【CD聴く】ウェザー・リポート / Mr. Gone - from The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤) #WeatherReport #MrGone

ウェザー・リポート / Mr. Gone

Mr. Gone + 2 / Weather Report


1. 貴婦人の追跡 "The Pursuit of the Woman with the Feathered Hat" (Zawinul) 5:03
2. リバー・ピープル "River People" (Pastorius) 4:50
3. ヤング・アンド・ファイン "Young and Fine" (Zawinul) 6:55
4. ジ・エルダーズ "The Elders" (Shorter, arranged by Zawinul) 4:21
5. ミスター・ゴーン "Mr. Gone" (Zawinul) 5:26
6. パンク・ジャズ "Punk Jazz" (Pastorius) 5:09
7. ピノキオ "Pinocchio" (Shorter) 2:26
8. アンド・ゼン "And Then" (musiс - Zawinul, lyrics - Sam Guest) 3:22

9. リヴァー・ピープル "River People" (Zawinul) 6:57
10. イン・ア・サイレント・ウェイ/ウォーター・フォール "In a Silent way / Waterfall" (Zawinul) 5:46

Tracks 1-8:Released September 1978. Recorded May 1978 as "Mr. Gone". Producer Joe Zawinul, Jaco Pastorius.
Tracks 9-10:Live recoroded Nov. 28, 1978 in Phoenix, Arizona. Producer Joe Zawinul, Wayne Shorter. Originaliy released 2002 on "Live and Unreleased"

Personnel
Weather Report
Joe Zawinul - modified Rhodes 88 electric piano, acoustic piano, two ARP 2600 synthesizers, Oberheim polyphonic synthesizer, Sequential Circuits Prophet 5 synthesizer, Mu-Tron Bi-Phase and Mu-Tron Volume Wah effects, kalimba, thumbeki drums, sleigh bells, melodica, high hat, voice (track 1)
Wayne Shorter - Tenor, alto and soprano saxophone, voice (track 1)
Jaco Pastorius - Bass, drums (tracks 1 and 2), timpani (track 2), voice (tracks 1, 2 and 6)
Peter Erskine - Drums (tracks 1 and 7, 9-10), high hat (track 3), voice (track 1)

Additional musicians
Tony Williams - Drums (tracks 5 and 6)
Steve Gadd - Drums (tracks 3 and 8)
Manolo Badrena - Voice Solo (track 1)
Jon Lucien - Voice (track 1)
Deniece Williams - Voice (track 8)
Maurice White - Vocal (track 8)

 前作では、1stから続いていた神秘色を一掃し、コマーシャルな成功を収めた彼ら。今作でも同様にわかり易い内容を踏襲。しかし何曲かでは従来のような神秘的な楽想を前奏に入れています。その結果、なのかどうかはよくわかりませんが、何故か評論家筋からは圧倒的な不評(笑)。ダウンビート誌ではわずかに★ひとつ(5★満点中)。前作の勢いを買って(だと思いますが)ゴールド・ディスク(確か米では50万枚以上が基準だったはず)を獲得したものの、チャート的には伸び悩み全米52位止まり。ジャズ・チャートでは前作同様1位だったけれどもね。まぁ、売れた売れた、と言われる前作でも全米では30位。トップ20にも入っていないんだよね。ジャズの売上って、こんなもんなんだよねー。orz

 と言った感じで、失敗作の烙印を押されているかのような当作。えぇっ、なんでぇ?。僕は結構好きだけどなぁ?。
 前述の通り、前作同様、躍動的で肉体的な風味が効いていて、なかなか楽しく聴ける作品です。いやまぁ、彼らのことですから、それほど享楽的にすぎるというわけでもないのですがね。締める所は締めているのでご安心を。

 前作から全面参加のジャコ・パストリアスのベースも快調。この人はフレットのない電気ベースを弾くのですが、そのため、スラー(2つの音を滑らかにつないで弾くこと)等での独特の音色が面白いですね。ぼぅわわ~ん、てやつね(笑)。
 双頭リーダーの役割から事実上外されたウェイン・ショーターは、それが却(かえ)って肩の荷をおろしたのか、リラックスして吹きまくっているのが印象的です。
 キーボードのジョー・ザヴィヌルは相変わらずですね(笑)。
 ドラマーは、ここからピーター・アースキンが加わり、鉄壁の布陣へと導かれるのですが、このアルバムでは、ゲストのドラマーが頑張っている曲も多いですね。ザヴィヌルなりに思うところがあってのゲスト招聘なのでしょうけれどもね。ジャコも叩いていますが、意外と違和感ないですね。

 冒頭の“貴婦人の追跡”は前作『ヘヴィ・ウェザー』のヒット曲“バードランド”を意識してか、かなりキャッチーな出来。でも“バードランド”に比べると少々下世話過ぎてやりすぎか?。まぁ、その下世話なところが良いんだけどね!。
 “ジ・エルダーズ”は従来通り神秘風味だな、と、思ったら、ショーターちゃん作だったわ(笑)。もう一曲のショーター作“ピノキオ”はノリが良いから、ちょっと遊んだのかしら?。

 おまけのボートラは、例のごとく、既発表の『ライブ&アンリリースド』からのライヴ。まぁ、既発表なのはもう良いけど、いいかげん、このボックス・セット持ってる人は『ライブ&~』買わなくても良いのかしらん、なんて思っちゃったけど、そう甘くはないのだろうな。いや、収録曲をちゃんと比較したわけではないけれども。
 と言って、今更ながら気になったので、ちょっと調べてみた。

『ライブ&アンリリースド』

Disc-1 # タイトル 作曲 時間
1. 「Freezing Fire」(1975) Shorter 8:13
2. 「Plaza Real」(1983) Shorter 7:03
3. 「Fast City」(1980) Zawinul 6:48 **
4. 「Portrait of Tracy」(1977) Pastorius 5:56 **
5. 「Elegant People」(1977) Shorter 4:27 **
6. 「Cucumber Slumber」(1975) Johnson/Zawinul 11:39 *
7. 「Teen Town」(1977) Pastorius 6:29 **
8. 「Man in the Green Shirt」(1975) Zawinul 10:31 *

Disc-2 # タイトル 作曲 時間
1. 「Black Market」(1977) Zawinul 9:26 **
2. 「Where the Moon Goes」(1983) O'Byrne/Zawinul 12:05
3. 「River People」(1978) Pastorius 6:57 **
4. 「Two Lines」(1983) Zawinul 8:15
5. 「Cigano」(1975) Shorter 3:59
6. 「In a Silent Way/Waterfall」(1978) Zawinul 5:45 **
7. 「Night Passage」(1980) Zawinul 5:53 **
8. 「Port of Entry」(1980) Shorter 8:08 **
9. 「Rumba Mama」(1977) Acuna/Badrena 1:15
10. 「Directions/Dr. Honoris Causa」(1975) Zawinul 8:38 *

* The Columbia Albums 1971-1975 収録曲
** The Columbia Albums 1976-1982 収録曲

 うむ、甘く無い。(^_^;
 18曲中、BOX未収録曲が6曲もあるではないか。と言って、その6曲のために二枚組の『ライブ&~』買うのも、なんかなぁ(笑)。12曲もダブるわけで…。(^^ゞ

 てな感じで、次回は、ライヴの傑作『8:30』を採り上げます。期待せずにお楽しみにしていてください。…だからどっちなんだよ(笑)。
 
 
ウェザー・リポート/Columbia Albums 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
ウェザー・リポート/The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
 
 
 
■ウェザー・リポート日記一覧
 
 
スポンサーサイト

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

■ウェザー・リポート日記一覧

■ウェザー・リポート日記
2017/08/02 Mr. Gone
2017/02/28 Heavy Weather
2016/11/27 Black Market
2016/11/27 The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
2016/08/27 ジャコ・パストリアスの肖像/ジャコ・パストリアス
2016/05/26 Tale Spinnin'
2016/02/27 Mysterious Traveller
2015/11/28 Sweetnighter
2015/08/28 Live In Tokyo
2015/05/28 I Sing The Body Electric
2015/01/27 Weather Report(1971)
2015/01/27 The COLUMBIA ALBUMS 1971-1975 (7CD 紙ジャケット 輸入盤)

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD入手】レニー・トリスターノ / 鬼才トリスターノ #LennieTristano #LeeKonitz

レニー・トリスターノ / 鬼才トリスターノ

Lennie Tristano (Atlantic) / Lennie Tristano
https://www.youtube.com/watch?v=tg18y7WreGs&list=PLDNXxjlb6YGpt4lF1UyImZFA4EsALBHJu


All songs composed by Lennie Tristano, unless otherwise noted.

1. ライン・アップ (MONO) "Line Up" – 3:34
2. レクイエム (MONO) "Requiem" – 4:53
3. ターキッシュ・マンボ (MONO) "Turkish Mambo" – 3:41
4. 東32丁目 (MONO) "East Thirty-Second" – 4:33

5. ジーズ・フーリッシュ・シングス "These Foolish Things" (Harry Link, Holt Marvell, Jack Strachey) – 5:46
6. ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド "You Go to My Head" (J. Fred Coots, Haven Gillespie) – 5:20
7. 君がいたなら "If I Had You" (Jimmy Campbell, Reginald Connelly, Ted Shapiro) – 6:29
8. ゴースト・オブ・ア・チャンス "I Don't Stand a Ghost of a Chance With You" (Bing Crosby, Ned Washington, Victor Young) – 6:07
9. 君はわがすべて "All the Things You Are" (Oscar Hammerstein II, Jerome Kern) – 6:11

Lennie Tristano's home studio, New York, 1954-1955

Tracks 1-4
Lennie Tristano – piano
Peter Ind – bass (tracks: 1, 4)
Jeff Morton – drums (tracks: 1, 4)

The Sing-Song Room, Confucius Restaurant, New York, June 11, 1955

Tracks 5-9
Lennie Tristano – piano
Lee Konitz – alto saxophone
Gene Ramey – bass
Art Taylor – drums

 ↓Amazonのインフォメーションより。
> ビ・バップと対をなす白人中心のムーヴメント、クール・ジャズの創始者として知られるトリスターノの代表作。
> 前半はテープの回転速度を変えた多重録音など実験的なアプローチを披露。後半は高弟コニッツを含むカルテットでのライヴ。
> 1,2,3,4:レニー・トリスターノ(p) ピーター・インド (b 2,3抜ける) ジェフ・モートン (ds 2抜ける)
> 5,6,7,8,9:レニー・トリスターノ (p) リー・コニッツ (as)ジーン・ラミー (b) アート・テイラー (ds)
> 録音:
> 1,2,3,4:1955年ニューヨーク
> 5,6,7,8,9:1955年6月11日ニューヨーク『ザ・シング・ソング・ルーム、コンフュシャス・レストラン』でのライヴ

 まず、一曲目での硬質なピアノの音色に驚かされることになります。どうやらテープの回転数を変えて、響きを変えているらしいです。非常に緊張感があって、素晴らしい演奏だと思いました。僕は管楽器を含まないピアノ・トリオのジャズは、そのモノクロームな音色の印象から、好んで聴くということはないのですが、トリスターノは例外としてもいいのではないか、などと思ったほどです。
 これは、理知的、と言っていいのでしょうか。クール・ジャズと言う言い方をすることもあるようですが、同時代のチェット・ベイカーなどのウェスト・コースト・サウンドとは一線を画す(それはそれで好きなんですけど)、挑戦的な音になっています。と言っても、理に走りすぎて面白くないということはなく、ちゃんと「情」に訴えかける演奏になっているところが流石ですね。
 B面に当たる5曲目以降は、おそらくA面の四曲だけではアルバムの体をなさないので、埋め草として追加されたものでしょう。アルト・サックスのリー・コニッツを迎えての、リラックスしたライヴ録音となっています。A面での緊張感は望むべくもありませんが、これはこれで傾聴するに値する内容です。A面よりこちらのほうが好きだ、という人がいてもおかしくありません。コニッツのサックスも冴え渡っていますよ。

 レニー・トリスターノは白人のピアニストで、所謂(いわゆる)「トリスターノ派」の開祖とされます。トリスターノの門下にリー・コニッツやビル・エヴァンス(ピアノ)がいる、と、言えば、概ね音が予想できるのではないでしょうか。ビル・エヴァンスという人は、妙に情緒的な捉え方が人口に膾炙している人ですが、実態としてはかなり硬質な音楽を展開していました。その情緒性の偏見を取り除いて、代わりに理性的なサウンドに置き換えてみれば、トリスターノの音が鳴っているのがわかるでしょう。
 トリスターノという人は極端にレコード吹き込みが少なく、活動の実態を紐解くのはなかなか難しいです。このアルバムは1955年の録音ですが、彼の活動そのものはもう少し前から始まっていて、少なくとも1949年に吹き込まれた、コニッツ、ウォーン・マーシュ(テナー・サックス)等との六重奏による録音は重要視されているようです。(その録音は多分、リー・コニッツのリーダー・アルバムの『サブコンシャス・リー』に収録されているものでしょう。僕がトリスターノの演奏を初めて知ったのはそのアルバムででした。)

 このアルバムはトリスターノの代表作として名高いもの。正直、今回実際に聴いてみるまでは、ここまで面白い内容だとは思っていませんでした。今なら廉価盤がまだ店頭に残っていると思います。見つけたら即買いですね。

 追伸。
 アトランティックに吹き込んだものでは他に、ピアノ独奏による『ニュー・トリスターノ』も出来が良いらしいよ。いつか聴いてみたいな。


テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD入手】ローランド・カーク / カーカトロン #RahsaanRolandKirk #Kirkatron

ローランド・カーク / カーカトロン

Kirkatron / Rahsaan Roland Kirk


1. カッコーのセレナーデ Serenade to a Cuckoo 3.40
2. ジス・マスカレード This Masquerade (Leon Russell) 5.31
3. シュガー Sugar (Stanley Turrentine, Kirk) 3.27
4. ロサンゼルス・ニグロ・コーラス Los Angeles Negro Chorus (MONO) 0.26
5. ステッピン・イントゥ・ビューティー Steppin' into Beauty 6.42
6. クリスマス・ソング The Christmas Song (Mel Torme, Robert Wells) 3.34
7. バグパイプ・メドレー Bagpipe Medley 2.38
8. メアリー・マックラウド・ベシューン Mary McLeod Bethune (MONO) 0.24
9. ブライト・モーメンツ Bright Moments (Kirk, Todd Barkan) 4.14
10. リリコノン Lyriconon 4.10
11. チュニジアの夜 A Night in Tunisia (Dizzy Gillespie, Frank Paparelli) 4.59
12. J.グリフのブルース J. Griff's Blues (trad., arr. Kirk) 7.41

All compositions by Rahsaan Roland Kirk except as indicated
Recorded at the Montreux Jazz Festival in Switzerland on 18 July 1975 (tracks 1, 7 & 12) and Regent Sound Studios, New York City, 1975 & 1976
Released 1977

Personnel

Roland Kirk: tenor saxophone, manzello, stritch, clarinet, flute, lyricon
Hilton Ruiz: piano, keyboards (tracks 1-3, 5, 7 & 10-12)
Henry Pete Pearson: bass (tracks 1, 7, 10 & 12)
Sonny Barkan: drums (tracks 1, 7 & 12)
Todd Barkan: percussion (tracks 1, 7 & 12)
Steve Turre: trombone (tracks 2-3, 5 & 11)
Cornell Dupree: guitar (tracks 2 & 11)
Richard Tee: keyboards (tracks 2 & 11)
William S. Fischer: synthesizer (tracks 2 & 11)
Gordon Edwards: electric bass (tracks 2 & 11)
James Madison: drums (tracks 2 & 11)
Ruddley Thibodeaux: percussion (tracks 2 & 11)
Milton Suggs: bass (tracks 3 & 5)
Walter Perkins: drums (tracks 3 & 5)
Tony Waters: percussion (tracks 3 & 5)
Michael Hill: vocals (tracks 3)
Trudy Pitts: organ (track 6)
William Butler: guitar (track 6 & 10)
Bill Carney: drums (track 6)
Sanford Allen: violin (track 6)
Alfred Brown, Selwart Clarke: viola (track 6)
Kermit Moore: cello (track 6)
William S. Fischer: arranger, conductor (track 6)
Howard Johnson: tuba (track 9)
Romeo Penque: baritone saxophone, oboe (track 9)
Buster Williams: bass (track 9)
Charlie Persip: drums (track 9)
Joe Habao Texidor: percussion, vocals (track 9)
Betty Neals, Maeretha Stewart, Milt Grayson, Arthur Williams, Randy Peyton, Hilda Harris, Adrienne Albert, Francine Caroll: vocals (track 9)
Frank Foster: arranger (track 9)
Jerry Griffin: drums (track 10)

 盲目の黒人サックス奏者、ローランド・カークの音楽を聴いていると、不思議と、ジャズを聴いている、と言う感じがしません。良いことなのか悪いことなのかよくわからないのですけれども、もっと広範な音楽に立脚しているという気がしてしまいます。なので、11曲めで突然ジャズ・スタンダードの“チュニジアの夜”が始まると「あぁ、そういやぁジャズの文脈の人だったよなぁ」と、不思議な気持ちになります。

 そういう人なので、どの曲を聴いても、その表現の深さに圧倒されます。その表現があまりに強靭(きょうじん)で「濃い」ので、こちらの体調が悪い日などは「うわ、勘弁!」と言う時もあるんですけど、ちゃんと聴ける時は、じっ、と聴き入ってしまいます。それで、「あぁ、やっぱり、カークは良いなぁ」としみじみ思うことになるのです。

 出だしの曲が、フルート・ソロの曲なので「うわ、勘弁!」とか思うんですけど(ジャズのフルートはあんまり好きじゃないんです)、すぐにそんなことは問題ではなくなってしまいます。カークの渾身の演奏はどんな楽器でも素晴らしい説得力を持っています。

 “シュガー”は Michael Hill と言う人がヴォーカルをとっているのですけれども、歌詞がブックレットに載っていなくて、何を歌っているのかさっぱりわからない。頑張ってくれよ、日本のレコード会社!。

 “リリコノン”の「リリコン」と言うのは、電子楽器の一種で、管楽器のようなコントローラーで演奏する楽器のようです。最初、キーボードを弾いているのかと思ったけど、微妙に違ったわけです。リリコンの澄んだ音色とあいまって、不思議な透明感を感じさせる曲です。

 よくわからないのが、“ロサンゼルス・ニグロ・コーラス”と“メアリー・マックラウド・ベシューン”で、これらの短い挿入にはカークは参加していないようです。
 前者は文字通りコーラス。歌詞が載っていないので何を歌っているかは分からないのですが、たぶんゴスペル?。後者はなんか、お説教?。CD付属の解説によるとメアリー~とは黒人女性の地位向上運動を行った活動家で、その本人の肉声による演説らしいです。喋っている内容は「嫉妬と憎悪を手放し、心を愛情と寛容で満たし、ひろく助けあえば、民主主義の希望を実現できるでしょう」とのこと。よくわからないのは、これらが、どんな理由で挿入されたのか。カークのことだから、なにか強い音楽的意志が有ったのだと思いますが…。
 後者の演説の後の“ブライト・モーメンツ”は Todd Barkan による詞の付いた曲で、混声合唱との共演。ブックレットに歌詞が載っていて、中学生程度の英単語が並んでいるのですが、英語が苦手な僕にはよくわからない…。たぶん「内なる声に耳を傾ければ何時でも日が照っている」みたいな意味。何れにせよポジティヴな内容のようで、メアリーの演説と対になっているのでしょう。

 カークという人は、若い頃は、複数の管楽器を一度に口に食わえて吹奏するのが話題になって、あんまり音楽そのものの評価がされなかったらしいのですけれども、晩年に発表されたこのアルバムではそういうアクロバティックなことは演っていないようで、カークの、いち管楽器奏者としての味を、思うままに味わうことができます。

 カークは、このアルバムを録音する少し前の1975年に脳卒中を起こし、半身不随に陥っています。それでも、片手で巧みに楽器を操り、見事な演奏を聴かせており、その意気込みには感服させられますね。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

【CD聴く】ウェザー・リポート / Black Market - from The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤) #WeatherReport #BlackMarket

ウェザー・リポート / Black Market

Black Market +3 / Weather Report


1. ブラック・マーケット Black Market (Joe Zawinul) 6:28
2. キャノン・ボール Cannon Ball (Joe Zawinul) 4:36
3. ジブラルタル Gibraltar (Joe Zawinul) 8:16

4. エレガント・ピープル Elegant People (Wayne Shorter) 5:03
5. スリー・クラウンズ Three Clowns (Wayne Shorter) 3:31
6. バーバリ・コースト Barbary Coast (Jaco Pastorius) 3:19
7. ヘランドヌ Herandnu (Alphonso Johnson) 6:36

The Columbia Albums 1976-1982 Bonus Tracks Live
8. Portraito of Tracy (Jaco Pastorius) 5:57
9. Elegant People 4:26
10. Black Market 9:28


Personnel

Joe Zawinul — Yamaha Grand Piano, Rhodes Electric Piano, Arp 2600 Synthesizer, Oberheim Polyphonic Synthesizer, Production, Orchestration
Wayne Shorter — Selmer soprano and tenor saxophones, Computone Lyricon, Co-Production

First set of sessions: 3 - 4 - 5 - 7
Electric bass — Alphonso Johnson
Drums — Chester Thompson
Percussion, Congas — Alex Acuña

Second set of sessions: 1 - 2 - 6
Electric bass 1 — Alphonso Johnson
Electric bass 2/6 — Jaco Pastorius
Drums 1/2 — Narada Michael Walden
Drums 1/6 — Chester Thompson
Percussion, Congas 1/6 — Don Alias
Percussion, Congas 2 — Alex Acuña

Released March 11, 1976
Recorded December 1975 – January 1976

Live 8 - 9 - 10 (On The Columbia Albums 1976-1982 only Bonus Tracks)
Electric bass — Jaco Pastorius
Drums 9 — Alex Acuña
Percussion 9 — Manolo Badrena
Drums 10 — Peter Erskine

8.9.from "Live and Unreleased"
Recorded November 30, 1977 in Grand Rapids, MI

10.Recorded November March 2, 1979 at Havana Jam, The Karl Marx Theatre, Habana, Cuba


 と言うわけで、ジャコ期のウェザーなんですが。と言っても、このアルバムではまだジャコは二曲のみの参加。メインのベーシストは、前作に引き続きアルフォンソ・ジョンソンです。

 ベースのことはちょっと置いといて、アルバムの概観をば。
 これは、大変明るいアルバムです。前作の『テイル・スピニン』も明るいアルバムだったんですが、それに輪をかけて明るいです。シンセサイザーの使用が大幅に増えているんですが、それと関係あるのかな。リズム的にもファンキーなサウンドが横溢していて、実に躍動的です。楽園的と言っている人もいますね。ショーターのサックスはやや控えめかな。

 ウェザーは時に「ジャズじゃなくてフュージョンでしょ」と言われることがあります。それは、ザヴィヌルのキーボードが、典型的なハード・バップ・ジャズとは大幅に異なっている当たりに原因がありそうです。つまり、生楽器としてのピアノをほとんど使っていないんですね。保守的なジャズ・ファンからは、電気ピアノであるだけでも拒否されることがあるのに、ましてやシンセサイザーをや、ってところでしょうか。ま、こちとら、基本ロック・ファンなんで、そう言った頑迷なジャズ・ファンの事はどこ吹く風と楽しませてもらってますけどね。

 ちなみに、このアルバムの制作に入る少し前の1975年8月8日に、ジョー・ザヴィヌルのかつてのボス、アルト・サックス奏者キャノン・ボール・アダレイが46歳で亡くなっており、彼に捧げた“キャノン・ボール”なんて曲が収録されています。生前のキャノンボールの音楽がそうだったように、この曲も徹底的に陽性。ベースはジャコで、いかにも電気的でフレットレスな音を出しています。この人は遠慮という言葉を知らんのか(笑)。
 ジャコで言えば、さらにもう一曲の“バーバリ・コースト”でもなかなか存在感のある、ぶっとい音を出しています。それもそのはず、こちらジャコ自身の作曲だわ(笑)。

 さてその、ベースの交代劇なんですが…。単なるリズム楽器としてのベースには飽き足らなかったということなんでしょうか…。アルフォンソ・ジョンソン、良いベーシストだと思うんですが…。確かに、ザヴィヌルやショーターの向こうを張って「第三の声」になるような人ではないのですが…。前任者のミロスラフ・ヴィトウスが、ザヴィヌルやショーターとがっぷり四つに組んで(まぁ三人ですが)、あわや三頭体制になろうかと言うほど食い込んでいたのに比べたら、ジョンソンは物足りない人材だったのかもしれません。そこら辺、僕は事情をよく知らないのですが…。

 ジャコの参加は本編では前述の二曲だけなんですけど(しつこいな(笑))、ボーナス・トラック3曲全てにジャコが参加しているので、CD全体で見たら全10曲中5曲と、半分にジャコが参加していることになっています。さすがジャコ推しボックスに収録されているCDだなぁ(笑)。

 そのボートラ3曲は全てライヴ音源。ボックス・セット『Live and Unreleased』からの既発表2曲と、ハバナで録音されているものの、既発のオムニバス・ライヴ・アルバム『Havana Jam 1』に収録のものとは多分別テイクの未発表音源1曲。後者はちょっと説明が必要でしょう。実は『Havana Jam 1』に収録の“Black Market”は、ハバナで演奏されたものではなく、ウェザー名義の『8:30』に収録されたものと同じテイクの音源に差し替えられているようなのです。これは、Amazonの輸入盤のユーザー・レビューにそう書いてあったのですが、真偽の程はなんとも。一人の人がそう書いているだけですから…。
 とまれ、この『The Columbia Albums 1976-1982』のブックレットの記載を信じれば、こちらの“Black Market”は真正のハバナ・ジャムでの未発表音源ということになります。いずれにせよ、演奏自体は大変良いものなので、やかましいことを言わなければ、文字通り「ボーナス」として楽しむことが出来ます。

 “Portraito of Tracy”はジャコの1stソロに収録されていた曲ですが、ここでも、ジャコのベース・ソロは冴え渡っています。そこから続いて演奏される“Elegant People”は、冒頭からウェイン・ショーターのサックス(ブックレットにはテナーと明記してあるけど、高音域を使いまくってて、ソプラノのような気もするんだけど、どうだろう?)が炸裂して、本編スタジオ・テイクを凌(しの)ぐ出来。本編ではショーターのサックスが出てくるまでが長いんだよね(笑)。
 問題の“Black Market”は、冒頭「うぇざー、りぽーと!」のMCの後、勢い良く始まります。多分ザヴィヌルは2台以上のキーボードを駆使。2'05"あたりで突如沸き起こる拍手がなんか不自然ですが、何かあったのかな?。そこら辺からショーターのサックス(これもテナーかソプラノかよくわかんない)が入って、盛り上がりまくります。ライヴではスタジオでのギミックが無いぶん、ショーターの存在感が増すような気がします。6'10"当たりで入る拍手もわざとらしいんですが(ショーターのソロに対するものなんだろうか)、ミックスでカットするとか出来んかったもんでしょうかね?。

 このボートラの選曲はなかなか意味深です。ザヴィヌルとショーターは、ウェザーのベスト・ナンバーを問われた時、それぞれ自作の“Black Market”と“Elegant People”を挙げたらしいのです。そして“Portraito of Tracy”はジャコの独壇場の曲。この後のウェザーを示唆する3曲と言えそうです。
 
■ウェザー・リポート日記
2016/11/27 The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
2016/08/27 ジャコ・パストリアスの肖像/ジャコ・パストリアス
2016/05/26 Tale Spinnin'
2016/02/27 Mysterious Traveller
2015/11/28 Sweetnighter
2015/08/28 Live In Tokyo
2015/05/28 I Sing The Body Electric
2015/01/27 Weather Report(1971)
2015/01/27 The COLUMBIA ALBUMS 1971-1975 (7CD 紙ジャケット 輸入盤)



ウェザー・リポート/Columbia Albums 1976-1982 (6CD 紙ジャケット 輸入盤)
ウェザー・リポート/The COLUMBIA ALBUMS 1976-1982

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

プロフィール

☆彡ふらんぼう

Author:☆彡ふらんぼう
 音楽好きの禿オヤジです。戦闘機もすき。♀アイドルも好き。そんな私です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR