Ram Full Album without 11th "Ram On"
Ram Bonus Audio Full
All songs written and composed by Paul & Linda McCartney, except where noted.
ディスク:1 [リマスタード・アルバム](43'15")
1. トゥ・メニー・ピープル Too Many People (Paul McCartney) 4:10
2. 3本足 3 Legs (Paul McCartney) 2:44
3. ラム・オン Ram On (Paul McCartney) 2:26
4. ディア・ボーイ Dear Boy 2:12
5. アンクル・アルバート~ハルセイ提督 Uncle Albert/Admiral Halsey 4:49
6. スマイル・アウェイ Smile Away (Paul McCartney) 3:51
7. 故郷のこころ Heart Of The Country 2:21
8. モンクベリー・ムーン・デライト Monkberry Moon Delight 5:21
9. 出ておいでよ、お嬢さん Eat At Home 3:18
10. ロング・ヘアード・レディ Long Haired Lady 5:54
11. ラム・オン Ram On (Paul McCartney) 0:52
12. バック・シート The Back Seat Of My Car (Paul McCartney) 4:26
ディスク:2 [ボーナス・オーディオ](33'10")
1. アナザー・デイ Another Day [single released in 1971] 3:42
2. オー・ウーマン、オー・ホワイ Oh Woman,Oh Why (Paul McCartney)[B-side of the "Another Day" single] 4:35
3. リトル・ウーマン・ラヴ Little Woman Love [B-side of Wings' "Mary Had a Little Lamb" single(1972)] 2:08
4. ア・ラヴ・フォー・ユー A Love for You (Paul McCartney)[Jon Kelly Mix] 4:08
5. ヘイ・ディドル Hey Diddle [Dixon Van Winkle Mix] 3:49
6. グレート・コック・アンド・シーガル・レース Great Cock and Seagull Race (Paul McCartney) 2:35
7. ロード・オールナイト Rode All Night (Paul McCartney) 8:44
8. サンシャイン・サムタイム Sunshine Sometime (Paul McCartney)[Earliest Mix] 3:20
Tracks 4-8 are previously unreleased
Personnel
Paul McCartney - lead, harmony and backing vocals, bass, piano, keyboards, guitar on "Heart of the Country", and ukelele on "Ram On"
Linda McCartney - harmony and backing vocals, co-lead vocals on "Long Haired Lady"
David Spinozza - guitar
Hugh McCracken - guitar
Denny Seiwell - drums
Heather McCartney - backing vocals on "Monkberry Moon Delight"
Marvin Stamm - flugelhorn on "Uncle Albert/Admiral Halsey"
New York Philharmonic on "Uncle Albert/Admiral Halsey" and "The Back Seat of My Car"
Released 17 May 1971
Recorded November 1970-January 1971, February-April 1971
ポールについて論じる時に厄介なことに、「ポールはロックンローラーか否か」論争が有る。一方は、「ポールはロックンローラーじゃないから、ケッ!」と言うもので、もう一方は、「ポールほどのロックンローラーが他にいるか!」と言うもの。どちらも極端で、私見ではどちらにも汲みし得ない。
まぁ、前者は論外というか、質の悪いキース・リチャーズ信者にいるような奴らだ。ポールがロックンロールを演奏するかどうかについては興味がなく、バラードのヒット曲が多いことをやっかんでいるだけだろう。
厄介なのが後者で、萩原健太なんかが代表なのだが(敬称略失敬!)、「ポールほど見事なロックンロール・シャウトをできるやつが他にいるというのか!」というのが、その主張の根拠の一つである。(このことだけを根拠に主張しているというわけではない。)これはなかなか強力で否定しがたい根拠なのだ。確かに、ポールの、ロックンロールを演奏する技術は完璧だと言ってもいい。
しかし、僕は、あえて、「能力」と「資質」は別だ、と、いう説を唱えたい。もちろん、私論であって、誰かを納得させるためというよりは、自分の立ち位置を表明するために、つらつらと書き連ねるものである。
つまり、ポールは、ロックンローラーとしての「能力」は申し分ない。そりゃ、ビートルズ時代の“のっぽのサリー”を例に出すまでもなく、火を見るより明らかだ。だが、「資質」はどうなのか?。ここで言う「資質」とは、本人の才能だけでなく、「姿勢」「指向性」も含むと思ってもらいたい。もし、ポールが、R&Rを自らのメイン・アイテムとして位置づけていて、言ってみればR&Rに殉じた音楽活動をしていたならば、誰も、彼のロックンローラーとしての「資質」を疑わないだろう。しかるに、現実には、…………………、現実には、…………………………………………………………、現実は、……………………………………………………………………………………………………………………、(ボソッ)ポールは器用すぎるのだ…。
ポールは器用に何でもこなしすぎるのではないか。
それこそ若い時に夢中になったR&Rも、親の世代から聴き継いだノスタルジックなディキシー・サウンドでも、自分の音楽の「一要素」としてこなしている。こなしてしまっているのだ。もう少し言うと、ポールの「資質」はいちロックンローラーとしての「器」に留まっていないのである。その気になれば、なんでもできちゃうのだ。
そして多分、ポール自身、R&Rにそこまでこだわっていないのではないかと言う気もする。「いやいや、「バック・イン・ザ・USSR」や「ラン・デヴィル・ラン」が有るじゃァないか」と言われそうだけど、逆に言えば、そんなふうに(アルバム単位で)かしこまらなければR&Rを採り上げられないのではないだろうか?。ポールにとっては、R&Rはあくまで自分の音楽を象(かたど)る一要素なのだと、やはり彼の音楽を聴いていて思ってしまう。そして、「ロックン・ローラー」と言う者は、そんなふうに、「一要素」としてR&Rをこなしてしまうのではなく、もっと、不器用にR&Rに寄りかかっているような人たちのことを言うのではないだろうか?。(例えばジョニー・サンダースのような。)
さらに、別の問題として、周りのファンがロックンローラーとしてのポールを期待しすぎている、ということが有るのではないか?。ポールはもっと自由に音楽をやりたいだろうし、実際やっているのだろうと思う。しかし、ファンの過剰なR&Rの期待への返答として、例えば、最初はソ連向け限定だったR&Rカヴァー集「バック・イン・ザ・USSR」を全世界展開してみたり、その続編的に「ラン・デヴィル・ラン」を演ったりしているのではないだろうか。
ここまでの論点を整理しよう。
まず、「ポールはロックンローラーでないから聴くに値しない」と言う意見は、単にポールがR&R以外のスタイルで(も)成功していることへのやっかみにすぎないと思われるので、ここでは考慮に入れない。
次に、ポール自身の「資質」として、R&Rというスタイル(だけ)に収まる器ではないということを述べた。その帰結として、いわゆる「不器用なロックン・ローラー」とは一線を画しており、もっと器の大きい音楽性をポールが持っていることを述べた。ここで、一応は、「ポールはロックン・ローラーではない」と言う僕の思いは述べたことになる。
更に、物事を複雑にしていることとして、R&Rスタイルのポールに対して過剰に思い入れを持つ一部のファンによって、「ロックンローラーであることを期待され、それに(ある程度は)応えている」ポールがいる、ということを述べた。
ここまでのまとめはすなわち、「ポールはロックン・ローラーではないが素晴らしいミュージシャンである」と言うことではなく、「ポールはロックン・ローラーでないからこそ素晴らしい」、と、言うことになる。これは、僕にとっては最高級の賛辞のつもりなのだが、同意していただけないとしても致し方がない。結局のところ、ポールが素晴らしいかどうかは、リスナー一人ひとりの心にあるわけで。そして、僕は、僕なりの賛辞を述べられるにすぎないのです。
そこで「ラム」だが。これは、どう聴いてもR&Rアルバムではないでしょ?。
大体の曲は“ブンチャ、ブンチャ”のリズムで演奏されているし。ロック・ビートといえるのは“出ておいでよ、お嬢さん”くらいなものです。
これをしかるに、「ポールほど見事なロックンロール・シャウトをできるやつが他にいるというのか!」と言う基準で判定したら、これほどダメダメなアルバムもないでしょ、健太さん?。
いやまぁ、某レコード・コレクターズみたいに「「バンド・オン・ザ・ラン」に匹敵する傑作!」だなんて言うつもりもないですけど(なかなかこの叩き文句には苦笑させられましたが。いやまぁ、その時点で「ラム」は未聴やったんですけど、なんぼ何でも、最高傑作と目される「バンド・オン・ザ・ラン」にそう簡単に匹敵しないでしょ、と言うのが正直な気持ちでした)、これはこれで、よく出来たアルバムではあります。1stソロの「マッカートニー」が、中途半端なインストを多数混ぜたためか酷評されたようですが(これも未聴なんだなぁ、僕は)、実質的な2ndに当たるこのアルバムでは、曲作りもしっかりと練られており、どれも聴き応えのあるものとなっています。いや、まぁ、そこまで“ブンチャ、ブンチャ”のリズムにこだわるか?、とは思いますけどね(苦笑)。おそらくはポップな味わいと土臭さのバランスをとろうとして、そういうリズムの多用につながったと思うんですけど、なぜ土臭くする必要があったのかはちょっとわかりまへん。(^^ゞ なんですよ、'70年代初頭はそういうサウンドが流行ってたんじゃないですかね?。
このアルバムから派生的にオーケストラ・インストの「スリリントン」なんてアルバムを作ったくらいですから、(当アルバムのスーパー・デラックス・エディションにはその「スリリントン」も収録)ポールも出来栄えには自信があったのでしょう。いやまぁ、僕は未聴ですけどね、「スリリントン」。(^^ゞ
繰り返しになりますが、それこそ、「ロックン・ローラーなポール・マッカートニー」にこだわっていてはこのアルバムの真価は見えてこないでしょう。そのことと関係あるかどうかはわかりませんが、発表当初は「マッカートニー」同様、評論家からは酷評されたらしいですね。今では、ファンの間での評価も高まり、それこそ「「バンド・オン・ザ・ラン」に匹敵!」なんて大風呂敷を某誌に広げさせるほどに愛聴されているアルバムとなっているわけであります。メデタシメデタシ。…なのか?。(^_^;
テーマ : 洋楽ロック
ジャンル : 音楽