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)※その他のエディションは文末。





マル-2+2マル-2+2
(2005/06/22)
マル・ウォルドロン・ウィズ・ジョン・コルトレーン

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 輸入盤等はこちらから。
from Mal/2 / Mal Waldron
1. Potpourri (Mal Waldron) 6:36
2. J.M.'s Dream Doll (Mal Waldron) 8:38
3. Don't Explain (Arthur Herzog Jr., Billie Holiday) 6:57
4. The Way You Look Tonight (Dorothy Fields, Jerome Kern) 8:24
5. From This Moment On (Cole Porter) 6:15
6. One By One (Mal Waldron) 9:40

Mal Waldron - piano
John Coltrane - tenor saxophone
Julian Euell - bass

#1-3
Bill Hardman - trumpet
Jackie McLean - alto saxophone
Art Taylor - drums
April 19, 1957

#4-6
Idrees Sulieman - trumpet
Sahib Shihab - alto saxophone and baritone saxophone
Ed Thigpen - drums
May 17, 1957

Selection Album



ディグ・イット!ディグ・イット!
(2014/05/07)
レッド・ガーランド・ウィズ・ジョン・コルトレーン

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 輸入盤等はこちらから。
from Dig It! / Red Garland
1. Billie's Bounce (Charlie Parker) 9:35
4. Lazy Mae (Red Garland) 16:07

Red Garland - piano
John Coltrane - saxophone
Donald Byrd - trumpet
George Joyner - bass
Art Taylor - drums
December 13, 1957


Billie's Bounce
http://youtu.be/7OUN9bftWbI



 さて、コルトレーンの参加アルバムをおおまかに年代順で追っていくというこのシリーズ。今回はちょっと幅のある年代になっちゃってるよ。

 またもやサックス混じりのセッションに参加。ハイ、白状しますが、コルトレーンともう一人のサックス奏者の聴き分け、出来ません。(^_^;
 なので、軽い感じでの感想とさせていただきます。
 マル・ウォルドロンのリーダー作に客演。現行CDでは1.-3.と同じセッションからの“Blue Calypso”“Falling In Love With Love”が追加されていますが、ここではオリジナル・アルバムの曲順にこだわってみました。
 マル・ウォルドロンというと、ベツレヘム盤の「レフト・アローン」、わけても表題曲が話題になることが多いのですが、そこでの情緒的な色合いを決めているのは客演していたアルト・サックスのジャッキー・マクリーンによるところが大きいです。
 こちらでは、情緒的な色はあまり無いですね。マクリーンも素直な吹奏をしています。てまぁ、コルトレーンとの区別がついてないわけですが、(^_^; まぁ、おおむね素直かと。
 サヒブ・シハブ(で合ってる?)参加の後半のセッションでも、素直なサックスの音色が聴けて、コルトレーン云々はともかく、気持ちよく聴ける作品群ですね。


 レッド・ガーランド(ピアノ)との今回のセッションには二曲のみ参加。サックスはコルトレーンのみなので、聴きやすいですね。マルとのセッションの7ヶ月後ですが、この間に、コルトレーンは長足の進歩を遂げた、と、されています。この時期はマイルスから素行不良で追い出されて(1957年4月)、セロニアス・モンクのもとで修行を積んでいた時期。モンクは質問魔のコルトレーンに、丁寧に楽理関係の説明をしたと言います。そして、1957年7月のライヴハウス・ファイヴ・スポットにモンクと一緒に出演した時に「神の啓示」を得た、のだそうです。なんじゃそりゃ。(^_^;
 それ以前とそれ以降では演奏に明らかな違いがある、と言うのがコルトレーン・ファンの言い分なのですが、僕にはそういう違いはちょっと分かりません。音数は確かに増えたかな、という感じはしますが、音数が増えりゃ進歩ってもんでもないだろ、と言う気も。まぁ、他の音源も聴いてみないと、この2曲だけではなんとも言えませんね。
 それにしてもダルいスロー・ブルースの“Lazy Mae”は何とかならんかったもんかな。16分もコレをやられると、それこそダレるわ。

 さて、このコルトレーン・シリーズ、ちょっと中休みを採るよ。毎月、マイルス、モンク、トレーン、の三人を必ず聴き続けるのがキツイことがわかったんでね。モンクは後一枚レビューして休憩を採るよ。マイルスは今、復帰後の音源を片付けているところなんだけど、コレを優先させます。半年くらいかかるかな。その後、マイルスのING四部作の辺りまで戻って、そこからは、だいたい年代順に、一月に、三人のうち、一枚づつ聴いて行くことにします。









コンプリート・プレスティッジ・レコーディングスコンプリート・プレスティッジ・レコーディングス
(2000/06/21)
ジョン・コルトレーン

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コンプリート・プレスティッジ・レコーディングスコンプリート・プレスティッジ・レコーディングス
(1992/07/17)
ジョン・コルトレーン

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The Prestige RecordingsThe Prestige Recordings
(1991/09/15)
John Coltrane

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Complete Prestige RecordingsComplete Prestige Recordings
()
John Coltrane

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Prestige Recordings -Ltd-Prestige Recordings -Ltd-
(2012/08/02)
John Coltrane

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コンプリート・プレスティッジ・レコーディングス(18CD)※輸入盤はマイルスとのセッションを省いた16枚組


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 音楽好きの禿オヤジです。戦闘機もすき。♀アイドルも好き。そんな私です。

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